戦死せんし)” の例文
だが、徳蔵とくぞうさんの熱心ねっしんは、その一言ひとことひるがえされるものではありません。戦死せんししたともとのちかいをげたので、ついに部隊長ぶたいちょうゆるしたのでした。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
うちのむすこだって、りっぱに戦死せんししたんだぞ。馬といっしょに死んでいたって、それがどうしたというんだ。馬にのってりゃ、それだけらくなわけだ。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そのうちに、隊長たいちょうまでも戦死せんししてしまいました。ですから、のこったものたちはあわててにげだしました。そのとき、若者がすすみでて、みんなに勇気ゆうきをつけて、大声によばわりました。
戦死せんし将校のなかに名が出ているわ。——いい気味!」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
公園の赤土あかつちのいろ奇兵隊きへいたい戦死せんしはか延命寺の春は海潮音かいてうおん
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
達吉たつきちは、父親ちちおや戦死せんししてから、戦争せんそうにいった兵隊へいたいさんにたいして、なんとなくいいしれぬしたしみをもつようになったのでした。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ペテロのおかげで、わが国は勝ちました。ペテロは戦死せんししました。馬といっしょに、戦死しました。ペテロは、なんという、えらいわかものでしょう。ペテロの銅像どうぞうをつくるために、お金を
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そののことです。たつ一は、おともだちと、キャッチボールをやっていて、ふと戦死せんしした徳蔵とくぞうさんのことをおもすと、きゅう目頭めがしらあつくなりました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
この居酒屋いざかやのむすこから、「戦争せんそうにいった村のわかものは、みんな戦死せんししてしまった。ペテロも戦死してしまった」と聞いたとき、村の人たちは、かなしい芝居しばいを見たあとのように、首をふって
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
その翌年よくねんなつには、公報こうほうこそはいらなかったけれど、あに戦死せんしは、ほぼ確実かくじつなものとなりました。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)
徳蔵とくぞうさんが、戦死せんしされたというらせがとどいたのは、ほたるのはじめるなつのころでした。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのかいもなく、戦死せんし報知ほうちがあったときには、わたしは、まったく転倒てんとうしてしまった。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、その父親ちちおやが、中支ちゅうし戦線せんせんで、激戦げきせんさい戦死せんしげたというらせがとどいたので、さすがに、いえのものはじめ、むら人々ひとびとは、まったくゆめのようながしたのであります。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それで、ふと戦死せんしということがあたまかんだのだ。ぼくが、今日きょうにも戦死せんししたら、あとにのこった老母ろうぼに、ただ一言ひとことぼくが、勇敢ゆうかんたたかってんだといって、げてもらいたかったのだ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
岡田上等兵おかだじょうとうへいは、月光げっこうしたって、戦死せんししたともかって、合掌がっしょうしました。かれは、あしもとにしげっている草花くさばな手当てあたりしだいに手折たおっては、武装ぶそうした戦友せんゆうからだうえにかけていました。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
達吉たつきちは、ぴかり、ゴロゴロ、ド、ドンという電光でんこう雷鳴らいめいのものすごい光景こうけいに、ちち戦死せんししたときのことを想像そうぞうして、ついおもったことをくちして、きいたのであります。すると、准尉じゅんい
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
このまえ事変じへんに、父親ちちおや戦死せんしして、あとは、はは二人ふたりらしていました。
母の心 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なに、おまえが戦死せんしして、このおれがきていたらというのか。」
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あのころのむすめは、すべておよめにいき、母親ははおやとなって、まれた子供こどもも、おおきくなったであろう。それだけでなく、あのころのおとこは、兵隊へいたいにいき、なかには、すでに戦死せんししたものもあるであろう。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おじさん、ぼくのあに戦死せんししたんです。」といいました。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)