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蒔繪
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まきゑ
ふりがな文庫
“
蒔繪
(
まきゑ
)” の例文
新字:
蒔絵
蒔繪
(
まきゑ
)
ではあるが、たゞ
黒地
(
くろぢ
)
に
龜甲形
(
きつかふがた
)
を
金
(
きん
)
で
置
(
お
)
いた
丈
(
だけ
)
の
事
(
こと
)
で、
別
(
べつ
)
に
大
(
たい
)
して
金目
(
かねめ
)
の
物
(
もの
)
とも
思
(
おも
)
へなかつた。
御米
(
およね
)
は
唐棧
(
たうざん
)
の
風呂敷
(
ふろしき
)
を
出
(
だ
)
してそれを
包
(
くる
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
言上に及ぶに光貞卿
深
(
ふか
)
く
悦
(
よろこ
)
び然らば
暫
(
しば
)
らくの内其方へ
預
(
あづ
)
け
置
(
おく
)
べしとて城内二の丸の
堀端
(
ほりばた
)
に
大木
(
たいぼく
)
の松の木あり其下へ
葵紋
(
あふひもん
)
ぢらしの
蒔繪
(
まきゑ
)
の
廣葢
(
ひろぶた
)
に若君を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「いろんな物に、抱き茗荷が附いて居るが、他には、羽二重の紋服と、
蒔繪
(
まきゑ
)
の
手焙
(
てあぶり
)
に向ひ鶴の紋が附いて居ますよ」
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
下
(
した
)
に
又
(
また
)
棚
(
たな
)
ありて
金銀
(
きんぎん
)
珠玉
(
しゆぎよく
)
を
裝
(
も
)
れり。
西
(
にし
)
の
房
(
ばう
)
には
漆器
(
しつき
)
あり。
蒔繪
(
まきゑ
)
新
(
あらた
)
なるものの
如
(
ごと
)
し。さて
其
(
その
)
北
(
きた
)
の
房
(
ばう
)
にこそ、
珠
(
たま
)
以
(
も
)
て
飾
(
かざ
)
りたる
棺
(
ひつぎ
)
ありけれ。
内
(
うち
)
に
一人
(
いちにん
)
の
玉女
(
ぎよくぢよ
)
あり。
生
(
い
)
けるが
如
(
ごと
)
し。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「‥‥‥‥」見ると、そこに
蒔繪
(
まきゑ
)
のゴム櫛がさされてゐる。それを義雄はどこかの男から送つて來たのではないかと疑つたので、「どうしたのだ、隨分立派なのではないか?」
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
わたくしは師岡未亡人に、壽阿彌の妹の子が二人共
蒔繪
(
まきゑ
)
をしたことを聞いた。しかし先づ蒔繪を學んだのは兄鈴木で、師岡は鈴木の
傍
(
かたはら
)
にあつてその
爲
(
な
)
す所に
傚
(
なら
)
つたのださうである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
娘は全身を金六と平次の前へ
晒
(
さら
)
しました。死んだ主人萬兵衞の幼友達、江戸一番と言はれた
蒔繪
(
まきゑ
)
の名人、尾張町の藤吉の娘のお藤といふのはこれでせう。
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眉
(
まゆ
)
白
(
しろ
)
き
船頭
(
せんどう
)
の
漕
(
こ
)
ぐにまかせ、
蒔繪
(
まきゑ
)
の
調度
(
てうど
)
に、
待乳山
(
まつちやま
)
の
影
(
かげ
)
を
籠
(
こ
)
めて、
三日月
(
みかづき
)
を
載
(
の
)
せたる
風情
(
ふぜい
)
、
敷波
(
しきなみ
)
の
花
(
はな
)
の
色
(
いろ
)
、
龍
(
たつ
)
の
都
(
みやこ
)
に
行
(
ゆ
)
く
如
(
ごと
)
し。
人
(
ひと
)
も
酒
(
さけ
)
も
狂
(
くる
)
へる
折
(
をり
)
から、ふと
打
(
う
)
ちすましたる
鼓
(
つゞみ
)
ぞ
冴
(
さ
)
ゆる。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
の
足元
(
あしもと
)
には
黒塗
(
くろぬり
)
の
蒔繪
(
まきゑ
)
の
手文庫
(
てぶんこ
)
が
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
してあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
御紋
(
ごもん
)
唐草
(
からくさ
)
の
蒔繪
(
まきゑ
)
の
柄
(
え
)
晴天
(
せいてん
)
に候へば
青貝柄
(
あをかひえ
)
の打物に候大手迄は御
譜代
(
ふだい
)
在江戸の大名方
出迎
(
でむか
)
へ御
中尺迄
(
ちうしやくまで
)
は尾州紀州水戸の御
三方
(
さんかた
)
の御
出迎
(
でむかひ
)
にて御
玄關
(
げんくわん
)
より御通り遊ばし
御白書院
(
おんしろしよゐん
)
に於て
公方樣
(
くばうさま
)
御
對顏
(
たいがん
)
夫より御
黒書院
(
くろしよゐん
)
に於て
御臺
(
みだい
)
樣御對顏
再
(
ふたゝ
)
び
西湖
(
せいこ
)
の間に於て御三方樣御
盃
(
さかづき
)
事あり夫より西の丸へ入せられ候御事にて御
高
(
たか
)
の儀は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
朱塗の同じ盃、酒は一合近くも入るでせう、底に描いた裏梅の金
蒔繪
(
まきゑ
)
が、黄金色に盛り上つた、酒の表面まで浮いて、いづれが命とりの毒酒とも見當はつきません。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何やら
蒔繪
(
まきゑ
)
の紋があつたやうで、要心深く
巾
(
きれ
)
を卷いて隱してありましたが、何かの
機
(
はず
)
みで見えたのは、抱き
茗荷
(
めうが
)
のやうな、
鱗
(
うろこ
)
のやうな、二つ菊のやうな、——遠目でよくは判りませんが
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
金で
蒔繪
(
まきゑ
)
の入つた、べつ甲の櫛、そいつは
紛
(
まぎ
)
れもなく内儀のお八尾の品ぢやありませんか、——あわてた野郎がそれを拾つて、ウロウロ池の端をあさつてゐる萬七親分に見せたからたまりません。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蒔
漢検準1級
部首:⾋
13画
繪
部首:⽷
19画
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蒔繪師