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安置
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あんち
ふりがな文庫
“
安置
(
あんち
)” の例文
何を馬鹿なことを!……と起ち上った拍子に、隣室からにおって来た線香の
香
(
かおり
)
。開けてみたら、こうして首が
安置
(
あんち
)
してあったのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかし、ニールスはあとになってからも、
段々
(
だんだん
)
のある
破風
(
はふ
)
だけは思いだすことができました。そこには、キリストと
使徒
(
しと
)
の
像
(
ぞう
)
が、
安置
(
あんち
)
されていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
しかも
菊之丞
(
きくのじょう
)
の冷たいむくろを
安置
(
あんち
)
した八
畳
(
じょう
)
の
間
(
ま
)
には、
妻女
(
さいじょ
)
のおむらさえ
入
(
い
)
れないおせんがただ
一人
(
ひとり
)
、
首
(
くび
)
を
垂
(
た
)
れたまま、
黙然
(
もくねん
)
と
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うえ
)
を
見詰
(
みつ
)
めていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「賛成かな。それで与八、出来上ってからここで
開眼供養
(
かいげんくよう
)
というのをやって、それから大菩薩峠の頂へ
安置
(
あんち
)
する」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
最早
(
もう
)
〆
(
しめ
)
たものと、今度は
客間
(
きやくま
)
に石を
置
(
お
)
かず、
居間
(
ゐま
)
の
床
(
とこ
)
に
安置
(
あんち
)
して何人にも
祕
(
かく
)
して、只だ
獨
(
ひと
)
り
樂
(
たのし
)
んで居た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
此瀧
(
このたき
)
を
過
(
す
)
ぎて
小一町
(
こいつちやう
)
、
道
(
みち
)
のほとり、
山
(
やま
)
の
根
(
ね
)
の
巖
(
いは
)
に
清水
(
しみづ
)
滴
(
したゝ
)
り、三
體
(
たい
)
の
地藏尊
(
ぢざうそん
)
を
安置
(
あんち
)
して、
幽徑
(
いうけい
)
磽确
(
げうかく
)
たり。
逗子だより
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
火辻軍平のなきがらのはいった棺桶は、この前にはこびこまれ、北向きに
安置
(
あんち
)
された。それから太い線香に火が点ぜられ、教誨師が焼香し、
鉦
(
かね
)
をたたき、
読経
(
どきょう
)
した。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
六疊に型の如く
安置
(
あんち
)
した善七の死骸を指して、お安はシクシクと泣き始めるではありませんか。
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、なにげなく立ちよって、
背
(
せ
)
なかの
笈
(
おい
)
を
床几
(
しょうぎ
)
の上へ
安置
(
あんち
)
すると、
土間
(
どま
)
のうちで
荒々
(
あらあら
)
しい人声。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
佛蘭西
(
ゴオル
)
の天女が英吉利の
侏儒
(
こびと
)
を選んでくれたと云ふので、私の好い心持ちにさせられようといふものは、或るホテルにその女を
安置
(
あんち
)
して、召使も置いてやれば、馬車だの、カシミアだの
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
先生
(
せんせい
)
涙
(
なみだ
)
の出るほど
嬉
(
うれ
)
しがり、
早速
(
さつそく
)
家
(
いへ
)
に
持
(
も
)
ち
歸
(
かへ
)
つて、
紫檀
(
したん
)
の
臺
(
だい
)
を
造
(
こしら
)
え之を
安置
(
あんち
)
した。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
既
(
すで
)
に
膝
(
ひざ
)
に
乘
(
の
)
つて、
噛
(
かじ
)
り
着
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
小兒
(
こども
)
は、
其
(
それ
)
なり、
薄青
(
うすあを
)
い
襟
(
えり
)
を
分
(
わ
)
けて、
眞白
(
まつしろ
)
な
胸
(
むね
)
の
中
(
なか
)
へ、
頬
(
ほゝ
)
も
口
(
くち
)
も
揉込
(
もみこ
)
むと、
恍惚
(
うつとり
)
と
成
(
な
)
つて、
最
(
も
)
う
一度
(
いちど
)
、ひよいと
母親
(
はゝおや
)
の
腹
(
はら
)
の
内
(
うち
)
へ
安置
(
あんち
)
され
終
(
をは
)
んぬで
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯
(
たゞ
)
婦人
(
ふじん
)
の
甲胄
(
かつちう
)
して
長刀
(
なぎなた
)
を
持
(
も
)
ちたる
木像
(
もくざう
)
二
(
ふた
)
つを
安置
(
あんち
)
せり。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“安置”の意味
《名詞》
安 置(あんち)
神仏の像や遺体などを丁重に据え置くこと。
(出典:Wiktionary)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
置
常用漢字
小4
部首:⽹
13画
“安”で始まる語句
安
安堵
安心
安房
安全
安芸
安穏
安土
安否
安宅