“敷波”の読み方と例文
読み方割合
しきなみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はやくも大船の胴(どう)ノ間(ま)では、むしろを清めて、尊氏が座をただして御使を待ち、直義とほかの諸将も艫(とも)へかけて身を一様な敷波(しきなみ)にして平伏していた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眉(まゆ)白(しろ)き船頭(せんどう)の漕(こ)ぐにまかせ、蒔繪(まきゑ)の調度(てうど)に、待乳山(まつちやま)の影(かげ)を籠(こ)めて、三日月(みかづき)を載(の)せたる風情(ふぜい)、敷波(しきなみ)の花(はな)の色(いろ)、龍(たつ)の都(みやこ)に行(ゆ)く如(ごと)し。人(ひと)も酒(さけ)も狂(くる)へる折(をり)から、ふと打(う)ちすましたる鼓(つゞみ)ぞ冴(さ)ゆる。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
はじめは、数名の嗚咽(おえつ)だったが、しだいに、廊の左右から階(きざはし)の下にまで、敷波(しきなみ)にヒレ伏していた公卿や舎人(とねり)にいたるまでの、すべての人影の咽(むせ)び声(ごえ)になっていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)