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折檻
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せつかん
ふりがな文庫
“
折檻
(
せつかん
)” の例文
此
(
こ
)
の一
歩
(
ぶ
)
に
身
(
み
)
のかはを
剥
(
は
)
がれたために
可惜
(
をし
)
や、お
春
(
はる
)
と
云
(
い
)
ふ
其
(
そ
)
の
娘
(
むすめ
)
は
繼母
(
まゝはゝ
)
のために
手酷
(
てひど
)
き
折檻
(
せつかん
)
を
受
(
う
)
けて、
身投
(
みな
)
げをしたが、
其
(
それ
)
も
後
(
のち
)
の
事
(
こと
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「二日二晩に及ぶ
折檻
(
せつかん
)
の後、奧樣には、よく/\思ひ
定
(
さだ
)
めたものと相見え、昨夜、——
深更
(
しんかう
)
、見事に生害してお果てなされた」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼等が人々を
折檻
(
せつかん
)
する時に、人々は無上の快楽を感ずるなり、
我眼
(
わがめ
)
曇れるか、彼等の眼
盲
(
し
)
ひたる
乎
(
か
)
、之を断ずる者は誰ぞ。
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
止
(
とゞ
)
められしや又藤三郎は
幼少
(
えうせう
)
なるを
非道
(
ひだう
)
に
折檻
(
せつかん
)
致さるゝこと我子
佐
(
すけ
)
五郎の爲に
行末
(
ゆくすゑ
)
惡
(
あ
)
しかりなんと思ひ
渠等
(
かれら
)
兄弟を殺さすとの
心底
(
しんてい
)
なるや
然樣
(
さやう
)
の惡心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
フラテは泥の上にすりつけられて
折檻
(
せつかん
)
されて居たのであらう。何処からか凱歌のやうに人の笑声が聞えて来る……。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
兄は母さへ止めなければ、この時もきつと二つ三つは
折檻
(
せつかん
)
して居つたでございませう。が、母は枕の上に半ば頭を
擡
(
もた
)
げながら、
喘
(
あへ
)
ぎ喘ぎ兄を叱りました。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
色々
(
いろ/\
)
と
折檻
(
せつかん
)
もして
見
(
み
)
たが
無駄
(
むだ
)
なので
親父
(
おやぢ
)
も
持餘
(
もてあま
)
し、
遂
(
つひ
)
にお
寺樣
(
てらさま
)
と
相談
(
さうだん
)
した
結極
(
あげく
)
が
斯
(
かう
)
いふ
親子
(
おやこ
)
の
問答
(
もんだふ
)
になつた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
何處からともなく吹きまくつて來る一陣の
呵責
(
かしやく
)
の暴風に胴震ひを覺えるのも瞬間、自らの
折檻
(
せつかん
)
につゞくものは
穢惡
(
あいあく
)
な凡情に
走
(
は
)
せ使はれて安時ない無明の長夜だ。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
圭介の掌と楢雄の顔が両方からボトボトと血が落ちるまで、打つて打つて打ち続け、停めようとした寿枝まで突き飛ばされ、圭介の
折檻
(
せつかん
)
はふと狂気じみてゐた。
六白金星
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
パヽだけが
折檻
(
せつかん
)
をやつては、尚更怖がらせるばかりで、仕舞にはどう始末をしていゝか判らなくなる。男の児は七つ八つになれば、もう腕力では母から独立する。
An Incident
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
私は以前あんなに幾度も
折檻
(
せつかん
)
や
懲戒
(
ちようかい
)
の爲めに呼びつけられてよく知つてゐるあの部屋に案内してもらふ必要はなかつた。私はベシーの前に立つて急ぐと、そつと
扉
(
ドア
)
を開けた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
それで私ははっと気づいたのである。十歳にならない子供に、創作家たる父親の癇癪の起こるわけがわかるはずはない。創作家でなくとも父親は、しばしば子供に
折檻
(
せつかん
)
を加える。
漱石の人物
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
美しい娘をさらつてゐる大猿を一人の
侍
(
さむらひ
)
が来て退治したり、松前屋
五郎兵衛
(
ごろべゑ
)
が
折檻
(
せつかん
)
されて血を吐いたり、若い女房がひとりの伴を連れて峠を上つて行くと、そこに
山賊
(
さんぞく
)
が出て来たりした。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
二千八百石取の旗本のすることで、其上有名な御用聞の錢形の平次が付いて居るのですから、そんな不法の
折檻
(
せつかん
)
をとがめ立てる人もありません。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
呼
(
よび
)
に
遣
(
やり
)
けるに六右衞門は何事やらんと打
驚怖
(
おどろき
)
直
(
すぐ
)
に其使ひと
倶
(
とも
)
に來て見れば
豈
(
あに
)
※
(
はか
)
らん久八が主人に
折檻
(
せつかん
)
請
(
うけ
)
る有樣に
暫時
(
しばし
)
惘
(
あき
)
れて言葉もなし五兵衞は
皺枯聲
(
しわかれごゑ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
毎週土曜の晩は各室の室長だけは一室に集合して、新入生を一人々々呼び寄せ、いはれない
折檻
(
せつかん
)
をした。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
此
(
こ
)
の
一歩
(
いちぶ
)
に、
身
(
み
)
のかはを
剥
(
む
)
かれたために、
最惜
(
いとし
)
や、お
秋
(
あき
)
は
繼母
(
まゝはゝ
)
には
手酷
(
てひど
)
き
折檻
(
せつかん
)
を
受
(
う
)
ける、
垣根
(
かきね
)
の
外
(
そと
)
の
樹
(
き
)
の
下
(
した
)
で、
晝中
(
ひるなか
)
に
帶
(
おび
)
を
解
(
と
)
いたわ、と
村中
(
むらぢう
)
の
是沙汰
(
これざた
)
は、
若
(
わか
)
い
女
(
をんな
)
の
堪忍
(
たへしの
)
ばれる
恥
(
はぢ
)
ではない。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
周囲の子供等を引率して学校の授業も何もかまはずに山や沢に出掛けるので、そのやり方が
何処
(
どこ
)
か猛烈なところがあつた。一度教員は
忿怒
(
ふんど
)
して学校の
梁木
(
はりき
)
にその童子をつるして
折檻
(
せつかん
)
したことがある。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
いやがる私を父子二人で責め
折檻
(
せつかん
)
して——この二、三年の間に支度金だけでも五百兩近い金をまうけました
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
惡
(
にく
)
みて種々
折檻
(
せつかん
)
なし
剩
(
あまつ
)
さへ藤三郎の乳母お安と言女をも永の
暇
(
いとま
)
を遣したり其
譯
(
わけ
)
は此乳母先代平助の時より
奉公
(
ほうこう
)
に來り
譜代
(
ふだい
)
同樣の
極
(
きめ
)
にて藤三郎の乳母となせしかば藤三郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
主人が何と仰しやらうと
暗闇
(
くらやみ
)
の耻を明るみへ出し度くはないが、
堤
(
どて
)
の上から楊弓を射た疑ひが騷ぎの直ぐ後で船へ歸つた御女中のお町といふ者に懸つて、昨夜から恐ろしい
折檻
(
せつかん
)
を
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘を
折檻
(
せつかん
)
してゐたらしい半助は、あわてて
素袷
(
すあはせ
)
に膝つ小僧を包みました。
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「殿樣の無體の
折檻
(
せつかん
)
、女は言ふ事を聽かずに死んだ——可哀想に」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
檻
漢検1級
部首:⽊
18画
“折檻”で始まる語句
折檻状
折檻賽