大門おほもん)” の例文
可厭いや大袈裟おほげさあらはしたぢやねえか==陰陽界いんやうかい==なんのつて。これぢや遊廓くるわ大門おほもんに==色慾界しきよくかい==とかゝざあなるめえ。」
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見返柳みかへりやなぎの立つてゐた大門おほもん外の堤に佇立んで、東のかたを見渡すと、地方今戸町ぢかたいまどまちの低い人家の屋根を越して、田圃のかなたに小塚ツ原の女郎屋の裏手が見え
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
入るのみ其樣彼の軍鷄籠とうまるかごを伏たる如くなり古昔むかしくるわとな大門おほもん御免の場所には之ありしとなり然ば白妙しろたへは大いになげきしが或日饅頭まんぢう二ツを紙に包み禿かむろ躑躅つゝじそつまねき是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まわれば大門おほもん見返みかへやなぎいとながけれど、おぐろどぶ燈火ともしびうつる三がいさわぎもごとく、けくれなしのくるま行來ゆきゝにはかりられぬ全盛ぜんせいをうらなひて、大音寺前だいおんじまへほとけくさけれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うまのやうに乘上のりあがつたくるまうへまへに、角柱かくばしら大門おほもんに、銅板どうばんがくつて、若葉町わかばちやうあさひくるわてかゝげた、寂然しんとした、あかるい場所しまたからである。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
廻れば大門おほもんの見返り柳いと長けれど、お歯ぐろどぶ燈火ともしびうつる三階の騒ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行来ゆききにはかり知られぬ全盛をうらなひて、大音寺前だいおんじまへと名は仏くさけれど
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
尋ねさがせしに行方ゆくへ知れざれば此は必定ひつぢやう桶伏をけふせにしたる石川安五郎が爲業しわざに相違有まじと人々言居ける所に大門おほもん番の重五郎が阿部あべ川の河原かはらにて何者にか切殺され死骸しがいは河原に有之との事なれば此はかれは番人の事ゆゑ白妙しろたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
内證ないしようでそのみち達者たつしやにたゞすと、いはく、なべ一杯いつぱいやるくらゐの餘裕よゆうがあれば、土手どて大門おほもんとやらへ引返ひきかへす。第一だいいちかへりはしない、とつた。格言かくげんださうである。みなわかかつた。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おそらく妙齡としごろむすめ横腹よこばらかゝへながらあるいたのも多度たんとはあるまいし、また帳場ちやうばつてあるいた女房かみさん澤山たんとはあるまい。うしても光景くわうけいが、吉原よしはら大門おほもんなか仕事しごとなんです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いざとこゑおうじて、大門おほもんさつ左右さいうひらく。で畫師ゑし案内あんない
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)