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好加減
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いゝかげん
ふりがな文庫
“
好加減
(
いゝかげん
)” の例文
「里見さん。あなたが
単衣
(
ひとへもの
)
を
着
(
き
)
て呉れないものだから、
着物
(
きもの
)
が
描
(
か
)
き
悪
(
にく
)
くつて
困
(
こま
)
る。丸で
好加減
(
いゝかげん
)
にやるんだから、少し大胆
過
(
す
)
ぎますね」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
よもやそれ程の金入とも存じませんから
好加減
(
いゝかげん
)
に
胡麻化
(
ごまか
)
し掛けたを問詰められ、
流石
(
さすが
)
の悪人も
顔色
(
がんしょく
)
が変って返答に差詰りました。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『まあ、土屋君、
好加減
(
いゝかげん
)
にしたら好からう。使に来たものだつて困るぢや無いか。』と丑松は
宥
(
なだ
)
めるやうに言つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
当時は仔細あつて私の心は彼に在つて
此
(
こゝ
)
に無しといふ有様で、
好加減
(
いゝかげん
)
に聞流して置いたが、其後北京へ行つて暫らく逗留してゐると、或日
巴里
(
パリ
)
から手紙が来た
エスペラントの話
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
けれども其
真面目
(
まじめ
)
は、単に
動機
(
どうき
)
の
真面目
(
まじめ
)
で、
口
(
くち
)
にした言葉は矢張
好加減
(
いゝかげん
)
な
出任
(
でまか
)
せに過ぎなかつた。厳酷に云へば、
嘘許
(
うそばかり
)
と云つても
可
(
よ
)
かつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
なにか己があの女でも一緒に連れて
何処
(
どこ
)
かへ逃げでもすると思うだろうが、段々様子を聞けば、あの女は何か筋の悪い女だそうだから、もう
好加減
(
いゝかげん
)
に切りあげる積り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
悪戯
(
いたづら
)
も
好加減
(
いゝかげん
)
に
休
(
よ
)
すかな」と云ひながら立ち
上
(
あ
)
がつて、縁側へ
据付
(
すゑつけ
)
の、
籐
(
と
)
の安楽
椅子
(
いす
)
に腰を掛けた。夫れ
限
(
ぎ
)
りぽかんと何か考へ込んでゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
旦那がお前さんに
喰
(
た
)
べさせていと云って拵えたのだ、食わなければ食わないで宜しいじゃアねえか、
私
(
わっち
)
が食いやす、
斯
(
こ
)
うやって旦那が詫るのだから
好加減
(
いゝかげん
)
に勘忍しておくんねえ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又かう、
怠惰
(
なまけ
)
ものでは、さう
判然
(
はつきり
)
した
答
(
こたへ
)
が出来ないのである。代助の方でも、
門野
(
かどの
)
を教育しに
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
た訳でもないから、
好加減
(
いゝかげん
)
にして
放
(
ほう
)
つて置く。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが
膨
(
ふく
)
れると
自然
(
しぜん
)
と
達磨
(
だるま
)
の
恰好
(
かつかう
)
になつて、
好加減
(
いゝかげん
)
な
所
(
ところ
)
に
眼口
(
めくち
)
迄
(
まで
)
墨
(
すみ
)
で
書
(
か
)
いてあるのに
宗助
(
そうすけ
)
は
感心
(
かんしん
)
した。
其上
(
そのうへ
)
一度
(
いちど
)
息
(
いき
)
を
入
(
い
)
れると、
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
膨
(
ふく
)
れてゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「何だ、何を見てゐるんだ」と云ひながら廊下へ
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た。三人は
首
(
くび
)
を
鳩
(
あつ
)
めて画帖を一枚毎に
繰
(
く
)
つて
行
(
い
)
つた。色々な批評が出る。みんな
好加減
(
いゝかげん
)
である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「君が、あんまり余計な話ばかりしてゐるものだから、時間が
掛
(
かゝ
)
つて仕方がない。
好加減
(
いゝかげん
)
にして出て
来
(
く
)
るものだ」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを
好加減
(
いゝかげん
)
に
揣摩
(
しま
)
する
癖
(
くせ
)
がつくと、それが
坐
(
すわ
)
る
時
(
とき
)
の
妨
(
さまたげ
)
になつて、
自分
(
じぶん
)
以上
(
いじやう
)
の
境界
(
きやうがい
)
を
豫期
(
よき
)
して
見
(
み
)
たり、
悟
(
さとり
)
を
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
けて
見
(
み
)
たり、
充分
(
じゆうぶん
)
突込
(
つつこ
)
んで
行
(
ゆ
)
くべき
所
(
ところ
)
に
頓挫
(
とんざ
)
が
出來
(
でき
)
ます。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
しか
)
しそれは
自分
(
じぶん
)
が
昔
(
むか
)
し
父
(
ちゝ
)
から
聞
(
き
)
いた
覺
(
おぼえ
)
のある、
朧氣
(
おぼろげ
)
な
記憶
(
きおく
)
を
好加減
(
いゝかげん
)
に
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
すに
過
(
す
)
ぎなかつた。
實際
(
じつさい
)
の
畫
(
ゑ
)
の
價値
(
かち
)
や、
又
(
また
)
抱一
(
はういつ
)
に
就
(
つい
)
ての
詳
(
くは
)
しい
歴史
(
れきし
)
などに
至
(
いた
)
ると
宗助
(
そうすけ
)
にも
其實
(
そのじつ
)
甚
(
はなは
)
だ
覺束
(
おぼつか
)
なかつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
好
常用漢字
小4
部首:⼥
6画
加
常用漢字
小4
部首:⼒
5画
減
常用漢字
小5
部首:⽔
12画
“好”で始まる語句
好
好奇
好事家
好事
好悪
好奇心
好々爺
好誼
好餌
好尚