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譃
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うそ
ふりがな文庫
“
譃
(
うそ
)” の例文
「
譃
(
うそ
)
です、譃です、そんな事あれしません、そら誤解や。」「譃やあれへん、そんならさっきの事いおか?」「さっきどういうた?」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
すると菊池は
眉
(
まゆ
)
を挙げながら、「
譃
(
うそ
)
だよ、君」と
一喝
(
いつかつ
)
した。僕は勿論さう云はれて見れば、「ぢや譃だらう」と云ふ
外
(
ほか
)
はなかつた。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「なんだか知れるものですか。その方の言ったのが
譃
(
うそ
)
かも知れないわ。あなたが御用心をなさるようにおどかしたのかも知れないわ。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
「今まで言っていたことは何もかも皆な
譃
(
うそ
)
ばかりであった。やっぱり女もこの家にいるにちがいない」と
独
(
ひと
)
りでうなずいて
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
けんどそれやわしに言はすと
譃
(
うそ
)
や。
何
(
な
)
んぼ氣がちごたかて、わしを知つてゝ、お時を知らんちふことがあるもんか。其處んとこは作り
狂氣
(
きちがひ
)
や。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
この出来事はさすがに
譃
(
うそ
)
であるとはいえない。まったく驚くべき
暗合
(
あんごう
)
で、彼のこころに強い印象を残したのも無理はない。
世界怪談名作集:06 信号手
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
あれは
譃
(
うそ
)
でございます。弟が一人で逃げたって、まあ、どこまで往かれましょう。あまり親に逢いたいので、あんなことを
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
わたしはこの重みが
譃
(
うそ
)
であることを知っているから、
押除
(
おしの
)
けると、身体中の汗が出た。しかしどこまでも言ってやる。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
ロミオ おゝ、
有難
(
ありがた
)
い、かたじけない、
何
(
なん
)
といふ
嬉
(
うれ
)
しい
夜
(
よる
)
! が、
夜
(
よる
)
ぢゃによって、もしや
夢
(
ゆめ
)
ではないか
知
(
し
)
らぬ。
現
(
うつゝ
)
にしては、
餘
(
あんま
)
り
嬉
(
うれ
)
し
過
(
す
)
ぎて
譃
(
うそ
)
らしい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
女はこんな
譃
(
うそ
)
を衝いてゐる。
饒舌
(
しやべ
)
りながらセルギウスの顔を見てゐるうちに、間が悪くなつて黙つてしまつた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
それから段々話し込んで、
譃
(
うそ
)
に
尾鰭
(
おひれ
)
を付けて、賭をしているのだから、拳銃の打方を教えてくれと頼んだ。そして店の主人と一しょに、裏の陰気な中庭へ出た。
女の決闘
(新字新仮名)
/
ヘルベルト・オイレンベルク
(著)
使って居た
女中
(
じょちゅう
)
は、
江州
(
ごうしゅう
)
彦根在の者で、其
郷里地方
(
きょうりちほう
)
には家屋敷を捨売りにして京、大阪や東京に出る者が多いので、
譃
(
うそ
)
の様に
廉
(
やす
)
い地面家作の
売物
(
うりもの
)
があると云う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
学校に行ったらみんなが遠くの方から僕を見て「見ろ泥棒の
譃
(
うそ
)
つきの日本人が来た」とでも悪口をいうだろうと思っていたのにこんな風にされると気味が悪い
程
(
ほど
)
でした。
一房の葡萄
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
あなたの
譃
(
うそ
)
が分かる。そこでわたくしは無駄骨を折らなくてもいい事になる。あんな御亭主に比べて見れば、わたくしは鬚ぐらい剃らずにいたって、十割も男が好いわけですからね。
最終の午後
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
譃
(
うそ
)
ウ、あなたのいつもの
癖
(
くせ
)
にきまつてるわ。ねエ、
子供
(
こども
)
の
洋服
(
やうふく
)
や
靴
(
くつ
)
は
必要品
(
ひつやうひん
)
よ。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
お孝は
譃
(
うそ
)
のないところこう思っていた。それが
時三
(
ときぞう
)
を婿にとってから変った。
寒橋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこで、たしかに
譃
(
うそ
)
でない、あの妖物はそんなたぐいの色であった!
世界怪談名作集:04 妖物
(新字新仮名)
/
アンブローズ・ビアス
(著)
「彦根は
譃
(
うそ
)
、入れば召捕えられる所へ誰が参りましょう。」
新訂雲母阪
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
分けることの出来ない三一同体だと云うのが
譃
(
うそ
)
なら
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
勿論源平盛衰記の記事は
譃
(
うそ
)
だと云ふ考証家が現れたら、自分は甘んじて
何時
(
いつ
)
でも、改竄者の焼印を押されようとするものである。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それが前にもいいましたように、まだその時分は光子さんと物いうたこともなかったほどでしたさかい、
出鱈目
(
でたらめ
)
も出鱈目、ひどい
譃
(
うそ
)
やのんです。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
譃
(
うそ
)
であろうというと、もう、そんなところにいるものか、遠くの親類が引き取ったとか、またこういえば、私が東京へ帰って行くとでも思ったか
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
お豊さんは驚きあきれた顔をして黙っていたが、しばらくすると、その顔に
笑
(
え
)
みがたたえられた。「
譃
(
うそ
)
でしょう」
安井夫人
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
女は男の肩に頭をぴったり寄せ掛けて、
中音
(
ちゅうおん
)
で云った。「
譃
(
うそ
)
だわ。あなたが死んでしまうもんですか。もしあなたが生きていなけりゃあ、わたくしも生きてはいないわ。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
ロミオ
信仰
(
しんかう
)
の
堅
(
かた
)
い
此
(
この
)
眼
(
まなこ
)
に、
假
(
かり
)
にも
其樣
(
そのやう
)
な
不信心
(
ふしんじん
)
が
起
(
おこ
)
るならば、
涙
(
なみだ
)
は
炎
(
ほのほ
)
とも
變
(
かは
)
りをれ!
何度
(
なんど
)
溺
(
おぼ
)
れても
死
(
し
)
にをらぬ
此
(
この
)
明透
(
すきとほ
)
る
異端
(
げだう
)
め、
譃
(
うそ
)
を
言
(
い
)
うた
科
(
とが
)
で
火刑
(
ひあぶり
)
にせられをれ!
何
(
なん
)
ぢゃ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それに
譃
(
うそ
)
を衝くと云ふ事がない。只此青年の立派な性格に
瑕
(
きず
)
を付けるのは例の激怒だけである。それが発した時は自分で抑制することがまるで出来なくなつて、猛獣のやうな振舞をする。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
「
譃
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
け。この場になってもう遅い。お前の仲間は今どこにいる」
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「
譃
(
うそ
)
つけ。飯じゃあるめえし——」
三人の相馬大作
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
譃
(
うそ
)
ばかりを天使の詞で囁きます。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
しかしとうとう晩年には悲壮な
譃
(
うそ
)
つきだったことに
堪
(
た
)
えられないようになりました。この聖徒も時々書斎の
梁
(
はり
)
に恐怖を感じたのは有名です。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
譃
(
うそ
)
云ひなさい、あんた始めからリヽーに食べささう思うて、好きでもないもん好きや云うてるねんやろ。あんた、わてより猫が大事やねんなあ。」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
みんな
譃
(
うそ
)
をいっていたのだ、だからこうして話してみなければ真相は分らない。それでいて私こそ好い面の皮だ。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
しかしそれを
拒
(
こば
)
んで
答
(
こた
)
へずにしまふのは、
殆
(
ほとん
)
どそれは
譃
(
うそ
)
だと
云
(
い
)
ふと
同
(
おな
)
じやうになる。
近頃
(
ちかごろ
)
歸
(
き
)
一
協會
(
けふくわい
)
などでは、それを
子供
(
こども
)
のために
惡
(
わる
)
いと
云
(
い
)
つて
氣遣
(
きづか
)
つてゐる。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それは
譃
(
うそ
)
に違いない。そんな事のありようがない。そう思う心を男に話して聞かせようと思って、男の前に
蹲
(
しゃが
)
んで、下から見上げたが、声が出なかった。そこで頭を男の
膝
(
ひざ
)
に載せて泣いた。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
「ああれ、また、
譃
(
うそ
)
ばっかり——」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
皆
譃
(
うそ
)
さ。目を昏ましたのだ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
エブラ
譃
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
け。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
僕 それは
譃
(
うそ
)
だ。文芸史家の譃だ。ゲエテは丁度三十五の年に突然
伊太利
(
イタリイ
)
へ逃走してゐる。さうだ。逃走と云ふ外はない。
闇中問答
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
譃
(
うそ
)
云ひなさい、あんた始めからリヽーに食べささう思うて、好きでもないもん好きや云うてるねんやろ。あんた、わてより猫が大事やねんなあ。」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかしそれを拒んで答えずにしまうのは、ほとんどそれは
譃
(
うそ
)
だというと同じようになる。近ごろ帰一協会などでは、それを子供のために悪いと言って気づかっている。
寒山拾得縁起
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「それじゃ、四、五年も前から、自分ばかりに、
身体
(
からだ
)
の始末をつけてもらいたいようにいって頼んでいたのは、みんな
譃
(
うそ
)
であったかも知れぬ」と思ったが、女の
厭
(
いや
)
がるようなことを
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それは、
譃
(
うそ
)
だよ、案じるな
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
わたしは度たび
譃
(
うそ
)
をついた。が、文字にする時は
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、わたしの口ずから話した譃はいずれも拙劣を極めたものだった。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
譃
(
うそ
)
云いなさい、あんた始めからリリーに食べさそう思うて、好きでもないもん好きや云うてるねんやろ。あんた、わてより猫が大事やねんなあ。」
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
貸本屋が「読み本」を見せて勧めると、それは
譃
(
うそ
)
の書いてある本だろうと云って、手に取って見ようともしない。夜は目が
草臥
(
くたび
)
れると云って本を読まずに、寄せへ往く。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
仮に
譃
(
うそ
)
にしても……譃にちがいないと思うが……病気で廃めたというだけのことに、せめて幾らか頼みの綱が
繋
(
つな
)
がっているような気がして、それだけに心に少し勢いがついて、宿にとって返し
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
もし
譃
(
うそ
)
だと思ふならば、アフリカの森林に
抛
(
ほふ
)
り出された君や僕を想像して見給へ。勇敢なる君はホツテントツトの
尊長
(
しうちやう
)
の王座に登るかも知れない。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そのうちに着物の
裾
(
すそ
)
が又さっとまくれそうになるのんで、片っ方の手でそれも押えてんならんし、ほんに、東京のからッ風云うたら
譃
(
うそ
)
やない思うたわ
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
近い頃のロシアの小説に、
譃
(
うそ
)
を
衝
(
つ
)
かぬ小学生徒と云ふものを書いたのがある。我事も人の事も、有の儘を教師に告げる。そこで
傍輩
(
ばうはい
)
に憎まれてゐたたまらなくなるのである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
譃
(
うそ
)
だ」というと
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
譃
部首:⾔
19画
“譃”を含む語句
譃衝
譃言
戯譃
諧譃
譃吐
譃浪
譃語