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ためし
ふりがな文庫
“
試
(
ためし
)” の例文
ブル/\
慄
(
ふる
)
えて居る新吉に構わず、
細引
(
ほそびき
)
を取って
向
(
むこう
)
の柱へ結び付け、惣右衞門の側へ来て寝息を
窺
(
うか
)
がって、起るか起きぬか
試
(
ためし
)
に小声で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その代り、この窮屈な主義だとか、主張だとか、人生観だとかいうものを積極的に打ち壊して懸った
試
(
ためし
)
もない。実に平凡で好い。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
試
(
ためし
)
に太祇のこの種の句を模して見るがよい。それは
終
(
つい
)
に卑俗な句になってしまって、容易にこの太祇のような気の
利
(
き
)
いた句は出来ぬであろう。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
けれども、折角さう
思召
(
おぼしめ
)
すものなら、物は
試
(
ためし
)
で御座いますから、間さん、貴方、赤樫にお話し遊ばして御覧なさいましな。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
多少作り事の嫌いがあると疑うものがあれば、それは短見であろう。
試
(
ためし
)
にその珠玉の一つを取って透して見れば、人はその多彩に驚かされるにちがいない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
...
試
(
ためし
)
てくれ給え、それは僕の家の独得の料理だよ」中川「今一つ二つ試みて感心したのだ。よくこんなに柔く煮えるね、味も大層結構だが奥さんこれはどうします」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ふむまた
売卜乾坤堂
(
うらないけんこうどう
)
、天門堂とすれば可い、
一番
(
ひとつ
)
みてもらいたいくらいだ、
向
(
むこう
)
は仕立屋、何、仕立物いたしますか、これは耳寄、仕立屋に(ぬい)が居ようも知れねえ。
試
(
ためし
)
だ、ちょいと聞いてみよう。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は御承知の通りよほど神経の
鈍
(
にぶ
)
くできた
性質
(
たち
)
です。
御蔭
(
おかげ
)
で
今日
(
こんにち
)
まで余り人と争った事もなく、また人を怒らした
試
(
ためし
)
も知らずに過ぎました。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
門口
(
かどぐち
)
などで行き逢うと、
丁寧
(
ていねい
)
に時候の
挨拶
(
あいさつ
)
をして、ちと御話にいらっしゃいと云うが、ついぞ行った事もなければ、向うからも来た
試
(
ためし
)
がない。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其代り、此窮窟な主義だとか、主張だとか、人生観だとかいふものを
積極的
(
せききよくてき
)
に
打
(
う
)
ち
壊
(
こは
)
して
懸
(
かゝ
)
つた
試
(
ためし
)
もない。実に平凡で
好
(
い
)
い。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
出勤刻限
(
しゆつきんこくげん
)
の
電車
(
でんしや
)
の
道伴
(
みちづれ
)
程
(
ほど
)
殺風景
(
さつぷうけい
)
なものはない。
革
(
かは
)
にぶら
下
(
さ
)
がるにしても、
天鵞絨
(
びろうど
)
に
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けるにしても、
人間的
(
にんげんてき
)
な
優
(
やさ
)
しい
心持
(
こゝろもち
)
の
起
(
おこ
)
つた
試
(
ためし
)
は
未
(
いま
)
だ
甞
(
かつ
)
てない。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのくせいまだ大した所へ連れて行ってくれた
試
(
ためし
)
がない。「
今度
(
こんだ
)
いっしょに連れてってやろうか」もおおかたその
格
(
かく
)
だろうと思ってただうんと答えておいた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
出勤刻限の電車の
道伴
(
みちづれ
)
ほど殺風景なものはない。
革
(
かわ
)
にぶら下がるにしても、
天鵞絨
(
びろうど
)
に腰を掛けるにしても、人間的な
優
(
やさ
)
しい心持の起った
試
(
ためし
)
はいまだかつてない。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こういう順序で中学から高等学校、高等学校から大学と順々に私は教えて来た経験をもっていますが、ただ小学校と女学校だけはまだ足を入れた
試
(
ためし
)
がございません。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
永年
(
えいねん
)
彼と交際をしたどの月にも、どの日にも、余はいまだかつて彼の拙を笑い得るの機会を
捉
(
とら
)
え
得
(
え
)
た
試
(
ためし
)
がない。また彼の拙に
惚
(
ほ
)
れ込んだ瞬間の場合さえもたなかった。
子規の画
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし停車場で何の係りをして、どんな事務を取扱っているのか、ついぞ当人に聞いた事もなければ、また向うから話した
試
(
ためし
)
もないので、敬太郎には一切が
X
(
エックス
)
である。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ありがとう」と頭を下げるだけで、ついぞ出掛けた
試
(
ためし
)
はなかった。さすがの宗助さえ一度は
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
と
御米
(
およね
)
とは
仲
(
なか
)
の
好
(
い
)
い
夫婦
(
ふうふ
)
に
違
(
ちがひ
)
なかつた。
一所
(
いつしよ
)
になつてから
今日
(
こんにち
)
迄
(
まで
)
六
年
(
ねん
)
程
(
ほど
)
の
長
(
なが
)
い
月日
(
つきひ
)
をまだ
半日
(
はんにち
)
も
氣不味
(
きまづ
)
く
暮
(
くら
)
した
事
(
こと
)
はなかつた。
言逆
(
いさかひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
らめ
合
(
あ
)
つた
試
(
ためし
)
は
猶
(
なほ
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
誰の命令も文字通りに拝承した事のない代りには、誰の意見にも
露
(
むき
)
に抵抗した
試
(
ためし
)
がなかった。解釈のしようでは、策士の態度とも取れ、優柔の生れ付とも思われる
遣口
(
やりくち
)
であった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
催促
(
さいそく
)
すると、まだ
先方
(
せんぱう
)
から
戻
(
もど
)
つて
參
(
まゐ
)
りませんからとか
何
(
なん
)
とか
言譯
(
いひわけ
)
をする
丈
(
だけ
)
で
甞
(
かつ
)
て
埒
(
らち
)
の
明
(
あ
)
いた
試
(
ためし
)
がなかつたが、とう/\
持
(
も
)
ち
切
(
き
)
れなくなつたと
見
(
み
)
えて、
何處
(
どこ
)
かへ
姿
(
すがた
)
を
隱
(
かく
)
して
仕舞
(
しま
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
子規は人間として、又文學者として、最も「
拙
(
せつ
)
」の缺乏した男であつた。
永年
(
ながねん
)
彼と交際をした
何
(
ど
)
の月にも、
何
(
ど
)
の日にも、余は未だ曾て彼の
拙
(
せつ
)
を笑ひ得るの機會を
捉
(
とら
)
へ
得
(
え
)
たた
試
(
ためし
)
がない。
子規の画
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は
今日
(
こんにち
)
まで何一つ自分の力で、先へ突き抜けたという自覚を
有
(
も
)
っていなかった。勉強だろうが、運動だろうが、その他何事に限らず本気にやりかけて、
貫
(
つら
)
ぬき
終
(
おお
)
せた
試
(
ためし
)
がなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
現にペリカンが如何に出渋っても、余は
未
(
いま
)
だかつて彼を洗濯した
試
(
ためし
)
がなかった。
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
窓際
(
まどぎわ
)
を枕に寝ていたので、空は蚊帳越にも見えた。
試
(
ためし
)
に赤い
裾
(
すそ
)
から、頭だけ出して
眺
(
なが
)
めると星がきらきらと光った。自分はこんな事をする間にも、下にいる岡田夫婦の
今昔
(
こんじゃく
)
は忘れなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そういう名のつく感情に強く心を奪われた
試
(
ためし
)
がなかったのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
試
常用漢字
小4
部首:⾔
13画
“試”を含む語句
試合
試験
試練
試驗
新刀試
嘗試
賭試合
迦畢試
試用
踏試
試薬
一寸試
競争試験
肝試
試煉
胆試
五分試
試胆
力試
学年試験
...