守護しゆご)” の例文
鄰家となりはと、あなからすこし、はなさきして、のぞくと、おなじやうに、提灯ちやうちん家族みんなそでつゝんでる。たましひなんど守護しゆごするやうに——
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
濱島君はまじまくんよ、心豐こゝろゆたかにいよ/\さかたまへ、きみ夫人ふじん愛兒あいじ御身おんみは、この柳川やながは生命いのちにかけても守護しゆごしまいらすべし。
さらば、弟義経よしつねと不和となるや、義経逮捕を名として、全国に守護しゆごを配置して軍事、警察をつかさどらしめ、又兵粮米ひやうらうまい徴発ちようはつのために、各所の荘園に地頭ぢとうを置いた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
玄竹げんちく意氣揚々いきやう/\と、ふねなかへ『多田院御用ただのゐんごよう』の兩掛りようがけをゑて、下男げなん二人ふたりそれを守護しゆごする位置ゐちひざまづいた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
拔持ぬきもちて郷右衞門の後に添藤五郎を守護しゆごなし漸々と忍び出以前の裏門の潜りを開て外へ出立ホツと一いきつきそれより兩人は惣右衞門の方へと走りたりさてまた三河町なる山口惣右衞門は此事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かたちおごそかなるは、白銀しろがねよろひしてかれ守護しゆごする勇士いうしごとく、姿すがたやさしいのは、ひめ斉眉かしづ侍女じぢよかとえる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
差掛さしかけさせくつしと/\と踏鳴ふみならし靜々とぞ歩行あゆみける附從つきしたがふ小姓こしやうの面々には麻上下あさがみしも股立もゝだちを取て左右を守護しゆごしける引續ひきつゞいて常樂院天忠和尚てんちうをしやうむらさきの衣に白地の袈裟けさを掛け殊勝しゆしようげに手に念珠ねんじゆ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すぐる十有餘日いうよにちあひだ、よく吾等われら運命うんめい守護しゆごしてれた端艇たんていをば、波打際なみうちぎわにとゞめてこのしま上陸じやうりくしてると、いまは五ぐわつ中旬なかばすぎ、みどりしたゝらんばかりなる樹木じもくしま全面ぜんめんおほふて、はるむかふは、やら
ひざうへへわがねて宝物はうもつ守護しゆごするやうぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
致しける其七日の滿まんずる日の暮方くれがた山の上よりしてさつ吹下ふきおろす風に飄然と眼の前に吹落ふきおとす一枚のふだあり手に取て見るに立春りつしゆん大吉だいきち護摩祈祷ごまきたう守護しゆご可睡齋かすゐさいと記したれば三五郎は心に思ふやう彼の可睡齋かすゐさいと云ば東照宮とうせうぐうより御由緒ゆゐしよある寺にして當國の諸侯しよこうも御歸依寺也因ては可睡齋へ參り委曲くはしき事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)