馬鈴薯ばれいしょ)” の例文
ポンム・ド・テール(馬鈴薯ばれいしょ)をパルマンティエールと一般に言わせようとして、大層な努力をしていたが、それに成功しなかった。
四五年も前に、『運命論者』や『牛肉と馬鈴薯ばれいしょ』などを読んだことがあるが、それがう云う作品であったか、もう記憶にはなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
諸君がどんなに頑張がんばって、馬鈴薯ばれいしょとキャベジ、メリケン粉ぐらいを食っていようと、海岸ではあんまりたくさん魚がとれて困る。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
さて、私たちの歩みが薄紫の花のむらがる馬鈴薯ばれいしょ畠の前に来たところで、何か親しい秋雨のような細かな霧雨も降り出して来た。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
学校のラボラトリーでやっている実験ですが、五升芋ごしょういも馬鈴薯ばれいしょの地方名)から立派なウ※スキーのれる方法に成功しそうになっているんです。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
宗忠は鍋の中で米をぐ、火にかける、飯が出来たらそれを深い水桶にあけて、その跡へは味噌をとき、皮もむかぬ馬鈴薯ばれいしょを入れて味噌汁をつくる。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
そういうわけで、彼の父祖伝来の地所は、彼が管理するようになってからは少しずつ減ってゆき、今は玉蜀黍と馬鈴薯ばれいしょの畠がほんのわずか残っているだけだ。
これに馬鈴薯ばれいしょ澱粉でんぷんを加えて一週間二キログラムの割合をもって給付することに決定したのである。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
とにかく、それから間もない後、ぼくは遠くもない郊外の真っ暗な傾斜地に立っていた。眼の下に大きな池があった。池のふちまでが馬鈴薯ばれいしょの段々畑でつづいている。
馬鈴薯ばれいしょのポタージュ、パン。それに、喜んでいただけたのは果物のぢゃぼん(ざぼん?)でした。
地中にジャガイモ(馬鈴薯ばれいしょというは大間違い)のような塊茎かいけいが生じて食用になるのだが、それにまったく澱粉でんぷんはなく、ただイヌリン(ゴボウと同様)があるのみである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
けれども彼が馬鈴薯ばれいしょを掘る絶倫な精力と判で押したように規則正しく台所へ消えて行くことは、見る人に、彼が誰か高位の人のために食事の用意でもしているんじゃないか
総蔵はまた、凶年つづきの木曾地方のために、いかなる山野、悪田、空地あきちにてもよくできるというジャガタラいも馬鈴薯ばれいしょ)の試植を勧め、養蚕を奨励し、繰糸器械を輸入した。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼らは一緒に葡萄ぶどう畑や、林や、馬鈴薯ばれいしょ畑に出掛けて行く。そしてある時は野菜を、ある時はまだあお箒草ほうきぐさをという風に、あれや、これや、日によっていろんなものを積んで帰る。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
山野で採取せられるくず山慈姑やまくわいわらびの類、甘藷かんしょ馬鈴薯ばれいしょ等の栽培球根は、水分を利用して粉砕せられたけれども、のちに乾燥して貯蔵する故に、やはり常食の中に加えられている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
玉菜たまな赤茄子あかなすねぎ玉葱たまねぎ大根だいこんかぶ人参にんじん牛蒡ごぼう南瓜かぼちゃ冬瓜とうがん胡瓜きゅうり馬鈴薯ばれいしょ蓮根れんこん慈姑くわい生姜しょうが、三つ葉——あらゆる野菜に蔽われている。蔽われている? 蔽わ——そうではない。
不思議な島 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私はこの和尚から机を貸してもらい、おはぎを貰い、柿を貰い、馬鈴薯ばれいしょを貰った。
たとえばマッキンレーが始めて大統領に選ばれたときに馬鈴薯ばれいしょの値段が暴騰したので、ウィスコンシンの農夫らはそれをこの選挙の結果に帰した。しかし実は産地の旱魃かんばつのためであった。
科学と文学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
おいしい小さな川鱒かわます、ロース焼の馬鈴薯ばれいしょ、新鮮な茹卵ゆでたまご、それからコーヒーなどをマイダスに、そして姫のメアリゴウルドのためには一杯のパン入りミルクが供えてあったことと思います。
戦争中は、家をあげて山荘にこもり、林をひらいて、南瓜かぼちゃ馬鈴薯ばれいしょを作った。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そして手始めにまず、あまり手のかからない馬鈴薯ばれいしょをつくることが選ばれた。
ルイザは小さな子供たちに食物をよそってやった、一人に馬鈴薯ばれいしょ二つずつを。クリストフの番になると、その三つしか皿には残っていないことがしばしばで、しかも母はまだ取っていなかった。
切符売場の女の子達は、ふかした馬鈴薯ばれいしょを食べていた。それが変に私の食欲をそそった。私はそれから眼をらし、衣嚢に腰を掛け、無表情な群衆を眺めていた。昨夜の女のことを考えていたのだ。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
いかな見え坊の細君もここに至って翻然ほんぜん節を折って、台所へ自身出張して、飯もいたり、水仕事もしたり、霜焼しもやけをこしらえたり、馬鈴薯ばれいしょを食ったりして、何年かの後ようやく負債だけは皆済かいさいしたが
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
馬鈴薯ばれいしょを炉の灰に埋めて焼いて、四、五の作男と一緒にたべた。
二十世紀旗手 (新字新仮名) / 太宰治(著)
十一時五十分 馬鈴薯ばれいしょうらごし小量 トマト汁七〇
胆石 (新字新仮名) / 中勘助(著)
堆肥で馬鈴薯ばれいしょを植え付けようというのだった。
錯覚の拷問室 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
門番の女は、キャベツや馬鈴薯ばれいしょに少しの豚肉をまぜて、彼の粗末な食物をこしらえてやっていたが、その陶器皿の中を見て叫んだ。
いま小樽おたるの公園にる。高等商業こうとうしょうぎょう標本室ひょうほんしつも見てきた。馬鈴薯ばれいしょからできるもの百五、六十しゅの標本が面白おもしろかった。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大豆だいずにはくちかきむしの成虫がうざうざするほど集まった。麦類には黒穂の、馬鈴薯ばれいしょにはべと病の徴候が見えた。あぶぶよとは自然の斥候せっこうのようにもやもやと飛び廻った。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
すなわちただに一般食料品の価格が政府によりて公定せられおるのみならず、穀物、馬鈴薯ばれいしょ、鉄道及び全国の工場も約六割までは、すべて政府の手によりて支配されておる
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
「牛肉と馬鈴薯ばれいしょ」といえば、独歩の小説から連想しても、北海道には野となく丘となくふかし立ての馬鈴薯じゃがいもが雪のように積り、熊の毛皮を着た髭むじゃのアイヌやシャモが
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
玉ねぎや馬鈴薯ばれいしょに交じって椰子の実やじゃぼん、それから獣肉も干し魚もある。八百屋やおやがバイオリンを鳴らしている。菓汁かじゅうの飲料を売る水屋の小僧もあきかんをたたいて踊りながら客を呼ぶ。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
クリストフはカネーに出会ったが、カネーは自動車に乗って、二個のハムと一袋の馬鈴薯ばれいしょとを家に運んでいた。彼はのぼせ上がっていた。自分がもうどの党派に属するかをはっきり知らなかった。
現に馬鈴薯ばれいしょにも、はやまたカンプラ薯の名ができているのである。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
馬鈴薯ばれいしょ——わしゃ、子供が生れたようだ。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
以前から、もうずっと以前から、時々食べる二つの鶏卵と一片の肉片をも廃していた。食事はパンと馬鈴薯ばれいしょだけになっていた。
普通ふつう中学校などにそなけてある顕微鏡けんびきょうは、拡大度かくだいどが六百ばい乃至ないし八百倍ぐらいまでですから、ちょうはね鱗片りんぺん馬鈴薯ばれいしょ澱粉粒でんぷんりゅうなどはじつにはっきり見えますが
手紙 三 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
年じゅう同じように貯蔵した馬鈴薯ばれいしょや玉ねぎをかじり、干物塩物や、季節にかまわず豚や牛ばかり食っている西洋人やシナ人、あるいはほとんど年じゅう同じような果実を食っている熱帯の住民と
日本人の自然観 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
○この芋は馬鈴薯ばれいしょのことなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たたうべきかな神よ。神はまことにして変り給わない、神はすべてをつくり給うた。美しき自然よ。風は不断のオルガンを弾じ雲はトマトのごとく又馬鈴薯ばれいしょの如くである。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼女が夕御飯と言ったのは、実は一片のパンと四つか五つかの馬鈴薯ばれいしょとであった。
胡麻ごまつぶのようです。また望遠鏡でよくみると、大きなのや小さなのがあって馬鈴薯ばれいしょのようです。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
畑には灰いろの花椰菜はなやさいが光って百本ばかりそれから蕃茄トマトの緑や黄金きんの葉がくしゃくしゃにからみ合ってゐた。馬鈴薯ばれいしょもあった。馬鈴薯は大抵倒れたりガサガサに枯れたりしてゐた。
花椰菜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
馬鈴薯ばれいしょもしまってあるだろう。」
フランドン農学校の豚 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)