トップ
>
脳髄
>
のうずい
ふりがな文庫
“
脳髄
(
のうずい
)” の例文
旧字:
腦髓
これすなわち僕の若返りの
工夫
(
くふう
)
である。要するに
脳髄
(
のうずい
)
のうちに折々
大掃除
(
おおそうじ
)
を行って、
煤
(
すす
)
、
埃
(
ごみ
)
、
芥
(
あくた
)
、
枯
(
か
)
れ
枝
(
えだ
)
等をみな払うことをしたい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ものを思判する自分の
脳髄
(
のうずい
)
が是非の識別をする力を失ってしまったのではないかと疑われるほどいつまでも考え込まずにいられなかった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私ははげしい
戦慄
(
せんりつ
)
に襲われました。そして三角形恐怖事件に関する今までの
悉
(
ことごと
)
くの事柄が浮び出て
脳髄
(
のうずい
)
の中を馳けまわるように覚えました。
三角形の恐怖
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
我々の神はこの嘆きを
憐
(
あわ
)
れみ、雌の河童の
脳髄
(
のうずい
)
を取り、雄の河童を造りました。我々の神はこの二匹の河童に『食えよ、交合せよ、
旺盛
(
おうせい
)
に生きよ』
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
くらくらと
脳髄
(
のうずい
)
が
痺
(
しび
)
れたような感覚があったかと思うと、ぱったりその場に昏倒してしまった。それは、ものの二秒ともたたぬ間の出来事であった。
犠牲者
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
▼ もっと見る
代助は
斯
(
か
)
ゝる
脳髄
(
のうずい
)
の異状を以て、かつて
酒
(
さけ
)
の
咎
(
とが
)
に帰した事はなかつた。彼は小供の
時
(
とき
)
から
酒
(
さけ
)
に量を得た男であつた。いくら
飲
(
の
)
んでも、左程平常を離れなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
人間もその通りで体格を
善
(
よ
)
くしたければ筋骨を養うような食物を与えなければならず、
脳髄
(
のうずい
)
を発達させたければ脳の営養分となるべき食物を与えなければならん。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
彼のすばらしい
脳髄
(
のうずい
)
に、まだまだとっておきの奥の手が、ちゃんと用意されていたのです。
少年探偵団
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
犠牲
(
ぎせい
)
だとか
精神的
(
せいしんてき
)
教育
(
けういく
)
だとか
能弁的
(
のうべんてき
)
に
社界
(
しやかい
)
に
訴
(
うつた
)
へながら自らは
米国的
(
べいこくてき
)
安楽主義
(
あんらくしゆぎ
)
を
採
(
と
)
るものなり、即ち義を見て為し得ざる
卑怯者
(
ひけうしや
)
なり、即ち
脳髄
(
のうずい
)
と
心臓
(
しんざう
)
と
性質
(
せいしつ
)
を
異
(
こと
)
にするものなり
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
そうなるとイヨイヨ気が
急
(
せ
)
くのが病気の特徴じゃが、そこで無理をしよると
脳髄
(
のうずい
)
の血管がパンクする
虞
(
おそ
)
れがある。そうなったら万事休すじゃ。拙者もアンマリ飲みに来んようにしよう
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
眼尻にうつるというよりは、じかに
脳髄
(
のうずい
)
に映ると言った方が適当である。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
人間は自分の一生のことを全部
憶
(
おも
)
い出すとか、肉体は死んでも
脳髄
(
のうずい
)
は数秒間生きていて
劇烈
(
げきれつ
)
な苦痛を味わっているとか、死んだこともない人間によって作られた伝説は、果して本当であろうか。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
脳髄
(
のうずい
)
や、
視官
(
しかん
)
、
言語
(
げんご
)
、
自覚
(
じかく
)
、
天才
(
てんさい
)
などは、
終
(
つい
)
には
皆
(
みな
)
土中
(
どちゅう
)
に
入
(
はい
)
ってしまって、やがて
地殻
(
ちかく
)
と
共
(
とも
)
に
冷却
(
れいきゃく
)
し、
何百万年
(
なんびゃくまんねん
)
と
云
(
い
)
う
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
、
地球
(
ちきゅう
)
と一
所
(
しょ
)
に
意味
(
いみ
)
もなく、
目的
(
もくてき
)
も
無
(
な
)
く
廻
(
まわ
)
り
行
(
ゆ
)
くようになるとなれば
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
かつてある学者の
言
(
げん
)
に男子の
脳髄
(
のうずい
)
は
帰納的
(
きのうてき
)
なるも、女子は
演繹的
(
えんえきてき
)
なりとあったが、女子は感情が
勝
(
まさ
)
っているから冷静に事物に接することが
難
(
かた
)
い。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
幸いにも、鉢金は射抜けなかったが、じいんと烈しい金属的な衝撃が
脳髄
(
のうずい
)
から鼻ばしらを通って、眼から火となって飛びだしたような気がした。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ、そうか。あの娘の頭蓋の中に、警官の
脳髄
(
のうずい
)
をいれたのが、こっちの手落ちだったな。よほど頭のきく警官らしい」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「君、この連中が死んだ後で、
脳髄
(
のうずい
)
を出して見るとね、うす赤い皺の重なり合った上に、まるで卵の
白味
(
しろみ
)
のような物が、ほんの指先ほど、かかっているんだよ。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
前
(
さき
)
の人見廣介が、仮令巨万の富に目がくれたとは云え、あの数々の激情を耐え忍ぶことが出来たのは、恐らく、彼も
亦
(
また
)
凡ての犯罪人と同じ様に、一種の精神病者であって、
脳髄
(
のうずい
)
のどこかに
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私はこういう矛盾な人間なのです。あるいは私の
脳髄
(
のうずい
)
よりも、私の過去が私を圧迫する結果こんな矛盾な人間に私を変化させるのかも知れません。私はこの点においても充分私の
我
(
が
)
を認めています。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は友人と
肩
(
かた
)
をたたいて談笑しつつ去ったが、おそらく彼の
脳髄
(
のうずい
)
はただ試験の答案をもってのみ
満
(
み
)
たされて、母の苦心に考えを向ける余地はなかったろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
かれもおそらく、じぶんの小さい
脳髄
(
のうずい
)
だけでは持ちきれないほどの推理こんらんになやんでいるのだろう。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
三位卿は混惑してきた
脳髄
(
のうずい
)
をいきなり
村正
(
むらまさ
)
かなんぞの鋭利な
閃刃
(
せんじん
)
で、スッカリと
薙
(
な
)
ぎ抜けられたような心地がして、踏みしめている足の裏から、かすかな戦慄さえおぼえた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
湖面に美しい鳥肌を
立
(
たて
)
ている有様、それらの寂しく、すがすがしい風物が、
混濁
(
こんだく
)
し切った
脳髄
(
のうずい
)
を洗い清め、一時は、あの様に私を苦しめた神経衰弱も、すっかり忘れてしまう程でありました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そこは、この船の
脳髄
(
のうずい
)
のようなところであるから、大切なのである。船長は、なにか変ったことの起るたびに、なるべく早く船橋に来て見ることにしていたのである。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
楊志
(
ようし
)
は、みすみすそれを、眼に見ていた。しかも、どうにもならないのである。どぼんと、頭は
空
(
から
)
ッぽの音がする。眼にはそれを知っても、視覚神経は、
脳髄
(
のうずい
)
までも届いてゆかない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて、わしは、
金属材料
(
きんぞくざいりょう
)
ではなく、
人工細胞
(
じんこうさいぼう
)
を使って、電気臓器を作りあげた。これは
脳髄
(
のうずい
)
だ。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そういう病気は、今次の戦争において、極めて例が多いのですよ。今
拝見
(
はいけん
)
しましたところによると、やはり、爆弾の小破片が、
脳髄
(
のうずい
)
の一部へ喰い込んでいるようですな」
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そしてぼくの
脳髄
(
のうずい
)
だけを、このサルのからだに移して、あとでまた、役に立てようとしたんだよ
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこでこの標本をごらんになればわかるでしょうが、この動物たちは、自分が持って生まれた
脳髄
(
のうずい
)
を持っていないのです。そうでしょう。みんな頭部を斬り取られています。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「カエルの
脳髄
(
のうずい
)
を切りとって、それを他の動物にうつしうえることですか」
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“脳髄”の意味
《名詞》
脳髄(のうずい)
脊椎動物の脳。大脳・小脳・延髄を合わせたもの。
(出典:Wiktionary)
脳
常用漢字
小6
部首:⾁
11画
髄
常用漢字
中学
部首:⾻
19画
“脳”で始まる語句
脳裡
脳
脳漿
脳溢血
脳裏
脳震盪
脳味噌
脳天
脳貧血
脳膜