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美
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うるわ
ふりがな文庫
“
美
(
うるわ
)” の例文
奥方も、ついにこの説を容れざるを得なくなって、そこで、この一座の評議は、友義と、同情と、犠牲心とを以て
美
(
うるわ
)
しくまとまりました。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その時、水平線がみるみる
脹
(
ふく
)
れ上がって、
美
(
うるわ
)
しい
暁
(
あけぼの
)
の息吹が始まった。波は
金色
(
こんじき
)
のうねりを立てて散光を彼女の顔に反射した。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
根元の方にも日の光は漏れて、幹は黒々と、葉は淡きバアントシーナを塗ったように、
琥珀
(
こはく
)
色に透明して、極めて
美
(
うるわ
)
しい。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
雪に映ずる初日の
美
(
うるわ
)
しさに加えてわが窓の向うなるセラ大寺の広庭には幾羽の鶴が
徐
(
おもむ
)
ろに歩みつつ幾声となく叫んで居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
髪
(
かみ
)
美
(
うるわ
)
しく長くこぼれかからせて、添いいるのならば、さぞ釣り合ってよかろうに、年とった女の自分が髪なども散り乱れて、
薄鈍
(
うすにび
)
の喪服をつけて
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
▼ もっと見る
ここは農夫の客に
占
(
し
)
められたりしがようやく
明
(
あ
)
きしなり。
隣
(
となり
)
の
間
(
ま
)
に
鬚
(
ひげ
)
美
(
うるわ
)
しき男あり、あたりを
憚
(
はばか
)
らず
声高
(
こえたか
)
に物語するを聞くに、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
の中に必ず
県庁
(
けんちょう
)
という。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そんな小な事件が起って、注意を促してすら、そこに、
曾
(
かつ
)
て
美
(
うるわ
)
しい福田と、寺の
創
(
はじ
)
められた
代
(
よ
)
を、思い出す者もなかった程、それはそれは、微かな遠い昔であった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
美
(
うるわ
)
しき秋の日で身も軽く、
少女
(
おとめ
)
は唱歌を歌いながら自分よりか四五歩先をさも愉快そうに
跳
(
は
)
ねて行く。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
秋の七草を染め出したる京友仙の
美
(
うるわ
)
しきは、ちやうど袷になりもやせむ白地博多に太やかなる赤の一本筋は、ちとあつさり過ぎたれど、いづれ心づくしの品ならぬはなし。
野路の菊
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
侍女五 (最も
少
(
わか
)
し。
斉
(
ひと
)
しく公子の背後に附添う。派手に
美
(
うるわ
)
しき声す)月の灘の桃色の枝珊瑚樹、
対
(
つい
)
の一株、丈八尺、
周囲
(
まわり
)
三抱
(
みかかえ
)
の分。一寸の玉三十三粒……雪の真珠、花の真珠。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「君が尊敬するわが
美
(
うるわ
)
しの依頼人秋川ひろ子嬢が十七日の日私を訪問した足取りさ」
殺人鬼
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
其後
(
そののち
)
光輪
(
ごこう
)
美
(
うるわ
)
しく白雲に
駕
(
のっ
)
て
所々
(
しょしょ
)
に見ゆる者あり。
或
(
ある
)
紳士の拝まれたるは
天鵞絨
(
ビロウド
)
の洋服
裳
(
すそ
)
長く着玉いて
駄鳥
(
だちょう
)
の羽宝冠に
鮮
(
あざやか
)
なりしに、
某
(
なにがし
)
貴族の見られしは白
襟
(
えり
)
を
召
(
めし
)
て錦の
御帯
(
おんおび
)
金色
(
こんじき
)
赫奕
(
かくえく
)
たりしとかや。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
美
(
うるわ
)
しき御機嫌の体を拝し奉り恐悦至極に存じまする」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
カルメルとシャロンの
美
(
うるわ
)
しきとはこれに授けられん
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「卑弥呼、見よ、爾は
彼方
(
かなた
)
の月のように
美
(
うるわ
)
しい。」
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
おゝ、
美
(
うるわ
)
しき
黄昏
(
たそがれ
)
よ。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
槻の並木の色は
比
(
くら
)
ぶるものもない
美
(
うるわ
)
しさである。堤の尽くるところに橋がある、鰍沢の入口で、ここにまた柳を写生した。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
意味は
明
(
あきら
)
かに、しかも優しく、
美
(
うるわ
)
しく通じたが、待て、なぜ下へ降りよ、と諭す?
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あじきなく暮らす
中
(
うち
)
月
満
(
みち
)
て
産声
(
うぶごえ
)
美
(
うるわ
)
しく玉のような女の子、
辰
(
たつ
)
と名
付
(
づけ
)
られしはあの
花漬
(
はなづけ
)
売りなりと、
是
(
これ
)
も昔は
伊勢
(
いせ
)
参宮の
御利益
(
ごりやく
)
に
粋
(
すい
)
という事覚えられしらしき宿屋の
親爺
(
おやじ
)
が物語に珠運も木像ならず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
われ
秘
(
ひそ
)
かに
美
(
うるわ
)
しき絹糸もて、衣の上に十字を縫いおかん】
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
これからは平凡な下り道ではあるが、荷が重いので休み休みゆく、道には野菊、
蔓竜胆
(
つるりんどう
)
など、あまた咲き乱れて
美
(
うるわ
)
しい。彼方是方に落葉松の林を見る。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
木理
(
もくめ
)
美
(
うるわ
)
しき
槻胴
(
けやきどう
)
、縁にはわざと
赤樫
(
あかがし
)
を用いたる岩畳作りの
長火鉢
(
ながひばち
)
に
対
(
むか
)
いて話し
敵
(
がたき
)
もなくただ一人、少しは
淋
(
さび
)
しそうに
坐
(
すわ
)
り居る三十前後の女、男のように立派な
眉
(
まゆ
)
をいつ
掃
(
はら
)
いしか
剃
(
そ
)
ったる
痕
(
あと
)
の青々と
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“美”の解説
この記事では美・美しい(び・うつくしい、el: καλόν カロン、la: venustas, bellus、fr: beauté、en: beauty)について解説する。同義として 【麗しい/▽美しい】 (うるわしい)という用語ある。
(出典:Wikipedia)
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
“美”を含む語句
美人
美味
美女
美麗
甘美
華美
優美
美貌
美術館
美酒
美妙
美男
虞美人草
美男子
美神
美鳥
褒美
美濃
美作
美々
...