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栗色
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くりいろ
ふりがな文庫
“
栗色
(
くりいろ
)” の例文
金色の線でぼかされたみごとな
栗色
(
くりいろ
)
の髪、大理石でできてるような額、
薔薇
(
ばら
)
の花弁でできてるような
頬
(
ほお
)
、青白い赤味、目ざめるような白さ
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼女は、その錫箔を
剥
(
は
)
がしてみた。すると、錫箔の下に、
栗色
(
くりいろ
)
のチョコレートは無くて、白い紙でもう
一重
(
ひとえ
)
、包んであった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
でっぷりとして、毛深くて、立派な毛皮にくるまって、
栗色
(
くりいろ
)
のからだには金色の
斑点
(
はんてん
)
があり、その眼は黒々としている。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
トオストを
齧
(
かじ
)
りながら、
栗色
(
くりいろ
)
の髪の若い女が何やらもの静かに話しかける
度毎
(
たびごと
)
に、荒あらしくそちらへ体をねじ曲げては無雑作に答えるかと思うと
旅の絵
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
兎
(
と
)
にも
角
(
かく
)
にも、すらりとした、背の高い彼の女の総身は、
栗色
(
くりいろ
)
の髪の
頂辺
(
てっぺん
)
から純白の絹の靴の先まで、
鱗
(
うろこ
)
のようにきらきらと閃めく物が
鏤
(
ちりば
)
めてある。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
もう
今朝
(
けさ
)
は上野へ行く電車賃もないので、与一は
栗色
(
くりいろ
)
の自分の
靴
(
くつ
)
をさげて例の朴のところへ売りに行った。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
八月の一日には、この街道では
栗色
(
くりいろ
)
なめしの
鎗
(
やり
)
を立てて江戸方面から進んで来る新任の長崎奉行、幕府内でも有数の人材に数えらるる
水野
(
みずの
)
筑後
(
ちくご
)
の一行を迎えた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
メァリーの明るい
栗色
(
くりいろ
)
の髮は、分けて
綺麗
(
きれい
)
に
編
(
あ
)
まれてゐた。ダイアナの少し
黒味
(
くろみ
)
がゝつた髮は、大きくウェーヴされて、首筋を蔽つてゐる。時計は十時を打つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
冷たくて白き水仙、やや
温
(
ぬく
)
く黄なる寒菊。水仙の
青
(
さを
)
の葉は張り、寒菊の葉は半ば枯る。水仙は水仙の影、寒菊は寒菊の影、その壺も玻璃の影して、
栗色
(
くりいろ
)
の砂壁に在り。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
これは
頗
(
すこぶ
)
る
美貌
(
びぼう
)
の、
凝
(
こ
)
った身なりをした
栗色
(
くりいろ
)
の
髪
(
かみ
)
の男で、表情に富んだ
鳶色
(
とびいろ
)
の目と、細い小ぢんまりした白い鼻をもち、
小
(
ち
)
っぽけな口の上に、ちょび
髭
(
ひげ
)
を
生
(
は
)
やしている。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
二十
間
(
けん
)
にも
餘
(
あま
)
る
巨大
(
きよだい
)
な
建物
(
たてもの
)
は、
見
(
み
)
るから
毒々
(
どく/\
)
しい
栗色
(
くりいろ
)
のペンキで
塗
(
ぬ
)
られ、
窓
(
まど
)
は岩
疊
(
たたみ
)
な
鐵格子
(
てつがうし
)
、
其
(
それ
)
でも
尚
(
ま
)
だ
氣
(
き
)
が
濟
(
す
)
まぬと
見
(
み
)
えて、
其
(
そ
)
の
内側
(
うちがは
)
には
細
(
ほそ
)
い、
此
(
これ
)
も
鐵製
(
てつせい
)
の
網
(
あみ
)
が
張詰
(
はりつ
)
めてある。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
切付し
袋
(
ふくろ
)
の
打物
(
うちもの
)
栗色
(
くりいろ
)
網代
(
あじろ
)
の輿物には陸尺十二人近習の侍ひ左右に五人づつ
跡箱
(
あとばこ
)
二ツ是も同く黒
塗
(
ぬり
)
金紋付
紫
(
むらさ
)
きの
化粧紐
(
けしやうひも
)
を掛たり
續
(
つゞ
)
いて
簑箱
(
みのばこ
)
一ツ朱の
爪折傘
(
つまをりがさ
)
は
天鵞絨
(
びろうど
)
の袋に入紫の化粧紐を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二年前にこのヤティに
遭
(
あ
)
ったといっているが、それは半人半獣の怪物で、背丈は五呎六吋くらい、全身赤味がかった
栗色
(
くりいろ
)
の毛で
蔽
(
おお
)
われていたが、顔だけは毛がなかったという話である。
イグアノドンの唄:――大人のための童話――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
戸口
(
とぐち
)
から
第
(
だい
)
一の
者
(
もの
)
は、
瘠
(
や
)
せて
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い、
栗色
(
くりいろ
)
に
光
(
ひか
)
る
鬚
(
ひげ
)
の、
眼
(
め
)
を
始終
(
しゞゆう
)
泣腫
(
なきは
)
らしてゐる
發狂
(
はつきやう
)
の
中風患者
(
ちゆうぶくわんじや
)
、
頭
(
あたま
)
を
支
(
さゝ
)
へて
凝
(
ぢつ
)
と
坐
(
すわ
)
つて、一つ
所
(
ところ
)
を
瞶
(
みつ
)
めながら、
晝夜
(
ちうや
)
も
別
(
わ
)
かず
泣
(
な
)
き
悲
(
かなし
)
んで、
頭
(
あたま
)
を
振
(
ふ
)
り
太息
(
といき
)
を
洩
(
もら
)
し
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
栗色
(
くりいろ
)
の
兎
(
うさぎ
)
が草むらから出た。が、逃げようともしなかった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そなたの
額
(
ひたひ
)
は
栗色
(
くりいろ
)
の
髮
(
かみ
)
の
下
(
した
)
に悲しい。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
黒っぽい着物を着たふたりの女——
栗色
(
くりいろ
)
の髪をして
綺麗
(
きれい
)
に化粧した二十七八の若い女と老眼鏡をかけたその母親らしいのが差し向いで食事をしていた。
旅の絵
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
彼は
近衛
(
このえ
)
にはいっていたことがあるし、それからまた人の言うところによると、非常なおめかしやで、美しい
栗色
(
くりいろ
)
の髪を頭のまわりにみごとに縮らしているそうであるし
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
掛たる長持二
棹
(
さを
)
黒羽織の
警固
(
けいご
)
八人
長持
(
ながもち
)
預り役は熨斗目麻上下の侍ひ一人其跡は
金葵
(
きんあふひ
)
の
紋
(
もん
)
付
(
つき
)
たる
栗色
(
くりいろ
)
の先箱には紫の化粧紐を掛雁行に并べ絹羽織の
徒士
(
かち
)
十人
宛
(
づつ
)
三人に并び黒天鵞絨へ金葵の紋を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
戸口
(
とぐち
)
から
第
(
だい
)
一の
者
(
もの
)
は、
瘠
(
や
)
せて
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い、
栗色
(
くりいろ
)
に
光
(
ひか
)
る
鬚
(
ひげ
)
の、
眼
(
め
)
を
始終
(
しじゅう
)
泣腫
(
なきは
)
らしている
発狂
(
はっきょう
)
の
中風患者
(
ちゅうぶかんじゃ
)
、
頭
(
あたま
)
を
支
(
ささ
)
えてじっと
坐
(
すわ
)
って、一つ
所
(
ところ
)
を
瞶
(
みつ
)
めながら、
昼夜
(
ちゅうや
)
も
別
(
わ
)
かず
泣
(
な
)
き
悲
(
かなし
)
んで、
頭
(
あたま
)
を
振
(
ふ
)
り
太息
(
といき
)
を
洩
(
もら
)
し
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
栗
漢検準1級
部首:⽊
10画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“栗色”で始まる語句
栗色髪
栗色髮