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香
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かを
ふりがな文庫
“
香
(
かを
)” の例文
一二月
(
いちにがつ
)
の
頃
(
ころ
)
に
枯
(
か
)
れ
木
(
き
)
のような
小枝
(
こえだ
)
に、
黄色
(
きいろ
)
い
花
(
はな
)
を
着
(
つ
)
けたり、また
蝋梅
(
ろうばい
)
のようにもっと
早
(
はや
)
く
雪
(
ゆき
)
の
中
(
なか
)
で
香
(
かを
)
りたかく
咲
(
さ
)
き
誇
(
ほこ
)
るものもあります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
それを
雨
(
あめ
)
のために、
匂
(
にほ
)
ひが
和
(
やは
)
らげられて、ほとんど、あるかないかのように、しんみりとしたふうに
香
(
かを
)
つて
來
(
く
)
る、と
述
(
の
)
べてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
その時、突然、私の鼻を打つたものは、若葉の
匂
(
にほ
)
ひから明確に分離してゐる、あのカシミヤブーケの高い
香
(
かを
)
りであつた。
アリア人の孤独
(新字旧仮名)
/
松永延造
(著)
誰
(
た
)
れが
爲
(
ため
)
の
色
(
いろ
)
ならず
君
(
きみ
)
におくれて
鏡
(
かゞみ
)
の
影
(
かげ
)
に
合
(
あは
)
す
面
(
おもて
)
つれなしとて
伽羅
(
きやら
)
の
油
(
あぶら
)
の
香
(
かを
)
りも
留
(
と
)
めず
亂
(
みだ
)
れ
次第
(
しだい
)
の
花
(
はな
)
の
姿
(
すがた
)
やつれる
身
(
み
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
風恬
(
かぜしづか
)
に草
香
(
かを
)
りて、唯居るは惜き
日和
(
ひより
)
に
奇痒
(
こそばゆ
)
く、貫一は又出でて、塩釜の西南十町ばかりの山中なる塩の湯と云ふに遊びぬ。
還
(
かへ
)
れば
寂
(
さびし
)
く夕暮るる頃なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
その中にうす甘い匀のするのは、人知れず
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に腐つて
行
(
ゆ
)
く花や果物の
香
(
かを
)
りかも知れない。
東洋の秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
老人はあれを頭のなかにはつきり写生して置いたのだらう。あれほど
香
(
かを
)
り高く円熟はしてゐないが、しかし、その代り端的で鋭くてせつぱ詰つた気合が掛つてゐた。………………
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
巻二(一六二)に、「
塩気
(
しほけ
)
のみ
香
(
かを
)
れる国に」の例がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
美くしき譬へがたなき
恍惚
(
くわうこつ
)
の奥の
香
(
かを
)
りを。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あたたかい
香
(
かを
)
りがみちて 空から
優しき歌 Ⅰ・Ⅱ
(新字旧仮名)
/
立原道造
(著)
ここに
香
(
かを
)
れる野花あり
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
香
(
かを
)
りの
草
(
くさ
)
はふまずとも
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
ほのかなる
朽木
(
くちき
)
の
香
(
かを
)
り
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
奥さんの部屋に入ると、そこは小さな、しかし、
香
(
かを
)
りと潤のある部屋でした。壁にかけられた十字架のまはりに野生の花が飾られ、聖者たちの美しい肖像画が壁のあちこちに
貼
(
は
)
つてありました。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
それも
道理
(
だうり
)
雪
(
ゆき
)
の
夜道
(
よみち
)
押
(
お
)
してとは
言
(
い
)
ひかねて
心
(
こゝろ
)
ならねど
又
(
また
)
暫時
(
しばらく
)
二度目
(
にどめ
)
に
入
(
い
)
れし
茶
(
ちや
)
の
香
(
かを
)
り
薄
(
うす
)
らぐ
頃
(
ころ
)
になりても
音
(
おと
)
もなければ
今
(
いま
)
は
來
(
こ
)
ぬものか
來
(
く
)
るものか
當
(
あ
)
てにもならず
當
(
あ
)
てにして
何時
(
いつ
)
といふ
際限
(
さいげん
)
もなし
行
(
ゆ
)
き
違
(
ちが
)
ひになるともそれは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
香
(
かを
)
らざらめやその
和毛
(
にこげ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
水の色、
香
(
かを
)
る
泡沫
(
うたかた
)
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
建物の裏からは満開を過ぎた梅の蒸すやうな匂が漂つてゐた。それはしかし、あの
四君子
(
しくんし
)
に
喩
(
たと
)
へられてゐるやうな
清楚
(
せいそ
)
なものではなく、
何処
(
どこ
)
か梅自身
欝々
(
うつ/\
)
と病んでゐるかのやうな、重たい
香
(
かを
)
りだつた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
香木
(
かうぼく
)
の
髓
(
ずゐ
)
香
(
かを
)
る
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
“香”の解説
香(こう、en: incense)とは、本来、伽羅、沈香、白檀などの天然香木の香りをさす。そこから線香、焼香、抹香、塗香等の香り、またこれらの総称として用いられる。お香、御香ともいう。
(出典:Wikipedia)
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“香”を含む語句
香花
香物
名香
香気
薫香
香油
香料
鬱金香
麝香
芳香
香水
茴香
香炉
沈香
涙香
香煎
香箱
香染
香具
香山
...