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ふりがな文庫
“
手業
(
てわざ
)” の例文
私より
外
(
ほか
)
世の人が、その名を知っていようとは思われませぬ。ほんに哀れなしがない
手業
(
てわざ
)
にあの盛場から此の盛場あの宴席からこの宴席を
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
紙をすくのは娘や
嫁
(
よめ
)
の
手業
(
てわざ
)
になっているらしく、庭先に働いている人たちはほとんど
皆
(
みな
)
手拭
(
てぬぐ
)
いを
姐
(
ねえ
)
さん
被
(
かぶ
)
りにしていた。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「いやまて、町に居る時こそ、其方の
手業
(
てわざ
)
に任せたが、山に入っては拙者の役目だ。
差出
(
さしで
)
がましいことは相成らぬぞ」
天保の飛行術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
すべておのれ/\が
家業
(
かげふ
)
にあづかるものゝひなかたを掛る、これその
業
(
げふ
)
の福をいのるの
祝事
(
しゆくじ
)
なり。もちばなを作るはおほかたわかきものゝ
手業
(
てわざ
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
かへで 貧の
手業
(
てわざ
)
に姉妹が、年ごろ擣ちなれた紙砧を、兎かくに飽きた、忌になつたと、むかしに變るお前がこの頃の素振は、どうしたことでござるか
喃
(
なう
)
。
修禅寺物語
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
或は
白木
(
しらき
)
の
指物細工
(
さしものざいく
)
に
漆
(
うるし
)
を
塗
(
ぬり
)
てその品位を増す者あり、或は
戸
(
と
)
障子
(
しょうじ
)
等を
作
(
つくっ
)
て本職の
大工
(
だいく
)
と
巧拙
(
こうせつ
)
を争う者あり、しかのみならず、近年に
至
(
いたり
)
ては
手業
(
てわざ
)
の外に商売を兼ね
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
賤
(
しず
)
の
手業
(
てわざ
)
に暇のない、画にあるような山家の娘に見え出した、いや何となくそのように思われたので。
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
大病人があるとこの日を期して
七人待
(
しちにんまち
)
八人待
(
はちにんまち
)
をした。また多くの仲間で一しょに夜明かしをしてもらうと、願いごとがかなうとも、
手業
(
てわざ
)
が上手になるともいう者がある。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
草履
穿
(
ばき
)
で
駈
(
かけ
)
ずり歩かねばならないのみならず、煮るも、炊くも、水を
汲
(
く
)
むのも、雑巾がけも、かよわい人の一人
手業
(
てわざ
)
で、朝は暗い内に起きねばならず、夜になるまで、足を
曳摺
(
ひきず
)
って
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
や
察
(
さつ
)
しけん
孝心
(
かうしん
)
怠
(
おこた
)
り
無
(
なく
)
夏秋
(
なつあき
)
は
枝豆
(
えだまめ
)
を
賣歩行
(
うりある
)
き或ひは母が
手業
(
てわざ
)
の
助
(
たす
)
けと成又は使ひに
雇
(
やと
)
はれて其
賃錢
(
ちんせん
)
を
貰
(
もら
)
ひ
請
(
うけ
)
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なの
孝行
(
かうかう
)
は見る人聞人感じける然るに
有日
(
あるひ
)
道之助は
例日
(
いつも
)
の通り
枝豆
(
えだまめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それらは
手業
(
てわざ
)
掛り、
牡蠣灰
(
かきばい
)
掛り、畑掛り、油絞り掛り、
舂場
(
つきば
)
掛り、見張番所掛り、そのほか寄場
差配
(
さはい
)
、医者、教師などもいるそうだが、これらはのちにひきあわせるということであった。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
霜月の
酉
(
とり
)
には論なく門前の
明地
(
あきち
)
に
簪
(
かんざし
)
の店を開き、御新造に手拭ひかぶらせて縁喜の
宜
(
い
)
いのをと呼ばせる趣向、はじめは耻かしき事に思ひけれど、軒ならび素人の
手業
(
てわざ
)
にて
莫大
(
ばくだい
)
の
儲
(
もう
)
けと聞くに
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
体の頑固な割りに、こうした女らしい優しい心をもっていたことが、荒く育ったお庄にもうらやましかった。叔母の側にくっついていて、もう少し何かの
手業
(
てわざ
)
を教わっておくのだったとも考えた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
すべておのれ/\が
家業
(
かげふ
)
にあづかるものゝひなかたを掛る、これその
業
(
げふ
)
の福をいのるの
祝事
(
しゆくじ
)
なり。もちばなを作るはおほかたわかきものゝ
手業
(
てわざ
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
かえで 貧の
手業
(
てわざ
)
に
姉妹
(
きょうだい
)
が、年ごろ擣ちなれた紙砧を、とかくに飽きた、いやになったと、むかしに変るお前がこのごろの素振りは、どうしたことでござるかのう。
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
人事の実際に施して実益を取るの
工風
(
くふう
)
、
日
(
ひび
)
に新たにして、およそ工場または農作等に用うる機関の
類
(
たぐい
)
はむろん、日常の
手業
(
てわざ
)
と名づくべき灌水・割烹・煎茶・点燈の細事にいたるまでも
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
諸国の入海の岸に住む民が、玉藻を苅るという昔からの
手業
(
てわざ
)
は、これを何の用途にあてたのかを考えて見た者もないらしいが、それはおそらく田に入れて土を新たにするためであった。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
霜月
(
しもつき
)
の
酉
(
とり
)
には
論
(
ろん
)
なく
門前
(
もんぜん
)
の
明地
(
あきち
)
に
簪
(
かんざし
)
の
店
(
みせ
)
を
開
(
ひら
)
き、
御新造
(
ごしんぞ
)
に
手拭
(
てぬぐ
)
ひかぶらせて
縁喜
(
ゑんぎ
)
の
宜
(
い
)
いのをと
呼
(
よ
)
ばせる
趣向
(
しゆこう
)
、はじめは
恥
(
はづ
)
かしき
事
(
こと
)
に
思
(
おも
)
ひけれど、
軒
(
のき
)
ならび
素人
(
しろうと
)
の
手業
(
てわざ
)
にて
莫大
(
ばくだい
)
の
儲
(
もう
)
けと
聞
(
き
)
くに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
呉羽 今更いうも愚痴なれど、ありし雲井のむかしには、夢にも知らなんだ
賤
(
しず
)
の
手業
(
てわざ
)
に、命をつなぐ今の身の上。浅ましいとも悲しいとも、云おうようはござらぬのう。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
又
紺
(
こん
)
の
弁慶縞
(
べんけいじま
)
は
高柳郷
(
たかやなぎごう
)
にかぎれり。右いづれも
魚沼
(
うをぬま
)
一
郡
(
ぐん
)
の村々也。此
余
(
よ
)
ちゞみを
出
(
いだ
)
す所二三ヶ村あれど、
専
(
もつは
)
らにせざればしばらく
舎
(
おき
)
てしるさず。縮は右村里の
婦女
(
ふぢよ
)
らが雪中に
籠
(
こも
)
り
居
(
を
)
る
間
(
あひだ
)
の
手業
(
てわざ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭