大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
厳正には万男——渇仰の的たるマアセルの私生活をこっそりお見せ申すのが、本計画の第一歩でありまするが、前もって特に御注意申し上げたい一事は
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「青春」のモデルに擬せられた氏は、今や小説の主人公も成し能はざることを成し、満天下の文学青年の渇仰を一身に集めて、空前の栄光を背負つて立つたのだ。
青春物語:02 青春物語 (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
饀パンに対する渇仰もさることながら、僕はいま無性に恋愛をしたくなってきた。誰かその道の大家に手ほどきでも頼みたい気持だ。それも大派手なやつをやりたいのだ。
半七捕物帳:21 蝶合戦 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その熱心な祈祷の中で彼が神に願ったのは、自分の惑いを解いてもらうことではなく、いつも神に対する賛美嘆称の後で、自分の魂を訪れた喜ばしい歓喜の情を渇仰したばかりである。
カラマゾフの兄弟:01 上 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
源氏物語:41 御法 (新字新仮名) / 紫式部(著)
夢は呼び交す:――黙子覚書―― (新字新仮名) / 蒲原有明(著)
偶像的にまで渇仰されようとしているその御本人が、「おれは絵師だ……しかも田舎まわりの絵描きだ」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
世界的なヴァイオリニストに接したことのない、その頃の聴衆は、ただ随喜し渇仰した。その時帝劇の特等は十五円、一等は十二円、二等でさえ八円であった(三等四円、四等二円)。
けがれた物質的幸福をのみ渇仰している、こういう連中のなかにも、せめて一人ぐらい、僕の老審問官のような人があったと想像してもいいじゃないか、彼は荒野で草の根を食いながら
カラマゾフの兄弟:01 上 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
若き母は、無論、夫であるこの青年の、はつらつたる主義思想を讃美渇仰していた。彼女は悪事の助手を勤めることは勿論、夫の命令とあらば、貞操でも売る美しい犠牲的精神を持っていた。
ところが今日まで、今後もそうでしょうが、お雪ちゃんを渇仰するものはあるけれども、ついぞ手出しをしようとした奴が無い、そこにお雪ちゃんの潔白と、純粋から来るつよみがあるのです
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しばしなと、渇仰の情をのべさせて下さい。私の城へ来て
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)