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斯
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この
ふりがな文庫
“
斯
(
この
)” の例文
月々丑松から送る金の中から
好
(
すき
)
な地酒を買ふといふことが、何よりの
斯
(
この
)
牧夫のたのしみ。労苦も
寂寥
(
さびしさ
)
も其の為に忘れると言つて居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
又根気のあらん限り著書
飜訳
(
ほんやく
)
の事を
勉
(
つと
)
めて、万が一にも
斯
(
この
)
民
(
たみ
)
を文明に導くの
僥倖
(
ぎょうこう
)
もあらんかと、便り少なくも独り身構えした事である。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
されど是れ皆
猶
(
なほ
)
人界の美のみ。伊太利は天國なり、淨土なり。かへす/″\も嬉しきは再び
斯
(
この
)
土に來しことぞと云ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
兎角
(
とかく
)
に
後難
(
こうなん
)
が
恐
(
おそろ
)
しさに否だと申て
立去
(
たちさら
)
んと致せし時
斯
(
この
)
大事を見られた上は
生
(
いか
)
して置れぬ言ことを
聞
(
きか
)
ずば
命
(
いのち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
音なくして音を聴くべく、色なくして色を観るべし。此の如くして得来る者、必ず
斬新
(
ざんしん
)
奇警
(
きけい
)
人を驚かすに足る者あり。俳句界において
斯
(
この
)
人を求むるに蕪村一人あり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
然し
斯
(
この
)
貧
(
まず
)
しい小さな野の村では、昔から
盆踊
(
ぼんおど
)
りと云うものを知らぬ。一年中で一番好い
水々
(
みずみず
)
しい大きな月が
上
(
あが
)
っても、其れは
断片的
(
きれぎれ
)
に若者の歌を
嗾
(
そそ
)
るばかりである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
斯
(
この
)
時代に於て
斯
(
この
)
着眼は
頗
(
すこぶ
)
る聡明であると云わねばならぬ。が、彼の
企画
(
くわだて
)
は不幸にも失敗に終った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其上
(
そのうへ
)
參禪
(
さんぜん
)
の
士
(
し
)
を
鼓舞
(
こぶ
)
する
爲
(
ため
)
か、
古來
(
こらい
)
から
斯
(
この
)
道
(
みち
)
に
苦
(
くる
)
しんだ
人
(
ひと
)
の
閲歴譚
(
えつれきだん
)
抔
(
など
)
を
取
(
と
)
り
交
(
ま
)
ぜて
一段
(
いちだん
)
の
精彩
(
せいさい
)
を
着
(
つ
)
けるのが
例
(
れい
)
であつた。
此日
(
このひ
)
も
其
(
その
)
通
(
とほ
)
りであつたが
或所
(
あるところ
)
へ
來
(
く
)
ると、
突然
(
とつぜん
)
語調
(
ごてう
)
を
改
(
あらた
)
めて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
惟うに、これ余一人の冀望なるに止まらず、恩人隈公・校長・議員・幹事及び講師諸君も、
亦
(
ま
)
た
均
(
ひと
)
しく
斯
(
この
)
冀望を
抱
(
いだ
)
き、共に本校の独立を
冀
(
ねが
)
い、共に他の干渉を受けざるを望むならん。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
たとえば法隆寺の壁画は焼けてしまったし、
斯
(
この
)
集の法輪寺にかいてある三重塔も、昭和十九年雷火のため焼失して今はない。新薬師寺の香薬師像は盗難に遭ったまま、今もって発見されない。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
斯
(
この
)
人
(
ひと
)
作
(
おこ
)
す
可
(
べ
)
からず
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
よしや日は西から出て東へ入る時があらうとも、
斯
(
この
)
志ばかりは堅く
執
(
と
)
つて変るな。行け、戦へ、身を立てよ——父の精神はそこに在つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
是
(
こ
)
れが出来れば
斯
(
この
)
道
(
みち
)
の
為
(
た
)
めに誠に有益な事で、私も
大
(
おおい
)
に喜びますが、果して出来るか出来ないか、私は
唯
(
ただ
)
静
(
しずか
)
にして見て居ます。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
農を
斯
(
この
)
土から
彼
(
かの
)
土に移すのは、霊魂の
宿換
(
やどがえ
)
を命ずるのである。其多くは死ぬるのである。農も死なゝければならぬ場合はある。然し
其
(
それ
)
は
軽々
(
かるがる
)
しく断ずべき事ではない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
われは進みてポンテ、リアルトオに到りて、いよ/\
斯
(
この
)
土の風俗を知りぬ。ヱネチアは大いなる悲哀の郷なり、我主觀の好き對象なり。而して此郷の水の上に
泛
(
うか
)
べること、古のノアの舟と同じ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
儲
(
もう
)
け當年十七歳に成候是と申も皆貴殿の
御厚恩
(
ごこうおん
)
なれば一度は御禮の書状も
差上度
(
さしあげたく
)
心得候へども世間へ憚りあるゆゑ
夫
(
それ
)
も
叶
(
かな
)
はず只々
明暮
(
あけくれ
)
思
(
おも
)
ひ
暮
(
くら
)
し居るにのみに御座候處先づは
御揃
(
おそろ
)
ひ遊ばし
御機嫌
(
ごきげん
)
克
(
よき
)
御樣子大悦に存じ奉つるとは申ものゝ大橋氏には如何して
斯
(
この
)
御體
(
ごてい
)
たらくに候や存ぜぬこととは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
持主は又
附加
(
つけた
)
して、
斯
(
この
)
種牛の肉の
売代
(
うりしろ
)
を分けて、亡くなつた牧夫の追善に供へたいから、せめて其で仏の心を慰めて呉れといふことを話した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
己
(
おのれ
)
を以て人を推せば、先祖代々土の人たる農其人の土に対する感情も、其
一端
(
いったん
)
を
覗
(
うかが
)
うことが出来る。
斯
(
この
)
執着
(
しゅうちゃく
)
の意味を多少とも解し得る
鍵
(
かぎ
)
を得たのは、田舎住居の
御蔭
(
おかげ
)
である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
“斯”を含む語句
斯様
僂麻質斯
斯々
如斯
螽斯
波斯
莫斯科
斯樣
斯道
窒扶斯
腸窒扶斯
瓦斯
瓦斯灯
斯般
瓦斯暖炉
俄羅斯
斯如
水素瓦斯
瓦斯燈
毒瓦斯
...