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壮佼
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わかもの
ふりがな文庫
“
壮佼
(
わかもの
)” の例文
旧字:
壯佼
胴中には青竹を
破
(
わ
)
りて曲げて環にしたるを
幾処
(
いくところ
)
にか入れて、竹の両はしには
屈竟
(
くっきょう
)
の
壮佼
(
わかもの
)
ゐて、支へて、
膨
(
ふく
)
らかに
幌
(
ほろ
)
をあげをり候。
凱旋祭
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
翌日になって平太郎は新八郎を送って往って、一日其処で遊んで夕方になって帰ってみると、近隣の
壮佼
(
わかもの
)
が五六人来ていて
魔王物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
血気腕力兼備と見えたる
壮佼
(
わかもの
)
どもなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
本名は誰も知らない、何をして暮すのか、ただ遊んで、どことも
謂
(
い
)
わず
一群
(
ひとむれ
)
一群入り込む
侠
(
きおい
)
な
壮佼
(
わかもの
)
に、時々
木遣
(
きやり
)
を教えている。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
隣家の主人の権八はもと三の井と云う力士で、一度は紀州家の抱えとなっていた大関角力であったが、其の比は故郷へ隠退して附近の
壮佼
(
わかもの
)
に角力の手ほどきをしてやっていた。
魔王物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
山番の爺がいいたるごとく駕籠は来て、われよりさきに庵の
枝折戸
(
しおりど
)
にひたと立てられたり。
壮佼
(
わかもの
)
居て一人は棒に
頤
(
おとがい
)
つき、他は下に居て
煙草
(
たばこ
)
のみつ。
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
壮佼
(
わかもの
)
は火鉢を中に囲んで三人の同志の逃げ帰ったことを嘲笑していた。
魔王物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
空を仰いで
立停
(
たちどま
)
ったのは、町屋風の
壮佼
(
わかもの
)
で、雨の歇んだのを見ると、畳んで
袂
(
たもと
)
の下に抱え込んでいた羽織を
一揺
(
ひとゆり
)
、はらりと襟を
扱
(
しご
)
いて手を通した。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この血の跡を慕い行かばその行先を突留め得べきが、
単身
(
ひとり
)
にては気味悪しと、一まず家に立帰りて、近隣の
壮佼
(
わかもの
)
の
究竟
(
くっきょう
)
なるを四人ばかり語らいぬ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女房は
年紀
(
とし
)
の功、
先刻
(
さっき
)
から愛吉が、お夏に対する挙動を察して、非ず。この
壮佼
(
わかもの
)
、
強請
(
ゆすり
)
でも、
緡売
(
さしうり
)
でも。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
壮佼
(
わかもの
)
は打ち
悄
(
しお
)
るるまでに哀れを催し、「そうして爺さん
稼人
(
かせぎて
)
はおめえばかりか、孫子はねえのかい」
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
印半纏
(
しるしばんてん
)
被
(
き
)
たる
壮佼
(
わかもの
)
の、軒に
梯子
(
はしご
)
さして昇りながら、一つずつ提灯に
灯
(
ひ
)
ともすが、右の
方
(
かた
)
より始めたれば、小親という名、ぱっと墨色濃く、
鮮
(
あざや
)
かに最初の火に
照
(
てら
)
されつ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どこかへ明日まで封じておきな。」「あいあい親方請取ろうか。」「そら渡すぞ。」と屠犬児が片手で突けば、飛んで来る、三吉を
引抱
(
ひんだ
)
きて、
壮佼
(
わかもの
)
は
闇夜
(
やみ
)
に消えぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
予は高峰とともに立ち上がりて、遠くかの
壮佼
(
わかもの
)
を離れしとき、高峰はさも感じたる
面色
(
おももち
)
にて
外科室
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「こう
爺
(
じい
)
さん、おめえどこだ」と職人体の
壮佼
(
わかもの
)
は、そのかたわらなる車夫の老人に向かいて問い
懸
(
か
)
けたり。車夫の老人は
年紀
(
とし
)
すでに五十を越えて、六十にも間はあらじと思わる。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あわただしく木戸口に走り出で、
項
(
うなじ
)
を延べて目送せり。その視線中に御者体の
壮佼
(
わかもの
)
あり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まあ、
可
(
よ
)
うございます。ちょっと、
其奴
(
そいつ
)
を縛っちまいな。」「ちゃんと可いように
拵
(
こせ
)
えてありやす。」「そりゃ早い
手廻
(
てまわし
)
だね、ではね、お前。」と
後
(
うしろ
)
に控えし
壮佼
(
わかもの
)
を見返りて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中にはもう
此処等
(
ここいら
)
から
仮声
(
こわいろ
)
をつかって
行
(
ゆ
)
く
壮佼
(
わかもの
)
がある、
浅黄
(
あさぎ
)
の
襦袢
(
じゅばん
)
を
膚脱
(
はだぬい
)
で
行
(
ゆ
)
く女房がある、その
演劇
(
しばい
)
の恐しさ。
大江山
(
おおえやま
)
の段か何か知らず、とても町へは
寄附
(
よりつ
)
かれたものではない。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
得右衛門を始めとして
四人
(
よつたり
)
の
壮佼
(
わかもの
)
は、茶碗酒にて元気を養い一杯機嫌で立出でつ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
曳声
(
えいごえ
)
を揚げて……こっちは陽気だ。手頃な
丸太棒
(
まるたんぼう
)
を
差荷
(
さしにな
)
いに、
漁夫
(
りょうし
)
の、半裸体の、がッしりした
壮佼
(
わかもの
)
が二人、
真中
(
まんなか
)
に一尾の大魚を釣るして来た。魚頭を
鈎縄
(
かぎなわ
)
で、尾はほとんど
地摺
(
じずれ
)
である。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
健全無病の
壮佼
(
わかもの
)
なり。知らず何が故に
疾病
(
やまい
)
を装いて、貴婦人の通行を妨げしや。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二杯三杯と
重
(
かさな
)
るにつれて、遠慮も次第になくなる
処
(
とこ
)
へ、
狂水
(
きちがいみず
)
のまわるのが、血の燃ゆるがごとき
壮佼
(
わかもの
)
、まして
渾名
(
あだな
)
を火の玉のほてりに蒸されて、むらむらと固る雲、額のあたりが暗くなった。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
向者
(
さき
)
より待合所の縁に
倚
(
よ
)
りて、一
篇
(
ぺん
)
の書を
繙
(
ひもと
)
ける二十四、五の
壮佼
(
わかもの
)
あり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あい。」と云いしが眗して、土間より立ったる半纏着の
壮佼
(
わかもの
)
を
麾
(
さしまね
)
き
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯
(
ただ
)
人の頭も、顔も、黒く塗りて、肩より胸、背、下腹のあたりまで、墨もていやが上に濃く塗りこくり、
赤褌襠
(
あかふどし
)
着けたる
臀
(
いしき
)
、
脛
(
はぎ
)
、足、
踵
(
かかと
)
、これをば朱を以て真赤に色染めたるおなじ
扮装
(
いでたち
)
の
壮佼
(
わかもの
)
たち
凱旋祭
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
板のごとくに
硬
(
こわ
)
い、黒の筒袖の
長外套
(
なががいとう
)
を、
痩
(
や
)
せた
身体
(
からだ
)
に、
爪尖
(
つまさき
)
まで
引掛
(
ひっか
)
けて、耳のあたりに襟を立てた。帽子は
被
(
かぶ
)
らず、
頭髪
(
かみ
)
を
蓬々
(
ぼうぼう
)
と
抓
(
つか
)
み
棄
(
す
)
てたが、目鼻立の
凜々
(
りり
)
しい、頬は
窶
(
やつ
)
れたが、屈強な
壮佼
(
わかもの
)
。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
音訪
(
おとな
)
う間も無く、どたんと畳を
蹴
(
け
)
て立つ音して、戸を開けるのと、ついその
框
(
かまち
)
に
真赤
(
まっか
)
な灯の、ほやの油煙に黒ずんだ
小洋燈
(
こランプ
)
の見ゆるが同時で、ぬいと立ったは、眉の迫った、目の鋭い、
細面
(
ほそおもて
)
の
壮佼
(
わかもの
)
で
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
声に応じて三名の
壮佼
(
わかもの
)
は群を脱して、戸口に向えり。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
声に応じて三名の
壮佼
(
わかもの
)
は群を脱して、戸口に向へり。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と大音声に呼ばわれば、舟なる
壮佼
(
わかもの
)
声を揃えて
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蓬頭垢面
(
ほうとうこうめん
)
、
窮鬼
(
すだま
)
のごとき
壮佼
(
わかもの
)
あり
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
随
(
したが
)
う
壮佼
(
わかもの
)
は南海の健児栗山大助。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
壮
常用漢字
中学
部首:⼠
6画
佼
漢検準1級
部首:⼈
8画
“壮佼”で始まる語句
壮佼等