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なあて
ふりがな文庫
“
名宛
(
なあて
)” の例文
「小野清三様」と
子昂流
(
すごうりゅう
)
にかいた
名宛
(
なあて
)
を見た時、小野さんは、急に
両肱
(
りょうひじ
)
に力を入れて、机に持たした
体
(
たい
)
を
跳
(
は
)
ねるように
後
(
うしろ
)
へ引いた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「旦那さまからなのですよ。」と
名宛
(
なあて
)
を見て、彼女は云つた。「これで、お歸りになるかならないかゞ、きつと
判
(
わか
)
るでせう。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
披
(
ひら
)
かせ見れば手紙一通有り養母も
不審
(
いぶかし
)
とは思へ共城富の
名宛
(
なあて
)
故
(
ゆゑ
)
披
(
ひら
)
き見ても宜しかるべしと
封
(
ふう
)
を
押開
(
おしひら
)
きて見るに
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そして
名宛
(
なあて
)
の左側の、親展とか
侍曹
(
じそう
)
とか至急とか書くべきところに、
閑事
(
かんじ
)
という二字が記されてあった。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
とずう/\しく
名宛
(
なあて
)
が書いてあり、以前は勤めをしたあけびしのおあさですから手は
能
(
よく
)
はありませんが、書馴れて居りますから色気があって綺麗に書いてあります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
そこには、さっきの無気味な手紙と寸分違わぬ
筆癖
(
ふでぐせ
)
をもって、彼女の
名宛
(
なあて
)
が書かれてあったのだ。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
『それに
違
(
ちが
)
ひない』と
王樣
(
わうさま
)
が
申
(
まを
)
されました、『
名宛
(
なあて
)
が
書
(
か
)
いてないとすれば、
屹度
(
きつと
)
』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
次にビーズ入りのバッグを開いてみると、新しいハンカチが二枚と、六円二十何銭入りの
蟇口
(
がまぐち
)
と、すこしばかりの化粧道具を入れた底の方から、柳川ヨシエという
名宛
(
なあて
)
の質札が二枚出た。
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
食後の津田は
床
(
とこ
)
の
脇
(
わき
)
に置かれた小机の前に向った。下女に頼んで取り寄せた絵端書へ一口ずつ文句を書き足して、その表へ
名宛
(
なあて
)
を
記
(
しる
)
した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのひとつ/\に、ロチスター氏は、「
倫敦
(
ロンドン
)
、××旅館、ロチスター夫人」と自分で
名宛
(
なあて
)
を書いて呉れた。私は、それを、自分で附けることも、また、附けて貰ふことも出來なかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
遂には読むに耐えなくなって、末尾の三四行を飛ばして、
名宛
(
なあて
)
を見た。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
見れば島田宿の藤八よりの
名宛
(
なあて
)
なれば
披
(
ひら
)
き見るに安五郎
白妙
(
しろたへ
)
の兩人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
文庫
(
ぶんこ
)
の
中
(
なか
)
から、二三
通
(
つう
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
出
(
だ
)
して
御米
(
およね
)
に
見
(
み
)
せた。それには
皆
(
みんな
)
坂井
(
さかゐ
)
の
名宛
(
なあて
)
が
書
(
か
)
いてあつた。
御米
(
およね
)
は
吃驚
(
びつくり
)
して
立膝
(
たてひざ
)
の
儘
(
まゝ
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは予期通り私の
名宛
(
なあて
)
になっていました。私は夢中で封を切りました。しかし中には私の予期したような事は何にも書いてありませんでした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこを少し行って、大通りを例の細い往来へ切れた彼は、何の苦もなくまた
名宛
(
なあて
)
の
苗字
(
みょうじ
)
を
小綺麗
(
こぎれい
)
な二階建の一軒の
門札
(
もんさつ
)
に
見出
(
みいだ
)
した。彼は玄関へかかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがて
名宛
(
なあて
)
を
認
(
したた
)
め終ると、「ただ通り一遍の
文言
(
もんごん
)
だけ並べておいたらそれで好いでしょう」と云いながら、
手焙
(
てあぶり
)
の前に
翳
(
かざ
)
した手紙を
敬太郎
(
けいたろう
)
に読んで聞かせた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その赤塗の表には
名宛
(
なあて
)
も何も書かないで、
真鍮
(
しんちゅう
)
の環に通した
観世撚
(
かんじんより
)
の封じ目に黒い墨を着けてあった。代助は机の上を一目見て、この手紙の主は嫂だとすぐ悟った。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
岡田はいつの間にか用意して来た三四枚の
絵端書
(
えはがき
)
を
袂
(
たもと
)
の中から出して、これは叔父さん、これはお
重
(
しげ
)
さん、これはお
貞
(
さだ
)
さんと一々
名宛
(
なあて
)
を書いて、「さあ
一口
(
ひとくち
)
ずつ
皆
(
みん
)
などうぞ」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「つい忘れていた。一週間ばかり前に招待状が来ていたっけ。一郎と
直
(
なお
)
と二人の
名宛
(
なあて
)
で」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「二十五
番地
(
ばんち
)
ぢやなくつて」と
細君
(
さいくん
)
は
答
(
こた
)
へたが、
宗助
(
そうすけ
)
が
名宛
(
なあて
)
を
書
(
か
)
き
終
(
をは
)
る
頃
(
ころ
)
になつて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども、雅楽そのものについては大した期待も何もなかった。それよりも自分の気分に転化の
刺戟
(
しげき
)
を与えたのは、三沢が余事のごとく
名宛
(
なあて
)
のあとへ付け足した、短い報知であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助は
箔
(
はく
)
の
剥
(
は
)
げた古い額を一二枚読んで歩いたが、ふと一窓庵から先へ
探
(
さが
)
し出して、もしそこに手紙の
名宛
(
なあて
)
の坊さんがいなかったら、もっと奥へ行って尋ねる方が便利だろうと思いついた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
箔
(
はく
)
の
剥
(
は
)
げた
古
(
ふる
)
い
額
(
がく
)
を一二
枚
(
まい
)
讀
(
よ
)
んで
歩
(
ある
)
いたが、
不圖
(
ふと
)
一窓庵
(
いつさうあん
)
から
先
(
さき
)
へ
探
(
さが
)
し
出
(
だ
)
して、もし
其所
(
そこ
)
に
手紙
(
てがみ
)
の
名宛
(
なあて
)
の
坊
(
ばう
)
さんがゐなかつたら、もつと
奧
(
おく
)
へ
行
(
い
)
つて
尋
(
たづ
)
ねる
方
(
はう
)
が
便利
(
べんり
)
だらうと
思
(
おも
)
ひ
付
(
つ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
手紙
(
てがみ
)
は
古風
(
こふう
)
な
状箱
(
じようばこ
)
の
中
(
うち
)
にあつた。
其
(
その
)
赤塗
(
あかぬり
)
の
表
(
おもて
)
には
名宛
(
なあて
)
も
何
(
なに
)
も
書
(
か
)
かないで、
真鍮
(
しんちう
)
の
環
(
くわん
)
に
通
(
とほ
)
した
観世撚
(
かんじんより
)
の
封
(
ふう
)
じ
目
(
め
)
に
黒
(
くろ
)
い
墨
(
すみ
)
を着けてあつた。代助は
机
(
つくえ
)
の
上
(
うへ
)
を
一目
(
ひとめ
)
見て、此手紙の
主
(
ぬし
)
は
嫂
(
あによめ
)
だとすぐ
悟
(
さと
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それには
皆
(
みんな
)
坂井の
名宛
(
なあて
)
が書いてあった。御米は
吃驚
(
びっくり
)
して立膝のまま
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
届ではない告訴です。
名宛
(
なあて
)
はない方がいい
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
宛
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
“名宛”で始まる語句
名宛人