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長生
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ながいき
ふりがな文庫
“
長生
(
ながいき
)” の例文
白雪 ええ、
煩
(
うるさ
)
いな、お前たち。義理も仁義も心得て、
長生
(
ながいき
)
したくば勝手におし。……
生命
(
いのち
)
のために恋は棄てない。お
退
(
ど
)
き、お退き。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さ「はい、業平橋と云う所は
妙見様
(
みょうけんさま
)
へ
往
(
ゆ
)
く時通りましたが、あゝ云う処へお住いなすっては
長生
(
ながいき
)
をいたしますよ、
彼処
(
あすこ
)
がお
下屋敷
(
しもやしき
)
で」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
多くの場合、女は男よりも
長生
(
ながいき
)
をするものだが、来世で皺くちやな女の顔を見るのは、男にとつて胃の薬を飲むよりも
辛
(
つら
)
いものだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
丁 さう
彼方此方
(
あッちこッち
)
に
居
(
を
)
ることは
出來
(
でき
)
んわ。(一同に對ひ)ささ、
働
(
はたら
)
いた
働
(
はたら
)
いた。
暫時
(
ちっとのま
)
ぢゃ、
働
(
はたら
)
いた/\。さうして
長生
(
ながいき
)
すりゃ
持丸長者
(
もちまるちゃうじゃ
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
もう少し
長生
(
ながいき
)
をしていたら、トテモ信長公が天下を取るわけにはゆかぬ、信長公が世に出なければ太閤というものも世に出るわけにはゆかぬ
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
と婆さん鶏は、しんみりとした声でいひましたので、雄鶏もちよつと可哀さうに思ひました、しかしそのくせ婆さん鶏は、
長生
(
ながいき
)
をいたしました。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
その一人はニコニコ王様の
長生
(
ながいき
)
の乞食の白髪小僧で、今一人はこの国の総理大臣の
美留楼
(
みるろう
)
公爵の末娘
美留女姫
(
みるめひめ
)
である。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
国朝六家詩鈔
(
こくちょうりくかししょう
)
の初にある
沈徳潜
(
しんとくせん
)
の序には、
乾隆丁亥夏五
(
けんりゅうていがいかご
)
長洲
(
ちょうしゅう
)
沈徳潜
(
しんとくせん
)
書
(
しょ
)
す時に年九十有五。とわざわざ断ってある。
長生
(
ながいき
)
の結構な事は云うまでもない。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「無気力な
奴
(
やつ
)
だ。
無性者
(
ぶしょうもの
)
だ。お前はたしかに
長生
(
ながいき
)
するだろうよ。全くあきれて物がいえないとは、お前のことだ」
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
五
子規
(
しき
)
自身の小説には
殆
(
ほとん
)
ど見るに足るものなし。然れども子規を
長生
(
ながいき
)
せしめ、更に小説を作らしめん
乎
(
か
)
、
伊藤左千夫
(
いとうさちを
)
、
長塚節等
(
ながつかたかしら
)
の諸家の
下風
(
かふう
)
に立つものにあらず。
病中雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ねえ、荒川さん、斯うなったら一日でも
長生
(
ながいき
)
をして恩給を余計取ってやることですよ」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
生活の簡単な世の中では、
長生
(
ながいき
)
をする事が一番の幸福でありますから、祝言には普通に長寿の事を云う。そこで我が国では
長生
(
ながいき
)
、すなわち「
寿
(
じゅ
)
」のことを「ことぶき」と云います。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
お前になるたけ
長生
(
ながいき
)
をさせたい、末長く楽に暮させたいと思っているのだと誓って遣ろう。どうぞ己の
側
(
そば
)
にだけいてくれ、己の寝床の側を離れてくれるな、一人で死なせてくれるなと頼もう。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
一老夫
(
いちらうふ
)
こゝに来り主人を
視
(
み
)
て
拱手
(
てをさげ
)
て礼をなし
後園
(
うらのかた
)
へ行んとせしを、
主
(
あるじ
)
呼
(
よび
)
とめ
老
(
らう
)
夫を
指
(
ゆびさし
)
ていふやう、此
叟父
(
おやぢ
)
は
壮年時
(
わかきとき
)
熊に助られたる人也、
危
(
あやふ
)
き
命
(
いのち
)
をたすかり今年八十二まで
健
(
すこやか
)
に
長生
(
ながいき
)
するは
可賀
(
めでたき
)
老人也
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
とにかくまだまだ歌は
長生
(
ながいき
)
すると思うのか。
一利己主義者と友人との対話
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
「
長生
(
ながいき
)
をするためにさ。」
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
だが、高木氏の考へは少し
拙
(
まづ
)
かつた。そんな事を教へて今の紳士達がすつかり達者になつて、
長生
(
ながいき
)
でもしたら
何
(
ど
)
うする
積
(
つもり
)
だらう。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
憚
(
はばか
)
んながらこう見えても、
余所行
(
よそゆ
)
きの
情婦
(
いろ
)
があるぜ。
待合
(
まちええ
)
へ来て見繕いで
拵
(
こしれ
)
えるような、べらぼうな
長生
(
ながいき
)
をするもんかい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生命
(
いのち
)
の親様の名前を忘れるなんて、言語道断だと
仰有
(
おっしゃ
)
るのですか……ト……飛んでもない。アンナ奴が
生命
(
いのち
)
の親様なら、猫イラズは
長生
(
ながいき
)
の妙薬でしょう。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
山楽は山楽でなければならないはずのものだ——永徳は
早死
(
はやじに
)
をしたが、山楽は
長生
(
ながいき
)
をした、およそ長生すれば恥多しということを、
沁々
(
しみじみ
)
と体験したもの山楽の如きはあるまい。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
長生
(
ながいき
)
の
工夫
(
くふう
)
のための列仙伝が、長生もしかねまじきほど
悠長
(
ゆうちょう
)
な心の
下
(
もと
)
に、病後の余からかく気楽に取扱われたのは、余に取って全くの偶然であり、また再び
来
(
きた
)
るまじき奇縁である。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
待っていてくれちゃ困るけれど、理窟は先ず斯うしたものさ。一に辛抱、二に
長生
(
ながいき
)
。自分が死んでしまったんじゃお話にならない。
須
(
すべから
)
く大いに
加餐
(
かさん
)
して、出世の資格を拵えるんだね
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「これほど意見しても肯かぬ気性の
其方
(
そち
)
、
行
(
ゆ
)
く/\は親の首へ縄を掛けるに相違ない、
長生
(
ながいき
)
して
死恥
(
しにはじ
)
を掻こうより
寧
(
いっ
)
そのこと食事を絶って死ぬに越したことはない」と涙を流しての
切諫
(
せっかん
)
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かように年を取りますと、
慾
(
よく
)
も、得も、はは、覚えませぬ。ただもう、
長生
(
ながいき
)
がしとうござりましてのう。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人間は
長生
(
ながいき
)
しようと思へば、何よりも先に自分の産れ故郷にとゞまらなければならない。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そうして今の話で、この間赤い鸚鵡が云った一番
長生
(
ながいき
)
の白髪頭の奇妙な姿をした老人というのはお爺さんでもお婆さんでも何でもなく、この白髪小僧の事に違いないことがわかった。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「好いだろう。第一空気が違う。斯ういうところに住んでいると、
長生
(
ながいき
)
をするよ」
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
私
(
わたくし
)
は殿様の側に
何時
(
いつ
)
までも附いていて、殿様が
長生
(
ながいき
)
をなすって、
貴方
(
あなた
)
は
外
(
ほか
)
へ御養子にでも入らっしゃれば、お目にかゝる事は出来ません、其の上綺麗な奥様でもお持ちなさろうものなら
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「君は一生
旅烏
(
たびがらす
)
かと思ってたら、いつの
間
(
ま
)
にか舞い戻ったね。
長生
(
ながいき
)
はしたいもんだな。どんな
僥倖
(
ぎょうこう
)
に
廻
(
めぐ
)
り合わんとも限らんからね」と迷亭は鈴木君に対しても主人に対するごとく
毫
(
ごう
)
も遠慮と云う事を
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
成る程この街で、一番珍しい奇妙な
風体
(
なり
)
をしている、一番
長生
(
ながいき
)
の白髪頭の老人を見付け出して、その人の身の上話しを聞かしてもらえば、
屹度
(
きっと
)
面白い新規の話を聞く事が出来るに違いない。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
くれ/″\も用心して
猟人
(
かりゅうど
)
や無法者に出会わぬよう、無事で達者で
長生
(
ながいき
)
してくれよ、思えば/\、人間を助けるほどの情深きお前をば、
何故
(
なぜ
)
天は人にしなんだか、世はさま/″\とは申しながら
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「毎日八時間死んで
長生
(
ながいき
)
をしよってのは
料簡
(
りょうけん
)
が分らない」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「もう少し
長生
(
ながいき
)
をしたいって言っていますわ」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
百「
長生
(
ながいき
)
すれア
宜
(
よ
)
かんばいじゃアないか」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
滅多に
長生
(
ながいき
)
する者はございませぬ。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯ういうのは
長生
(
ながいき
)
が出来る。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「君は
長生
(
ながいき
)
をするよ」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“長生”の解説
長生(ちょうせい)は囲碁用語の一つで、死活がらみで同型反復になる特殊な形。中国にある長生殿での対局中にこの形が出現したことからこの名がついた。
現代の日本ルールでは、実戦で黒白双方とも譲らなかった場合ルールにより無勝負となる。一方で中国ルールでは、超コウルール(同形反復の禁止)により生き死にの結論が出される。
下の図のような形が長生の代表例である。
(出典:Wikipedia)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“長生”で始まる語句
長生人
長生癥
長生眉
長生郡
長生殿裡
長生糸瓜