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一端
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いつたん
太綱の
一端を
前齒に
銜へてする/\と
竿を
上りて
直に
龍頭に
至る。
蒼空に
人の
點あり、
飄々として
風に
吹かる。これ
尚ほ
奇とするに
足らず。
私は
此時まで
殆んど
喪心の
有樣で、
甲板の
一端に
屹立つた
儘、
此慘憺たる
光景に
眼を
注いで
居つたが、ハツと
心付いたよ。
それで三
人、
相談する
樣な
顏をして、
一端松林まで
退き、
姿が
彼等の
視線から
隱れるや
否や、それツとばかり
間道を
逃出して、
裏の
池の
方から、
駒岡の
方へ
韋駄天走り。
自分は
餘り
大陸の
一端が
浪のために
喰缺かれることの
疾いのを、
心細く
感ずるばかりであつた。
『
一同無事か。』と
叫んだのは、
懷かしや、
櫻木海軍大佐の
聲、
同時に、
今一人乘組んで
居つた
馴染の
顏の
水兵が、
機敏に
碇綱を
投げると、それが
巧く
鐵檻車の
一端に
止つたので
荒浪の
鞺々と
打寄する
岬の
一端には、
高き
旗竿が
立てられて、
一夜作りの
世界※國の
旗は、
其竿頭から
三方に
引かれた
綱に
結ばれて、
翩々と
風に
靡く、
其頂上には
我が
譽ある
日章旗は