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蹶起
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けっき
ふりがな文庫
“
蹶起
(
けっき
)” の例文
見よ、その時、この隠れたる神の児達が、大地の下層より
蹶起
(
けっき
)
して、自己の体得し、又体験せるところを、堂々と証言するであろう。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
この情勢は満州民族を
蹶起
(
けっき
)
せしめ、ついに満州より黄河流域にわたる強力な金の建国となって、北方シナに満州民族の血を注ぎ入れた。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
これではいかんと、大正二年に
李烈鈞
(
りれつきん
)
が第二革命の
火蓋
(
ひぶた
)
を切って、各地に反袁軍が
蹶起
(
けっき
)
したのだが、袁世凱の弾圧でこれも敗れた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「
清
(
きよ
)
さん清さん。」という声が聞こえた。その声は
狼狽
(
ろうばい
)
した声であった。余が
蹶起
(
けっき
)
して病床に行く時に妹君も次の間から出て来られた。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
もし又君の為に然らずとせんか、かの近来の赤大根は君の小説に感奮し、君の評論に
蹶起
(
けっき
)
したる新鋭気鋭の青年にあらずや。
八宝飯
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
万一、他出しているうちにでも、突然、
蹶起
(
けっき
)
するような事にでもなれば、一挙の統制を欠くばかりでなく、出おくれては一
期
(
ご
)
の恥辱にもなる。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分は
蹶起
(
けっき
)
して
乳搾
(
ちちしぼ
)
りに手をかさねばならぬ。天気がよければ家内らは運び来った濡れものの仕末に眼の廻るほど忙しい。
水害雑録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
運輸労働者が一斉に
蹶起
(
けっき
)
したとしても、Y市の「工場労働者」がその闘争の外に立つことは、他の何処の市でもそうであるように分りきっていた。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
一
臂
(
ぴ
)
の力添えようと、同志とともに
蹶起
(
けっき
)
したもの、この地は他領とはいいながら、地続きのこと援助願おうと、こうして参ったわれわれでござる。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
熊楠
謹
(
つつし
)
んで
攷
(
かんが
)
うるに、古エジプト人は日神ウンを兎頭人身とす、これ太陽
晨
(
あした
)
に天に昇るを兎の
蹶起
(
けっき
)
するに比したんじゃ(バッジ『
埃及諸神譜
(
ゼ・ブック・オブ・ゼ・エジプシアンス
)
』巻一)
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
雪に覆われた赤い広場を眺めていると、ここには濃い諧調と美とがあって、伸子は、抑えられつづけた人間の執拗な
蹶起
(
けっき
)
の情熱に同感するのだった。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
今夜の行動は、帆村の
示唆
(
しさ
)
するところに従って、田鍋課長が
蹶起
(
けっき
)
したという形になっていたが、実のところ課長としては何等自信のあることではなかった。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
たえす塾生たちを
困惑
(
こんわく
)
させた一事があった、それは「
蹶起
(
けっき
)
部隊」とか、「行動部隊」とか、あるいは「
占拠
(
せんきょ
)
部隊」とかいう言葉が使用され、三日目になって
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その日の未明に
蹶起
(
けっき
)
した青年将校の一団が幾手かにわかれて要路の大官の屋敷を襲い、今、警視庁を占領してそこに立てこもっているというはなしをしたあとで
菎蒻
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
彼の頭は高倉宮謀叛と頼政一味の
蹶起
(
けっき
)
、この事件が影響を及ぼす政情の推移、あるいは諸国の治安の紊乱、一代にして築いたおのが地位など考えぬいたであろう。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
ここに於てか諸君、余は奮然
蹶起
(
けっき
)
したのである。打倒蛸! 蛸博士を葬れ、然り、
懲膺
(
ちょうよう
)
せよ憎むべき悪徳漢! 然り然り。故に余は日夜その方策を
錬
(
ね
)
つたのである。
風博士
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「江戸表に
於
(
おい
)
ては、少将さまはじめ、松原郡太夫どのらが
蹶起
(
けっき
)
しようとしております。ここは先手を打って御家老より県先生を直訴あそばすが必勝の策と存じます」
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
戦争中国内の
有様
(
ありさま
)
を
察
(
さっ
)
すれば
所在
(
しょざい
)
の
不平士族
(
ふへいしぞく
)
は日夜、
剣
(
けん
)
を
撫
(
ぶ
)
して官軍の
勢
(
いきおい
)
、利ならずと見るときは
蹶起
(
けっき
)
直
(
ただち
)
に政府に
抗
(
こう
)
せんとし、すでにその
用意
(
ようい
)
に
着手
(
ちゃくしゅ
)
したるものもあり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
アメリカでも、イギリスでも坑夫は
蹶起
(
けっき
)
しつゝあった。全世界に於て、プロレタリアートが、両手を合わすことをやめて、それを
拳
(
こぶし
)
に握り締めだした。そういう頃だった。
土鼠と落盤
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
「そんなこともなかろうが、読み方によっては、千
載
(
ざい
)
の
後
(
のち
)
懦夫
(
だふ
)
を
蹶起
(
けっき
)
せしめるかも知れない」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
刺客ノ至ルヲ見テ大ニ驚キ
蹶起
(
けっき
)
スルモ及バズ。
乃
(
すなわち
)
呼ンデ曰ク、我罪ナシ。光明正大白日青天ナリト。語イマダ
畢
(
おわ
)
ラズ。遂ニ害ニ遇フ。時ニ文久三年五月十九日夜ナリ。年三十七。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
謹厚の人もまた
絳衣
(
こうい
)
大冠すと驚かれたる
劉郎
(
りゅうろう
)
の大胆、
虎穴
(
こけつ
)
に入らずんば虎子を得ずと
蹶起
(
けっき
)
したる班将軍が壮志、今やこの正直一図の壮年に顕われ、由々しくも彼を思い立たしめたり
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
所謂
(
いわゆる
)
、朝寝坊が起さるる時にして、数回に亘る呼び声に応答しつつ、又も熟睡に陥り、日
三竿
(
さんかん
)
に及びて
蹶起
(
けっき
)
して、今日は唯一回の呼声にて覚醒したりなぞ主張する事珍らしからざるは
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
心ある人々これを憂い、饅頭の中に回章を秘めて同志の間に配布し、八月十五日の夜志士ら
蹶起
(
けっき
)
して喇嘛僧を
鏖殺
(
おうさつ
)
し、僅かに生き残った者は辛うじて蒙古に逃れ、支那には全く跡を絶った。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
自分一人のことなんか考えず、落語家全部が一致団結して
蹶起
(
けっき
)
するときだ。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
交戦諸強は互いに利害の打算を外にして
蹶起
(
けっき
)
したのであるが、なかんずく、
独逸
(
ドイツ
)
の如きはルクセンブルグの中立を無視し、ベルギーの中立を無視し、非戦闘員を殺戮し、武装せざる都会を
焚
(
や
)
き
文明史上の一新紀元
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
と、ひたすら頼み入る、さすがのコン吉もここにおいて、憤然と
蹶起
(
けっき
)
し
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
蹶起
(
けっき
)
した罷工の勇壮を讃えよ。
プチロフ工場
(新字新仮名)
/
今村恒夫
(著)
二・二六の
蹶起
(
けっき
)
は民衆の革命的エネルギーを暴動へと導くことをしなかった。事を上層で解決しようとした。その傲慢さが失敗の一因だった。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
その証拠には、やがて勅使が帰ると、すぐその後で、蜀の
蹶起
(
けっき
)
をうながさんと、彼も直ちに成都へ上っている。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第二第三のミミ族にも備えることが肝要です。成層圏飛行に成功したくらいで安心していては、間もなくミミ族のために、簡単にたべられてしまいますよ。さあ、
蹶起
(
けっき
)
してください
宇宙戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
労働者農民の窮乏に痛憤した青年将校の
蹶起
(
けっき
)
、侵略戦争に反対し、陸軍内の閥と幕僚を排撃して、陸軍の自由を愛好する分子の挙げたこととして、こんにち語りはじめているのである。
作家は戦争挑発とたたかう
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
素破
(
すわ
)
こそと皆
蹶起
(
けっき
)
して正座し、その方向に向って両手を支えた。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
慶三は
褌
(
ふんどし
)
一ツ、
蹶起
(
けっき
)
して下へ降りた。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
素破
(
すわ
)
や! と右内は
蹶起
(
けっき
)
した。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と安部君も
蹶起
(
けっき
)
した。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
蹶起
(
けっき
)
に参加するはずの俺は、万一の場合、波子に対して巻きぞえを食わせるような目に会わせたくなかったのだ。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
おそらく、鎌倉で毒殺された
直義
(
ただよし
)
のことは、彼をいからせ、彼を一ばい奮然と
蹶起
(
けっき
)
させたにちがいあるまい。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
各新聞社の
蹶起
(
けっき
)
を先頭として続々大仕掛けの捜査隊が派遣せられ、
凡
(
およ
)
そ一年半近くも
蒙古
(
もうこ
)
、
新疆
(
しんきょう
)
、
西蔵
(
チベット
)
、
印度
(
インド
)
を始め、北極の方まで探し廻ったが、
皆目
(
かいもく
)
消息がしれなかった、というのでしたね。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と私は
蹶起
(
けっき
)
した。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「願わくは、閣下の精練の兵武をもって、許都の
曹賊
(
そうぞく
)
を
討平
(
とうへい
)
し、大きくは漢朝のため、小にはわが主玄徳のため、この際、平常のご抱負をのべ、奮勇一番、ご
蹶起
(
けっき
)
あらんことを」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今ならば、革命分子の
蹶起
(
けっき
)
とか、地方の
騒擾
(
そうじょう
)
事件とか、いわれるであろう。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神戸信孝
(
かんべのぶたか
)
の岐阜軍が
蹶起
(
けっき
)
の機の熟す日を待つこと久しいのであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「寝ている場合ではありません。
蹶起
(
けっき
)
すべき時です」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の
蹶起
(
けっき
)
を熱願したのであった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“蹶起”の意味
《名詞》
蹶起(けっき)
思いきって立ち上がり、行動すること。
(出典:Wiktionary)
蹶
漢検1級
部首:⾜
19画
起
常用漢字
小3
部首:⾛
10画
“蹶”で始まる語句
蹶
蹶然
蹶立
蹶飛
蹶散
蹶落
蹶倒
蹶做
蹶張
蹶躓