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所為
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ふりがな文庫
“
所為
(
しわざ
)” の例文
旧字:
所爲
かゝる
光景
(
ありさま
)
は雪にまれなる
暖
(
だん
)
国の
風雅人
(
ふうがじん
)
に見せたくぞおもはるゝ。
凡
(
およそ
)
ちゞみを
晒
(
さらす
)
には
種々
(
しゆ/″\
)
の
所為
(
しわざ
)
あれども、こゝには其
大略
(
たいりやく
)
をしるすのみ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
末梢を論じ、枝葉をあげつらい、章句に
拘泥
(
こうでい
)
して日を暮すは、世の腐れ儒者の
所為
(
しわざ
)
。何で国を興し、民を安んずる大策を知ろう。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……(
焼撃
(
やきうち
)
をしたのも
九十九折
(
つづらおり
)
の猿が
所為
(
しわざ
)
よ、道理こそ、柿の樹と栗の樹は焼かずに背戸へ残したわ。)……などと申す。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
◎無惨の死骸 昨朝六時頃築地三丁目の川中にて発見したる年の頃三十四五歳と見受けらるゝ男の死骸は何者の
所為
(
しわざ
)
にや総身に
数多
(
あまた
)
の創傷、数多の
擦剥
(
すりむき
)
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
それには
何
(
いず
)
れも持て余してどうしたらよかろうと協議の末、井神何某と云う侍が、コリャ狐狸の
所為
(
しわざ
)
に相違ないから、
恐嚇
(
おどし
)
に空鉄砲を撃って見るがいいと
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
心の駒が狂ふての、
所為
(
しわざ
)
と御覧なされたか。下司の悲しさ、吉蔵が、これまで尽くした、御奉公。お気に済まぬと仰しやれば、どうも詮方はござりませぬ。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「さればさ、城下の者が板女の噂をしておるにつけ込んで、人を
弄
(
もてあそ
)
ぼうとする
白痴
(
しれもの
)
の
所為
(
しわざ
)
かも知れませんぞ」
女賊記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
年中季節を問わず土曜の午後活溌な運動を好む輩の
所為
(
しわざ
)
だが余り動きが
酷
(
ひど
)
くてこれに堪えぬ者が多いという(ハツリット『
信念および民俗
(
フェース・エンド・フォークロール
)
』一九〇五年版巻一、頁三〇五)
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
小「誠に何うも思い掛けないことで、これは実父が突落される
臨終
(
いまわ
)
の一念で放さずに居たものと見える、あゝ天命は
遁
(
のが
)
れ難いもので、これは分りました……ウーム
彼奴
(
あいつ
)
の
所為
(
しわざ
)
であろう」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
山川村庄
(
さんせんそんしやう
)
はさらなり、
凡
(
およそ
)
物の名の
訓
(
よみ
)
かた
清濁
(
すみにごる
)
によりて越後の
里言
(
りげん
)
にたがひたるもあるべし。
然
(
しかれ
)
ども里言は多く
俗訛
(
ぞくなまり
)
なり、
今
(
いま
)
姑
(
しばらく
)
俗に
从
(
したがふ
)
もあり。本編には
音訓
(
おんくん
)
の
仮名
(
かな
)
を
下
(
くだ
)
さず、かなづけは
余
(
よ
)
が
所為
(
しわざ
)
なり。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
こは当楼の後ろの大薮に
数年
(
すねん
)
住
(
すん
)
でいる狸の
所為
(
しわざ
)
にて、毎度この
術
(
て
)
で
高味
(
うまい
)
ものをしてやらるると聞き、始めて
化
(
ばか
)
されたと気が
付
(
つい
)
て、
果
(
はて
)
は大笑いをしたが、
化物
(
ばけもの
)
と直接応対したのは、自分
斗
(
ばか
)
りであろうと
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
所為
(
しわざ
)
は
賤
(
いやし
)
けれども
芸術
(
げいじゆつ
)
の
極意
(
ごくい
)
もこゝにあるべくぞおもはるゝゆゑに、こゝにしるして
初学
(
しよがく
)
の人
芸
(
げい
)
に
進
(
すゝむ
)
の
一端
(
はし
)
を
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
切
(
せめ
)
て
盗坊
(
どろぼう
)
の
所為
(
しわざ
)
にでも見せ掛け何か品物を盗んで置くとか此室を
取散
(
とりちら
)
して置くとか
夫
(
それ
)
くらいの事は
仕
(
し
)
そうな
者
(
もの
)
だ
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
兎にかく江戸時代には池袋の奉公人を嫌うとは不思議で、何か一家に怪しい事があれば、先ず
狐
(
きつね
)
狸
(
たぬき
)
の
所為
(
しわざ
)
といい、次には池袋と云うのが紋切形の文句であった。
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
赤羽
停車場
(
ステエション
)
の婆さんの挙動と金貨を頂かせた奥方の
所為
(
しわざ
)
とは
不言不語
(
いわずかたらず
)
の内に線を引いてそれがお米の身に結ばれるというような事でもあるだろうと、聞きながら推したに
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『経律異相』四五には牧牛児あり常に沙門の経
誦
(
よ
)
むを歓び聞く、山に入りて虎に食われ長者の家に生まる、懐姙中その母能く経を誦む、父この子の
所為
(
しわざ
)
と知らず
鬼病
(
もののけ
)
と
為
(
おも
)
う
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
近世、江戸牛天神の社のほとりに貧乏神の
禿倉
(
ほこら
)
有けり。こは
何某
(
なにのそれがし
)
とかいいし御家人の、窮してせんかたなきままに、祭れるなりといい伝う。さるを何ものの
所為
(
しわざ
)
にやありけん。その神体を
貧乏神物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
新「狸の
所為
(
しわざ
)
か」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
所為
(
しわざ
)
は
賤
(
いやし
)
けれども
芸術
(
げいじゆつ
)
の
極意
(
ごくい
)
もこゝにあるべくぞおもはるゝゆゑに、こゝにしるして
初学
(
しよがく
)
の人
芸
(
げい
)
に
進
(
すゝむ
)
の
一端
(
はし
)
を
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
扨はいよいよ怪物の
所為
(
しわざ
)
だと、
猶
(
なお
)
能
(
よ
)
くよく
四辺
(
あたり
)
を見ると、其の辺は一面の枯草に埋っていて、三間ばかり先は切ッ
立
(
たて
)
の崖になっているので、三人は思わず
悸然
(
ぎょっ
)
として
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
東京
(
トンキン
)
人は月蝕を竜の
所為
(
しわざ
)
とす(一八一九年リヨン版『
布教書簡集
(
レットル・エジフィアント
)
』九巻一三〇頁)。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
雪ふかき所は雪中には山に入りて
樵
(
きこり
)
する事あたはざるゆゑの
所為
(
しわざ
)
にて、我国雪の
為
(
ため
)
に
苦心
(
くしん
)
するの一ツ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何が
扨
(
さて
)
、その当時の事であるから、一同ただ驚き怪しんで
只管
(
いたずら
)
に妖怪変化の
所為
(
しわざ
)
と恐れ、お部屋様も遂にこの
邸
(
やしき
)
に
居堪
(
いたたま
)
れず、浅草並木辺の実家へ
一先
(
ひとまず
)
お引移りという始末。
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
支那やインドで竜王を拝して雨を乞うたは
主
(
おも
)
にこれに因ったので、それより
衍
(
ひ
)
いて諸般の天象を竜の
所為
(
しわざ
)
としたのは、例せば『武江年表』に、元文二年四月二十五日
外山
(
とやま
)
の辺より竜出て
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
かくて其冬雪中にいたり、山の
鼬
(
いたち
)
狐など
餌
(
ゑ
)
に
乏
(
とぼし
)
く人家にきたりて食をぬすむ事雪中の常なれば、此ものゝ
所為
(
しわざ
)
にや、
籠
(
かご
)
はやぶれて
白烏
(
しろからす
)
は
羽
(
はね
)
ばかり
椽
(
ゑん
)
の下にありしときゝし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
私共の仲間では此れを一口に『
怪物
(
えてもの
)
』と云いまして、猿の
所為
(
しわざ
)
とも云い、
木霊
(
こだま
)
とも云い、魔とも云い、その正体は何だか解りませんが、兎にかく怪しい魔物が住んでいるに相違ありません。
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“所為”の意味
《名詞》
(しょい)
(せい ;現在では通常仮名書きされる)
(出典:Wiktionary)
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
“所為”で始まる語句
所為無