準備じゅんび)” の例文
わたくし竜宮行りゅうぐうゆきをするまえに、所中しょっちゅうそのおやしろ参拝さんぱいしたのでございますが、それがつまりわたくしりて竜宮行りゅうぐうゆき準備じゅんびだったのでございました。
かんがぶかい、また臆病おくびょうひとたちは、たとえその準備じゅんび幾年いくねんついやされても十ぶん用意よういをしてから、とお幸福こうふくしまわたることを相談そうだんしました。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
るいでは、ランナーの岩田いわたが足をそろえて、ぴょん、ぴょんと、はねている。足ならしをして、走塁そうるい準備じゅんびをしているのだ。
星野くんの二塁打 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
ちょうど袖子そでこはある高等女学校こうとうじょがっこうへの受験じゅけん準備じゅんびにいそがしいころで、おそくなっていままでの学校がっこうからかえってときに、その光子みつこさんのこえいた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
四人は四日分の食料しょくりょう準備じゅんびした、めいめい一ちょうの旋条銃せんじょうじゅうと、短じゅうをたずさえ、ほかにおの磁石じしゃく望遠鏡ぼうえんきょう毛布もうふなどを持ってゆくことにした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
二人が牛肉を買って来ると、めったに台所のことに口を出したことのない俊亮が、めずらしく、あれこれと指図さしずしてお芳に鋤焼の準備じゅんびをさしていた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
すっかり売り出しの準備じゅんびができあがったので、そのほうびとして、八月五日の日曜日の夕方、わたしたちのこらずうちそろってアルキュエイまで、お父さんの友人で
本線シグナルつきの電信柱は、すっかり反対の準備じゅんびができると、こんどはきゅうき声でいました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それに、明日になったら妊娠中の女房を入院させようと思って準備じゅんびしていた矢先だったので、私は女房をつれて自分の出てくるニュース映画を見ようという気持になった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
人の生まるるはじゅくして死するためなれば、幼少青年時代は準備じゅんびの時代で、人生の目的時代はその後に存すると知れば、青年時代の活気を憧憬しょうけいするはちょうを花を楽しむに異ならない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そこで、まずひそかに、二、三の者がさきにまいって地理の準備じゅんび、またおおくの勇士をもりもよおしておき、おんかたの知れしだいに、いつなりと、旗あげのできるようにいたしておくのじゃ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こちらは、○○野戦放送局やせんほうそうきょくです。いま○○部隊ぶたいが、○○へかって、進軍しんぐん準備じゅんびいそがしいのであります。その状況じょうきょうをおききとりください。」
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
光吉こうきち内藤ないとうもその中にいた。午前は終業式しゅうぎょうしき通信簿つうしんぼをいただき、午後あらためて、新年拝賀式はいがしき式場しきじょう準備じゅんびのお手つだいにいった帰りなのだ。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
鎮座祭ちんざさいんでからわたくしは一たんうみ修行場しゅぎょうばげました。それは小桜神社こざくらじんじゃ祭神さいしんとして実際じっさい仕事しごとにかかるまえにまだなにやらこころ準備じゅんびるとかんがえましたからで……。
三人が議論ぎろんをしているあいだに、他の少年たちはもう上陸の準備じゅんびにとりかかった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
と、こう思うと大概のことには、かねての準備じゅんびがあるがごとき自信を抱いてくる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
翌日よくじつから袖子そでこはおはつおしえられたとおりにして、れいのように学校がっこう出掛でかけようとした。そのとしの三がつそこなったらまた一ねんたねばならないような、大事だいじ受験じゅけん準備じゅんび彼女かのじょっていた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おなかが、すいていたので、勇吉ゆうきち夢中むちゅうべていると、そのあいだに、おじさんは、用意よういしてきた、りざおのひもをき、あゆを準備じゅんびをしました。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
準備じゅんびができたらすぐに出掛でかけるといたそう。わし竜宮りゅうぐう入口いりくちまでおくってあげる。それからきはそち一人ひとりくのじゃ。なに修行しゅぎょうめである。あまりわしたよになっては面白おもしろうない……。