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臂
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ぴ
ふりがな文庫
“
臂
(
ぴ
)” の例文
がシカシ君の
事
(
こっ
)
たから今更
直付
(
じかづ
)
けに
往
(
い
)
き
難
(
にく
)
いとでも思うなら、我輩一
臂
(
ぴ
)
の力を仮しても宜しい、
橋渡
(
はしわたし
)
をしても宜しいが、どうだお
思食
(
ぼしめし
)
は
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
こういう時に天将の一人が降臨して一
臂
(
ぴ
)
の力を添える事が、彼女の希望であったのだろうが、今頼みもしないで出て来たのがこの阿五将だ。
明日
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
一
臂
(
ぴ
)
の力添えようと、同志とともに
蹶起
(
けっき
)
したもの、この地は他領とはいいながら、地続きのこと援助願おうと、こうして参ったわれわれでござる。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しかして余再び彼に帰し、彼再び我に和し、旧時の
団欒
(
だんらん
)
を回復し、我も彼の一
臂
(
ぴ
)
となり、彼をして
旭日
(
あさひ
)
の登るがごとく、勇者の
眠
(
ねむり
)
より醒めしがごとく
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
ただ陸戦においては、やや彼に遜色を感じるものがないでもない。ねがわくは先生にも一
臂
(
ぴ
)
の力をそえられい
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そこに立つ両部時代の遺物の中にはまた、十二権現とか、不動尊とか、三面六
臂
(
ぴ
)
を有し
猪
(
いのしし
)
の上に踊る三宝荒神とかのわずかに破壊を免れたもののあるのも目につく。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
石橋君がその著八六頁に『一切経
音義
(
おんぎ
)
』より文、『諸尊図像鈔』より図を出したのをみるに、日本化しない大黒天の本像は八
臂
(
ぴ
)
で、前の二手に一剣を横たえた状が
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
右近と
肝胆相照
(
かんたんあいて
)
らす間柄になり、喬之助の秘密にも関与して、一
臂
(
ぴ
)
の力を
藉
(
か
)
すことになっているのだが——その晩は別に、そんな
思惑
(
おもわく
)
があって歩いていたわけではない。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
自分もこの大業に一
臂
(
ぴ
)
の力を尽くすことによって、いくばくかでも復讐の期日が短縮せられるはずであることを悟ると、実之助は自ら石工に伍して、槌を振い始めたのである。
恩讐の彼方に
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
例
(
たと
)
へば六
臂
(
ぴ
)
の
觀音
(
くわんのん
)
は
元々
(
もと/\
)
大化物
(
おほばけもの
)
である、
併
(
しか
)
し
其
(
その
)
澤山
(
たくさん
)
の
手
(
て
)
の
出
(
だ
)
し
方
(
かた
)
の
工夫
(
くふう
)
によつて、
其
(
その
)
手
(
て
)
の
工合
(
ぐあひ
)
が
可笑
(
おか
)
しくなく、
却
(
かへ
)
つて
尊
(
たうと
)
く
見
(
み
)
える。
決
(
けつ
)
して
滑稽
(
こつけい
)
に
見
(
み
)
えるやうな
下手
(
へた
)
なことはしない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
だって、事件に一
臂
(
ぴ
)
の力を貸すことができるのを感じながら、手さぐりにそれを感じてるのに、黙ってるわけにいかんじゃないか! ただもし……ええ、くそっ! 君はこの事件を
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
僕はこの数篇の文章の中に直言即ち
僻見
(
へきけん
)
を献じた。誰か僕の為に自獣樽を発し一杓の酒を賜ふものはないか? 少くとも僕の僻見に
左袒
(
さたん
)
し、僻見の権威を樹立する為に一
臂
(
ぴ
)
の力を仮すものはないか?
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なるほど、不破の関守氏から予備知識を与えられた、これが三十六
臂
(
ぴ
)
の形式というものでしょう。一つの形体から三十六の手が出て、それがおのおのの方向に向って、おのおのの武器を持っている。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「秋ちゃんとの関係を話し給え。何なら一
臂
(
ぴ
)
の力を貸してやる」
田園情調あり
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
千種は時間も疲れも超越して、三面六
臂
(
ぴ
)
振りを発揮しました。
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
八面六
臂
(
ぴ
)
、声破れ鐘の如くウォーッと、アハハ、いや全くだ。
斬られの仙太
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
一
臂
(
ぴ
)
の力を
借
(
か
)
さぬでもないのに、なんとか返事ありたく候。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
父は六
臂
(
ぴ
)
三
面
(
めん
)
の神よりも力づよき
柱
(
はしら
)
——、母は
情体愛語
(
じょうたいあいご
)
の
女菩薩
(
にょぼさつ
)
よりもやさしい
守
(
まも
)
り——その二つのものが人間には
橋
(
はし
)
の下に生まれる子にもあるのを知った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手を交互左右に伸ばして樹枝を捉え進み移る
状
(
さま
)
、ちょうど一の
臂
(
ひじ
)
が縮んで他の臂が伸びる方へ通うと見えるから、猿は臂を通わすてふ旧説あり、一
臂
(
ぴ
)
長く一臂短い画が多い。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
印度教
(
いんどけう
)
に
出
(
で
)
て
來
(
く
)
るものは、
何
(
いづ
)
れも
不思議
(
ふしぎ
)
千
萬
(
ばん
)
なものばかり、三
面
(
めん
)
六
臂
(
ぴ
)
とか
顏
(
かほ
)
や
手足
(
てあし
)
の
無數
(
むすう
)
なものとか、
半人
(
はんにん
)
半獸
(
はんじう
)
、
半人
(
はんにん
)
半鳥
(
はんてう
)
などの
類
(
るゐ
)
が
澤山
(
たくさん
)
ある。
佛教
(
ぶつけう
)
の五
大
(
だい
)
明王等
(
めうわうとう
)
も
印度教
(
いんどけう
)
から
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
二人が帰って行く道は、その
路傍
(
みちばた
)
に
石燈籠
(
いしどうろう
)
や石造の
高麗犬
(
こまいぬ
)
なぞの見いださるるところだ。三
面
(
めん
)
六
臂
(
ぴ
)
を有し
猪
(
いのしし
)
の上に踊る三宝荒神のように、まぎれもなく異国伝来の系統を示す神の
祠
(
ほこら
)
もある。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「釣堀組に改宗するから、一
臂
(
ぴ
)
の力を貸してくれ給え」
ロマンスと縁談
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
長坂橋の
畔
(
ほとり
)
まで、趙雲を追いかけて行ったところ、敵の張飛という者が、ただ一騎で加勢に駆けつけ、丈八の
蛇矛
(
じゃぼこ
)
をもって、八
面
(
めん
)
六
臂
(
ぴ
)
にふせぎ立て、ついに趙雲を
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「縁を逆転させるんだ。僕が一
臂
(
ぴ
)
の力を貸そう」
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と、謙信もあるとき
戯
(
たわむ
)
れていったほど、信玄の八
面
(
めん
)
六
臂
(
ぴ
)
な行動は、連年予測をゆるさないものがあった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「然う下から出るなら一
臂
(
ぴ
)
の力を貸してやる」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「およそ
貴憂
(
きゆう
)
は察しています。願わくば、一
臂
(
ぴ
)
の力をお
扶
(
たす
)
けして、義を明らかにしてみせましょう」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それは面白い。一
臂
(
ぴ
)
の力を貸そう」
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
八
面
(
めん
)
六
臂
(
ぴ
)
を相手にしているここちがする。そこで四隣の国々では彼をさして信玄と呼ぶよりも
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右風左風
(
うふうさふう
)
のだんびら、閃々たる光流をほとばしらせて、たとえば一体六
臂
(
ぴ
)
の魔神から一時に数十本の剣が振り出されてくるように、その殺気と隙間なき剣の交錯の前には、とても
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
触れる者は、投げつけたり、蹴ったり、突いたり、六
臂
(
ぴ
)
になって働いてはみるが、それとても、眼に余るほどな人数であるし、騒ぎを知って加わる弥次馬が殖えるとても減りはしない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頻りと敵の
侮
(
あなど
)
れぬことを告げ、こちらへ対して助太刀の有無を訊いたのは、そういったら武蔵が膝を屈して武士の情けに一
臂
(
ぴ
)
の力を貸してたまわらぬか——とでもいうかと思っていたかしらぬが
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「じゃあ、一
臂
(
ぴ
)
のお力を」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地飛星 八
臂
(
ぴ
)
那吒
(
なだ
)
項充
(
こうじゅう
)
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地平星 鉄
臂
(
ぴ
)
膊
(
はく
)
蔡福
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“臂(
肘
)”の解説
肘(ひじ、肱、臂)は、人間の腕の移行部で、上腕と前腕を繋ぐ肘関節(ちゅうかんせつ)と、これらを取り巻く筋や腱のことを指す。脚における膝に対応する。狭義には、腕を折り曲げたときに外側になる部分を指す。
(出典:Wikipedia)
臂
漢検1級
部首:⾁
17画
“臂”を含む語句
一臂
両臂
猿臂
臂力
長臂
片臂
六臂
半臂
三面六臂
左臂
肩臂
兩臂
腕臂
美香弊乃誉路臂
玉臂
臂掛
神臂
臂揺
臂枕
臂突
...