其實そのじつ)” の例文
新字:其実
先生せんせい此等これら言葉ことば其實そのじつ平凡へいぼんせつですけれど、ぼく先生せんせい生活せいくわつ此等これらせつくと平凡へいぼん言葉ことば清新せいしんちからふくんでることをかんじました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
呉王ごわういはく、『將軍しやうぐん(一一)罷休ひきう(一二)しやけ、寡人くわじんくだりてるをねがはず』と。孫子そんしいはく、『わういたづら其言そのげんこのんで、其實そのじつもちふることあたはず』
されば外見よそみには大分限だいぶげんごとくなれど、其實そのじつ清貧せいひんなることをそれがし觀察仕くわんさつつかまつりぬ。此人このひとこそ其身そのみをさまりてよくいへをさまれるにこそさふらはめ、かなら治績ちせきべくとぞんさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つき此地球このちきう周圍まはりまはるものにて其實そのじつは二十七日と八ときにて一廻ひとまはりすれども、地球ちきうつきとの釣合つりあひにて丁度ちやうど一廻ひとまはりしてもとところかへるには二十九日と十三ときなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
星火榴彈せいくわりうだんげ、火箭くわぜんばして難破船なんぱせん風體ふうてい摸擬よそをつたなど、船長せんちやうたん船幽靈ふないうれい仕業しわざ御坐ござるなどゝ、無※ばかことつてるが其實そのじつ、かの不思議ふしぎなる難破船なんぱせん信號しんがう
しかしそれは自分じぶんむかちゝからいたおぼえのある、朧氣おぼろげ記憶きおく好加減いゝかげんかへすにぎなかつた。實際じつさい價値かちや、また抱一はういつついてのくはしい歴史れきしなどにいたると宗助そうすけにも其實そのじつはなは覺束おぼつかなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
電光艇でんくわうてい! 電光艇でんくわうてい! 如何いか其實そのじつ相應ふさはしきよと、わたくし感嘆かんたんすると、大佐たいさことばをつゞけ
本船ほんせん愚昧おろかなる船長せんちやうは『船幽靈ふないうれいめが、難破船なんぱせん眞似まねなんかして、このふね暗礁あんせうへでも誘引おびせやうとかゝつてるのだな。』と延氣のんきことつてつたが、其實そのじつ船幽靈ふないうれいならぬ海賊船かいぞくせん