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白魚
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しらうを
白魚の
目のやうな
黒い
点々が
一つ
見えた……
口からは
不躾ながら、
見らるゝ
通り
縛めの
後手なれば、
指さへ
随意には
動かされず……あゝ、
苦しい。
固めたる人數の
篝火なるべし此人數は凡そ千人餘ならんと
又一方を見渡し深川新地の端より品川沖まで
燈火の見るは何舟なりやと問ふ大膳
那こそ
白魚を
〽落ちて
行衛も
白魚の、舟のかゞりに
網よりも、
人目いとうて
後先に………
いや、
勇んだの
候の、
瓜井戸の
※は、べたりだが、
江戸ものはころりと
來るわ、で、
葛西に、
栗橋、
北千住の
鰌鯰を、
白魚の
氣に
成つて、
頤を
撫でた。
清らかなる
樋の
口に
冷たき
其の
土を
洗ふを
見て、
山の
芋は
鰻になる、
此の
牛蒡恁くて
石清水に
身を
灌がば、あはれ
白魚に
化しやせんと、そゞろ
胸に
手を
置きしが。
希くは
針に
傷つくことなかれ。お
孃樣これめせと、
乳母ならむ
走り
來て
捧ぐるを、
曰く、ヱプロン
掛けて
白魚の
料理が
出來ますかと。
魚も
活くべし。
手首の
白さ
更に
可三寸。
手鍋提ぐる
意氣に
激して、
所帶の
稽古に
白魚の
魥造る
也。
然も
目を
刺すがいぢらしとて、ぬきとむるは
尾なるを
見よ。
絲の
色も、こぼれかゝる
袖口も、
繪の
篝火に
似たるかな。
で、
肩を
持たれたまゝ、
右の
跛の
黒どのは、
夫人の
白魚の
細い
指に、ぶらりと
掛つて、
一ツ、ト
前のめりに
泳いだつけ、
臀を
搖つた
珍な
形で、けろりとしたもの、
西瓜をがぶり。