群集ぐんしふ)” の例文
をどり周圍しうゐにはやうや村落むら見物けんぶつあつまつた。混雜こんざつして群集ぐんしふすこはなれて村落むら俄商人にはかあきんどむしろいて駄菓子だぐわしなし甜瓜まくはうり西瓜すゐくわならべてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まんちやんのはう振分ふりわけかたに、わらぢ穿ばきで、あめのやうななか上野うへのをさしてちてくと、揉返もみかへ群集ぐんしふ
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先生のみか世人よのひとおどろかすもやすかるべしと、門外もんぐわい躊躇ちうちよしてつひにらず、みちひきかへて百花園くわゑんへとおもむきぬ、しん梅屋敷うめやしき花園くわゑんは梅のさかりなり、御大祭日ごたいさいびなれば群集ぐんしふ其筈そのはずことながら
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
ほぐし難くうちまじりたる群集ぐんしふ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「どうせよ一つにやれぬを、わかれたいとはおもへども……」と一どうみゝひゞいたときた/\」としづまつて群集ぐんしふなかからこゑはつせられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
泥濘ぬかるみへば、まるでぬまで、構内こうないまで、どろ/\と流込ながれこむで、其処等そこらめん群集ぐんしふ薄暗うすぐらみなあめしをれてた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
らまあ、どうしたもんだ」おつぎがおどろいてさけんだとき對手あひてはおつぎのくしうばつて混雜こんざつした群集ぐんしふなかぼつした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
材木町ざいもくちやう陶器屋たうきやつま嬰兒あかごふところに、六歳ろくさいになる女兒をんなのこいて、すさまじ群集ぐんしふのなかをのがれたが、大川端おほかはばたて、うれしやとほつ呼吸いきをついて、こゝろづくと、ひとごみに揉立もみたてられたために
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ほとんど、五分ごふん六分ろつぷんきに搖返ゆりかへ地震ぢしんおそれ、またけ、はかなく燒出やけだされた人々ひと/″\などが、おもひおもひに、急難きふなん危厄きやくげのびた、四谷見附よつやみつけそと、新公園しんこうゑん内外うちそと幾千萬いくせんまん群集ぐんしふ
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)