役場やくば)” の例文
役場やくばつとめてからも、まじめ一ぽうはたらくばかりでした。しかし、なにか、うまいものがかれはいると、だれのまえもはばからず、きっと
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
同道なし古郷こきやう水呑村へ立歸り夫より直に當時の名主なぬし惣左衞門方へ九郎兵衞同道にて參りければ惣左衞門は昔より九郎兵衞と相口あひくち早速さつそく領主りやうしゆ役場やくばへ申立歸村の儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
れなあ、そんでも難有ありがてえことに、水浸みづびたしつたいへさは役場やくばから一軒毎えつけんごめらわたしになつたんだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ちかづいてるとれいの石をもつて居るので大におどろき其をとこひきずつて役場やくばに出て盜難たうなん次第しだいうつたへた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
現世げんせ役場やくばでは、子供こどもうまれてからはじめて受附うけつけますが、こちらではうまれるずっと以前いぜんからそれがおわかりになってりますようで、なんにしましても、一人ひとり人間にんげん現世げんせうまれるともうすことは
まん正直しょうじきな、うらおもてのない人間にんげんとして、むら人々ひとびとからあいされていました。小学校しょうがっこうえると、じきに役場やくば小使こづかいとしてやとわれました。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
晩稻おくいねつくんだから、役場やくば奴等やつらつくつちやなんねえなんちつたつて、てえな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かぞたて那樣成あのやうなる名主は役に立ずと連判れんばんを以て組頭へ差出せしにより組頭くみがしら種々いろ/\なだめ扱ひけれども勿々なか/\一同承知しようちせざればやむを得ず領主りやうしゆ役場やくばへ申立て惣内は名主やくあげられたり扨又惣百姓連印れんいん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「おなじ、金属きんぞくつくられたであろうに、どうして、この一つだけが、くさらなかったのでしょう。」と、役場やくば書記しょきは、学者がくしゃにむかってたずねました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うつかりすつとちゝぎしまでへえるやうなふかばうえつとこぢやどうしたつて晩稻おくいねでなくつちやれるもんぢやねえな、それから役場やくば役人やくにん講釋かうしやくすつからふかばうぢやうだつちはなししたら
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これをくと、役場やくばのものはじめ、むらひとたちは、不思議ふしぎがして、きゅうには、なっとくできなかったのです。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
学者がくしゃが、いけのほとりにって、こころありげに、よくあたりの景色けしきをながめていると、学者がくしゃ案内あんないした役場やくばわか書記しょきが、かたわらで、伝説でんせつめいたことをかせました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどそのとき、ぐちから、おとこひとが、はいってきました。顔見知かおみしりの役場やくばのものでした。
托児所のある村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
博士はかせは、古墳こふん発掘はっくつをてつだってくれた役場やくばわか書記しょきにしろ、学校がっこう先生せんせいにしろ、はなしいていると、みんなわかひとたちは詩人しじんであって、物質ぶっしつだけをたよりとしていない、そのことは
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)