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しづか
ふりがな文庫
“
徐
(
しづか
)” の例文
アンドレイ、エヒミチは
此
(
こ
)
の
切
(
せつ
)
なる
同情
(
どうじやう
)
の
言
(
ことば
)
と、
其上
(
そのうへ
)
涙
(
なみだ
)
をさへ
頬
(
ほゝ
)
に
滴
(
た
)
らしてゐる
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
の
顏
(
かほ
)
とを
見
(
み
)
て、
酷
(
ひど
)
く
感動
(
かんどう
)
して
徐
(
しづか
)
に
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
いた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
緑の枝を手折りて、車の上に揷し、農夫はその下に眠りたるに、馬は車の片側に
弔
(
つ
)
り下げたる一束の
秣
(
まぐさ
)
を食ひつゝ、ひとり
徐
(
しづか
)
に歩みゆけり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
直道は
屹
(
き
)
と振仰ぐとともに両手を胸に組合せて、
居長高
(
ゐたけだか
)
になりけるが、父の
面
(
おもて
)
を見し目を伏せて、さて
徐
(
しづか
)
に口を開きぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
おくみはやがてそれを銀色の盆へ載せて
徐
(
しづか
)
に持つて上つた。平つたい壜にはお酒は余り沢山も残つてゐなかつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
廿年
勤
(
つとめ
)
られ只今以て三人
扶持
(
ふち
)
づつ參る故
徐
(
しづか
)
に
消光
(
くらす
)
のが望みなりとて馬喰町馬場に隱居して居給ふと
委細
(
ゐさい
)
咄
(
はな
)
しけるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
汝この事をもて常に足の鉛とし、汝の見ざる
然
(
しか
)
と
否
(
いな
)
とにむかひては疲れし人の如く
徐
(
しづか
)
に進め 一一二—一一四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
汝ここを去らずして
一三二
徐
(
しづか
)
に此の句の
意
(
こころ
)
をもとむべし。意解けぬる
則
(
とき
)
は、おのづから
一三三
本来の仏心に会ふなるはと、
一三四
念頃
(
ねんごろ
)
に教へて山を下り給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
茶山は
女姪
(
ぢよてつ
)
井上氏を以て霞亭に
妻
(
めあは
)
せ、
徐
(
しづか
)
に
菅三万年
(
くわんさんまんねん
)
の長ずるを待たうとした。即ち「中継」である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
二人は遠眼にそれを見ていよ/\
焦躁
(
あせ
)
り渡らうとするを、長者は
徐
(
しづか
)
に制しながら、
洪水
(
おほみづ
)
の時にても根こぎになつたるらしき棕櫚の樹の一尋余りなを架渡して橋として与つたに
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
此方
(
こなた
)
を
指
(
さ
)
して近づく人の
跫音
(
あしおと
)
に、横笛手早く文を
藏
(
をさ
)
め、涙を拭ふ
隙
(
ひま
)
もなく、忍びやかに、『横笛樣、まだ
御寢
(
ぎよしん
)
ならずや』と言ひつゝ
部屋
(
へや
)
の障子
徐
(
しづか
)
に開きて入り來りしは、
冷泉
(
れいぜい
)
と呼ぶ老女なりけり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
ドユパンはこの詞の後の半分を小声でゆつくり言つて、
徐
(
しづか
)
に立つて戸口に往つて
鑰
(
ぢやう
)
を卸して、鍵を隠しに入れた。それから内隠しに手を入れて拳銃を出して、落ち着き払つてそれを卓の上に置いた。
病院横町の殺人犯
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
われは二あし三あし進み入りぬ。されど
谺響
(
こだま
)
にひゞく
足音
(
あのと
)
おそろしければ、
徐
(
しづか
)
に歩を運びたり。先の方には焚火する人あり。三人の形明に見ゆ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼
(
かれ
)
の
書見
(
しよけん
)
は、イワン、デミトリチのやうに
神經的
(
しんけいてき
)
に、
迅速
(
じんそく
)
に
讀
(
よ
)
むのではなく、
徐
(
しづか
)
に
眼
(
め
)
を
通
(
とほ
)
して、
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
つた
所
(
ところ
)
、
了解
(
れうかい
)
し
得
(
え
)
ぬ
所
(
ところ
)
は、
留
(
とゞま
)
り/\しながら
讀
(
よ
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
やがて
帰来
(
かへりき
)
にける貫一は二人の在らざるを怪みて
主
(
あるじ
)
に
訊
(
たづ
)
ねぬ。彼は
徐
(
しづか
)
に長き髯を
撫
(
な
)
でて片笑みつつ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一日
(
あるひ
)
侯は急に榛軒を召した。榛軒は
涎衣
(
ぜんい
)
を脱することを忘れて侯の前に進み出た。
上下
(
しやうか
)
皆笑つた。榛軒
纔
(
わづか
)
に悟つて
徐
(
しづか
)
に涎衣を解いて懐にし、
恬
(
てん
)
たる面目があつた。是が二つである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
おくみは
徐
(
しづか
)
に玄関を開けて自分の下駄を履いて、表の門を開けに行つた。その辺もすつかり掃いて敷石に水まで打つてある。郵便受けに手を入れて見たがまだ新聞も来てゐなかつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
言葉そゞろに勧むれば十兵衞つひに絶体絶命、下げたる頭を
徐
(
しづか
)
に上げ
円
(
つぶら
)
の眼を剥き出して、一ツの仕事を二人でするは、よしや十兵衞心になつても副になつても、厭なりや何しても出来ませぬ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ピアツツア、コロンナに伶人の群あり。非常を戒めんと、
徐
(
しづか
)
にねりゆく兵隊の間をさへ、
學士
(
ドツトレ
)
、牧婦などにいでたちたるもの踊りくるひて通れり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼は長き
髯
(
ひげ
)
を
忙
(
せはし
)
く
揉
(
も
)
みては、又
頤
(
おとがひ
)
の
辺
(
あたり
)
より
徐
(
しづか
)
に
撫下
(
なでおろ
)
して、
先
(
まづ
)
打出
(
うちいだ
)
さん
語
(
ことば
)
を案じたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
徐
(
しづか
)
に女の手を払ひて、御仏の御前に
乱
(
らう
)
がはしや、これは世を捨てたる痩法師なり、捉へて何をか歎き玉ふ、心を安らかにして語り玉へ、昔は昔、今は今、繰言な露宣ひそ、何事も御仏を頼み玉へ
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
三
時
(
じ
)
になると
彼
(
かれ
)
は
徐
(
しづか
)
に
厨房
(
くりや
)
の
戸
(
と
)
に
近
(
ちか
)
づいて
咳拂
(
せきばら
)
ひをして
云
(
い
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
柏軒は「何故」と云つて其男を顧みて、又
徐
(
しづか
)
に歩を移した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
おくみは上へ上つて
徐
(
しづか
)
に寝床を畳んで置いた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
徐
常用漢字
中学
部首:⼻
10画
“徐”を含む語句
徐々
徐徐
徐行
緩徐調
徐六岳
徐家滙
徐晃
徐州
徐盛
徐福
徐庶
緩徐
徐鉉
徐氏
徐葆光
徐元直
徐大盡
徐城
徐四
徐商
...