)” の例文
がシカシ君のこったから今更直付じかづけににくいとでも思うなら、我輩一の力を仮しても宜しい、橋渡はしわたしをしても宜しいが、どうだお思食ぼしめし
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こういう時に天将の一人が降臨して一の力を添える事が、彼女の希望であったのだろうが、今頼みもしないで出て来たのがこの阿五将だ。
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
の力添えようと、同志とともに蹶起けっきしたもの、この地は他領とはいいながら、地続きのこと援助願おうと、こうして参ったわれわれでござる。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかして余再び彼に帰し、彼再び我に和し、旧時の団欒だんらんを回復し、我も彼の一となり、彼をして旭日あさひの登るがごとく、勇者のねむりより醒めしがごとく
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
ただ陸戦においては、やや彼に遜色を感じるものがないでもない。ねがわくは先生にも一の力をそえられい
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこに立つ両部時代の遺物の中にはまた、十二権現とか、不動尊とか、三面六を有しいのししの上に踊る三宝荒神とかのわずかに破壊を免れたもののあるのも目につく。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
石橋君がその著八六頁に『一切経音義おんぎ』より文、『諸尊図像鈔』より図を出したのをみるに、日本化しない大黒天の本像は八で、前の二手に一剣を横たえた状が
右近と肝胆相照かんたんあいてらす間柄になり、喬之助の秘密にも関与して、一の力をすことになっているのだが——その晩は別に、そんな思惑おもわくがあって歩いていたわけではない。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
自分もこの大業に一の力を尽くすことによって、いくばくかでも復讐の期日が短縮せられるはずであることを悟ると、実之助は自ら石工に伍して、槌を振い始めたのである。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
たとへば六觀音くわんのん元々もと/\大化物おほばけものである、しかその澤山たくさんかた工夫くふうによつて、その工合ぐあひ可笑おかしくなく、かへつてたうとえる。けつして滑稽こつけいえるやうな下手へたなことはしない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
だって、事件に一の力を貸すことができるのを感じながら、手さぐりにそれを感じてるのに、黙ってるわけにいかんじゃないか! ただもし……ええ、くそっ! 君はこの事件を
僕はこの数篇の文章の中に直言即ち僻見へきけんを献じた。誰か僕の為に自獣樽を発し一杓の酒を賜ふものはないか? 少くとも僕の僻見に左袒さたんし、僻見の権威を樹立する為に一の力を仮すものはないか?
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なるほど、不破の関守氏から予備知識を与えられた、これが三十六の形式というものでしょう。一つの形体から三十六の手が出て、それがおのおのの方向に向って、おのおのの武器を持っている。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「秋ちゃんとの関係を話し給え。何なら一の力を貸してやる」
田園情調あり (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
千種は時間も疲れも超越して、三面六振りを発揮しました。
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
八面六、声破れ鐘の如くウォーッと、アハハ、いや全くだ。
斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
の力をさぬでもないのに、なんとか返事ありたく候。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
父は六めんの神よりも力づよきはしら——、母は情体愛語じょうたいあいご女菩薩にょぼさつよりもやさしいまもり——その二つのものが人間にははしの下に生まれる子にもあるのを知った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手を交互左右に伸ばして樹枝を捉え進み移るさま、ちょうど一のひじが縮んで他の臂が伸びる方へ通うと見えるから、猿は臂を通わすてふ旧説あり、一長く一臂短い画が多い。
印度教いんどけうるものは、いづれも不思議ふしぎばんなものばかり、三めんとかかほ手足てあし無數むすうなものとか、半人はんにん半獸はんじう半人はんにん半鳥はんてうなどのるゐ澤山たくさんある。佛教ぶつけうの五だい明王等めうわうとう印度教いんどけうからる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
二人が帰って行く道は、その路傍みちばた石燈籠いしどうろうや石造の高麗犬こまいぬなぞの見いださるるところだ。三めんを有しいのししの上に踊る三宝荒神のように、まぎれもなく異国伝来の系統を示す神のほこらもある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「釣堀組に改宗するから、一の力を貸してくれ給え」
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
長坂橋のほとりまで、趙雲を追いかけて行ったところ、敵の張飛という者が、ただ一騎で加勢に駆けつけ、丈八の蛇矛じゃぼこをもって、八めんにふせぎ立て、ついに趙雲を
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「縁を逆転させるんだ。僕が一の力を貸そう」
村一番早慶戦 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と、謙信もあるときたわむれていったほど、信玄の八めんな行動は、連年予測をゆるさないものがあった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「然う下から出るなら一の力を貸してやる」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「およそ貴憂きゆうは察しています。願わくば、一の力をおたすけして、義を明らかにしてみせましょう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それは面白い。一の力を貸そう」
村一番早慶戦 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
めんを相手にしているここちがする。そこで四隣の国々では彼をさして信玄と呼ぶよりも
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右風左風うふうさふうのだんびら、閃々たる光流をほとばしらせて、たとえば一体六の魔神から一時に数十本の剣が振り出されてくるように、その殺気と隙間なき剣の交錯の前には、とても
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
触れる者は、投げつけたり、蹴ったり、突いたり、六になって働いてはみるが、それとても、眼に余るほどな人数であるし、騒ぎを知って加わる弥次馬が殖えるとても減りはしない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頻りと敵のあなどれぬことを告げ、こちらへ対して助太刀の有無を訊いたのは、そういったら武蔵が膝を屈して武士の情けに一の力を貸してたまわらぬか——とでもいうかと思っていたかしらぬが
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じゃあ、一のお力を」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地飛星 八那吒なだ 項充こうじゅう
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地平星 鉄はく 蔡福
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)