血走ちばし)” の例文
五十人ごじふにん八十人はちじふにん百何人ひやくなんにん、ひとかたまりのわかしゆかほは、すわり、いろ血走ちばしり、くちびるあをつて、前向まへむき、横向よこむき、うしろむき
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なし忽まちまなこ血走ちばしりつゝ髮も逆立さかたつ形容ありさまにて斯る證人有上は此趣きを直樣すぐさまに御奉行樣へ駈込かけこんで彼の長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いつも血色の悪い、蒼白あをじろい顔が、大酒たいしゆをしたやうに暗赤色あんせきしよくになつて、持前の二皮目ふたかはめ血走ちばしつてゐる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私、見たことがありません! 變色した顏——恐ろしい顏でした。ぎよろ/\するあの血走ちばしつた眼と、あの恐ろしい黒ずんだふくれ上つた顏を忘れることが出來たなら!
そして、ふたたび、あかるくなったときに、かれは、血走ちばしって、興奮こうふんしきっていました。
幽霊船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
血走ちばしったまなこあらかみをふりみだして様子ようすは、ても只事ただごととはおもわれないのでした。
絶望に血走ちばしった目をみんなのうえに走らせて
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
血走ちばしったなみだをたたえて空をあおいだ……
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其処そこ婿君むこぎみが、紋着もんつきはかまながら、憔悴せうすゐした寝不足ねぶそく血走ちばしり、ばう/\がみやつれたのが、弔扎てうれいをうけにえたのである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くもうごいて、薄日うすびして、らしたむねと、あふいだひたひかすかにらすと、ほつとつたやうないろをしたが、くちびるしろく、血走ちばしるのである。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いろ真蒼まつさをで、血走ちばしり、びたかみひたひかゝつて、冠物かぶりものなしに、埃塗ほこりまみれの薄汚うすよごれた、処々ところ/″\ボタンちぎれた背広せびろて、くつ足袋たびもない素跣足すはだしで、歩行あるくのに蹌踉々々よろ/\する。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
えてしまいさうになつてるところを、ひと高見たかみ見物けんぶつされて、おもしろがられて、わらはれて、なぐさみにされて、うれしがられて、血走ちばしつて、かみうごいて、くちびるやぶれたところで、口惜くやしい、口惜くやしい、口惜くやしい
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
くび引向ひきむむねいだいて、血走ちばしつたきつかほを。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして血走ちばしつてるんですから。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勿論もちろん血走ちばしつてますから、」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)