“売代”の読み方と例文
旧字:賣代
読み方割合
うりしろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
持主は又附加つけたして、この種牛の肉の売代うりしろを分けて、亡くなつた牧夫の追善に供へたいから、せめて其で仏の心を慰めて呉れといふことを話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わが身は父上と共に家財を売代うりしろなし、親子の巡礼の姿となりて四国路さして行く程もなく、此の山中に迷ひ入り、此の寺に一夜の宿を借り候ひぬ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もしも少しのお金にて済む事ならば、我が身のかざり髪の道具も何ならむ。残らず売代うりしろしてなりとも、方様のお身を自由にさせまし、我も恋しきお顔見たけれど。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)