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おいらん
ふりがな文庫
“
遊女
(
おいらん
)” の例文
「
怨死
(
うらみじに
)
じゃの。こう髪を
啣
(
くわ
)
えての、
凄
(
すご
)
いような美しい
遊女
(
おいらん
)
じゃとの、
恐
(
こわ
)
いほど品の
好
(
い
)
いのが、それが、お前こう。」と口を
歪
(
ゆが
)
める。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
不図
(
ふと
)
自分の部屋の障子がスーと
開
(
あ
)
いて、廊下から
遊女
(
おいらん
)
が一人入って来た、見ると自分の
敵娼
(
あいかた
)
でもなく、またこの
楼
(
うち
)
の者でも、ついぞ見た事のない女なのだ。
一つ枕
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
賭博場
(
ばくちば
)
を
軽
(
ころ
)
げ歩き、芸妓屋の
情夫
(
にい
)
さんになったり、
鳥料理
(
とりや
)
の板前になったり、俥宿の帳附けになったり、
頭
(
かしら
)
の家に厄介になったり、
遊女
(
おいらん
)
を女房にしたりしているうちに
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
遊女
(
おいらん
)
は気がせいたか、少し
狙
(
ねらい
)
がはずれた処へ、その胸に伏せて、うつむいていなすった、鏡で、かちりとその、剃刀の刃が留まったとの。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「島田も
可
(
い
)
いこと、それなりで角かくしをさしたいようだわ……ああ、でも
扱帯
(
しごき
)
を前帯じゃどう。
遊女
(
おいらん
)
のようではなくって、」
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
東雲
(
しののめ
)
の朝帰りに、思わず聞いた、「こんな
身体
(
からだ
)
で、墓詣りをしてもいいだろうか。」
遊女
(
おいらん
)
が、「仏様でしたら差支えござんすまい。御両親。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると髪がざらざらと崩れたというもんだ、姿見に映った顔だぜ、その顔がまた
遊女
(
おいらん
)
そのままだから、キャッといったい。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それと
極
(
きま
)
っては、
内所
(
ないしょ
)
の飼猫でも、
遊女
(
おいらん
)
の秘蔵でも、
遣手
(
やりて
)
の
懐児
(
ふところご
)
でも、町内の三毛、
斑
(
ぶち
)
でも、何のと引手茶屋の娘の
勢
(
いきおい
)
。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
耽溺
(
たんでき
)
、痴乱、
迷妄
(
めいもう
)
の余り、夢とも
現
(
うつつ
)
ともなく、「おれの
葬礼
(
とむらい
)
はいつ出る。」と云って、無理心中かと、
遊女
(
おいらん
)
を驚かし、二階中を騒がせた男がある。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、
高尾
(
たかを
)
、
薄雲
(
うすぐも
)
、
芳野
(
よしの
)
など
云
(
い
)
ふ
絶世
(
ぜつせい
)
の
美人
(
びじん
)
の
身代金
(
みのしろきん
)
、
即
(
すなは
)
ち
人參
(
にんじん
)
一兩
(
いちりやう
)
の
値
(
あたひ
)
は、
名高
(
なだか
)
い
遊女
(
おいらん
)
一人
(
いちにん
)
に
相當
(
さうたう
)
するのであるから、
蓋
(
けだ
)
し
容易
(
ようい
)
なわけのものではない。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
婦
(
おんな
)
は
遊女
(
おいらん
)
だ、というじゃないか。……(おん
箸入
(
はしいれ
)
。)とかくようだ。中味は
象牙
(
ぞうげ
)
じゃあるまい。馬の骨だろう。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吉野、高橋、清川、
槙葉
(
まきは
)
。寝物語や、
美濃
(
みの
)
、
近江
(
おうみ
)
。ここにあわれを
留
(
とど
)
めたのは屋号にされた
遊女
(
おいらん
)
達。……ちょっと柳が
一本
(
ひともと
)
あれば滅びた白昼の
廓
(
くるわ
)
に
斉
(
ひと
)
しい。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや、驚くまい事か、糸も
撥
(
ばち
)
も
投
(
ほう
)
り出して、
縋
(
すが
)
りついて介抱をしたんだけれども、歯を
切緊
(
くいしば
)
ってしまったから、
遊女
(
おいらん
)
の
空癪
(
そらしゃく
)
を扱うようなわけには
行
(
ゆ
)
かない。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは
卓子台
(
ちゃぶだい
)
に
載
(
の
)
せると
可
(
よ
)
かった。でなくば、もう少し
間
(
なか
)
を
措
(
お
)
いて
居
(
すわ
)
れば
仔細
(
しさい
)
なかった。もとから
芸妓
(
げいしゃ
)
だと離れたろう。
前
(
さき
)
の
遊女
(
おいらん
)
は、身を寄せるのに
馴
(
な
)
れた。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(一所に
登楼
(
あが
)
るぜ。)と手を引いて飛込んで、今夜は
情女
(
いろおんな
)
と遊ぶんだから、お前は次の
室
(
ま
)
で待ってるんだ、と
名代
(
みょうだい
)
へ追いやって、
遊女
(
おいらん
)
と寝たと云う豪傑さね。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
徳利
(
とつくり
)
が
化
(
ば
)
けた
遊女
(
おいらん
)
と
云
(
い
)
ふ
容子
(
ようす
)
だが、
其
(
そ
)
の
窓
(
まど
)
へ、
紅
(
べに
)
を
刷
(
は
)
いたら、
恐
(
おそ
)
らく
露西亜
(
ろしや
)
の
辻占
(
つぢうら
)
であらう。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
対手
(
あいて
)
がソレ者と心安だてに
頤杖
(
あごづえ
)
ついて見上げる顔を、あたかもそれ、
少
(
わか
)
い
遊女
(
おいらん
)
の
初会惚
(
しょかいぼれ
)
を洞察するという
目色
(
めつき
)
、
痩
(
や
)
せた頬をふッくりと、
凄
(
すご
)
いが優しらしい笑を含んで
熟
(
じっ
)
と
視
(
なが
)
め
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
言うまでもなく
商売人
(
くろうと
)
だけれど、
芸妓
(
げいしゃ
)
だか、
遊女
(
おいらん
)
だか——それは今において分らない——何しろ、宗吉には三ツ四ツ、もっとかと思う年紀上の綺麗な姉さん、
婀娜
(
あだ
)
なお千さんだったのである。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
可哀
(
あわれ
)
に美しく
凄
(
すご
)
い瞳に、自分のを直して着せた
滝縞
(
たきじま
)
お召の
寝々衣
(
ねんねこ
)
を着た男と、……不断じめのまだ残る、
袱紗帯
(
ふくさおび
)
を、あろう事か、
〆
(
し
)
めるはまだしも、しゃら
解
(
ど
)
けさして、
四十歳
(
しじゅう
)
宿場の
遊女
(
おいらん
)
どの
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新吉原のまざり
店
(
みせ
)
、
旭丸屋
(
あさひまるや
)
の
裏階子
(
うらばしご
)
で、
幇間
(
たいこもち
)
の
次郎庵
(
じろあん
)
が三つならんだ
真中
(
まんなか
)
の
厠
(
かわや
)
で肝を消し、表大広間へ
遁上
(
にげのぼ
)
る、その階子の中段で、やせた
遊女
(
おいらん
)
が崩れた島田で、うつむけにさめざめ泣いているのを
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“遊女”の意味
《名詞》
遊女(ゆうじょ)
宿場などの宴会で歌舞をしたり、色を売ることを業とする者。遊び女。
公許された遊郭の娼婦。
(出典:Wiktionary)
“遊女”の解説
遊女(ゆうじょ、あそびめ)は、遊廓や宿場で男性に性的サービスをする女性のことで、娼婦、売春婦の古い呼称。「客を遊ばせる女」と言う意味が一般的である。
(出典:Wikipedia)
遊
常用漢字
小3
部首:⾡
12画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“遊女”で始まる語句
遊女宿
遊女屋
遊女狂
遊女町
遊女街
遊女買