“刑(けい)” の例文
むしろ、一党(とう)の人は、それで愁眉(しゅうび)をひらいていた。しかし、愁眉のひらかれぬ気がかりは、ご神罰(しんばつ)に刑(けい)せられている忍剣(にんけん)の身の上——。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聞如何我胤(たね)なればとて然る曲者(くせもの)を採用(さいよう)し後に害(がい)をば殘(のこ)さんこと武將(ぶしやう)の所爲に有ざれば天下の爲に彼をして強(しひ)て僞者(にせもの)と言詰(いひつめ)て宜敷(よろしく)刑(けい)に行ふ可し是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかし、お妃さまはへんじをすることもできませんし、いいわけをすることもできません。そこで、とうとう、火あぶりの刑(けい)にきまってしまいました。
孔子の常に言う「教えずして刑(けい)することの不可」を知るが故に、まず彼等に己の意の在る所を明かしたのである。気取の無い率直さが荒っぽい土地の人気に投じたらしい。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そして、むかしからの習慣(しゅうかん)に従って裁判(さいばん)をうけました。大運動会の日に平和をみだしたものは、追放(ついほう)されるのです。どのキツネも、刑(けい)を軽(かる)くしてやってくれとは言いません。
『皆(みん)な頭(あたま)を刎(は)ねて了(しま)へ!』やがて行列(ぎやうれつ)が動(うご)き出(だ)しました。三人(にん)の兵士(へいし)は不幸(ふこう)な園丁等(えんていら)を刑(けい)に處(しよ)するために後(あと)に殘(のこ)りました。園丁等(えんていら)は保護(ほご)を願(ねが)ひに愛(あい)ちやんの許(もと)へ駈(か)けて來(き)ました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それともまた、この男の罪が非常に大きなもので、もしもそれを口にでもしようものなら、極楽(ごくらく)が死の刑(けい)をもってこの男を罰(ばっ)しなければならないといったようなものだったのでしょうか。
然(しか)れども(一一五)蚤(はや)く患(うれひ)を刑(けい)せらるるに救(すく)ふ※能(あた)はず。呉起(ごき)、武矦(ぶこう)に説(と)くに形勢(けいせい)の・徳(とく)に如(し)かざるを以(もつ)てす。然(しか)れども之(これ)を楚(そ)に行(おこな)ふや、(一一六)刻暴(こくばう)少恩(せうおん)を以(もつ)て其躯(そのみ)を亡(うしな)ふ。悲(かな)しい夫(かな)。
彼(か)れは刑罰(けいばつ)といふものが本人(ほんにん)の悔悟(くわいご)を基礎(きそ)としなければならぬと考(かんが)へる方(はう)の一人(ひとり)であつた。殺(ころ)されてしまへば、悔(く)いることも改(あらた)めることも出來(でき)ない。從(したが)つて、死刑(しけい)は刑(けい)でないといふ風(ふう)に考(かんが)へた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
彼等は愛の刑(けい)と愛の賚(たまもの)とを同時に享(う)けて、同時に双方を切実に味はつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
忍剣を斬り、龍太郎の首をうち、いままた伊那丸を刑(けい)した半助は、さすがに斬りつかれがしたとみえて、滴々(てきてき)と、血流(ちなが)しから赤い雫(しずく)のたるる刃(やいば)をさげて、ぽうッとしばらく立っていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
郤(げき)至という重臣の斡旋で、巫臣は刑(けい)の大夫として晋に仕えることになった。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)
裁判所(さいばんしょ)は、お妃を火あぶりの刑(けい)におこなう、と言いわたしました。
刑(けい)の宣(せん)
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
忍剣は身の危険(きけん)を知るよしもなかった。おそらくかれは、故快川和尚(こかいせんおしょう)の最期(さいご)のことば——心頭(しんとう)を滅却(めっきゃく)すれば火もまた涼(すず)し——の禅機(ぜんき)をあじわって、二十一日の刑(けい)をけっして長いとも思っておるまい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)