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可哀
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あはれ
ふりがな文庫
“
可哀
(
あはれ
)” の例文
此
(
こ
)
の
可哀
(
あはれ
)
な
車夫
(
しやふ
)
に
向
(
むか
)
つて、
大川
(
おほかは
)
の
流
(
ながれ
)
の
音
(
おと
)
の
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
むやうに、
姿
(
すがた
)
を
引締
(
ひきし
)
めて
彳
(
たゝず
)
んだ
袖崎
(
そでさき
)
の
帽子
(
ばうし
)
には、
殊更
(
ことさら
)
に
月
(
つき
)
が
宿
(
やど
)
るが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えた。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かくして得送らぬ文は写せしも灰となり、
反古
(
ほご
)
となりて、彼の帯揚に
籠
(
こ
)
められては、いつまで草の
可哀
(
あはれ
)
や用らるる果も知らず、宮が手習は
実
(
げ
)
に
久
(
ひさし
)
うなりぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
嗚呼我が子はと思ひ出でゝ、木の片、竹の端くれと成り極めたる尼の身の我が身の上は露思はねど、かゝる父を持ち母を持ちたる吾が子の果報の拙さを
可哀
(
あはれ
)
と思はぬことも無し
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして
摘草
(
つみくさ
)
ほど
子供
(
こども
)
にとられたと
言
(
い
)
ふのを、
何
(
なん
)
だか
壇
(
だん
)
の
浦
(
うら
)
のつまり/\で、
平家
(
へいけ
)
の
公達
(
きんだち
)
が
組伏
(
くみふ
)
せられ
刺殺
(
さしころ
)
されるのを
聞
(
き
)
くやうで
可哀
(
あはれ
)
であつた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼はその酒を取りて、
吉
(
よ
)
き事積りし後の凶の凶なる今夜の
末期
(
まつご
)
に
酬
(
むく
)
ゆるの、
可哀
(
あはれ
)
に余り、
可悲
(
かなし
)
きに
過
(
すぐ
)
るを観じては、口にこそ言はざりけれど、玉成す涙は
点々
(
ほろほろ
)
と散りて
零
(
こぼ
)
れぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
見
(
み
)
よ/\、
同
(
おな
)
じ
幻
(
まぼろし
)
ながら、
此
(
こ
)
の
影
(
かげ
)
は
出家
(
しゆつけ
)
の
口
(
くち
)
より
伝
(
つた
)
へられたやうな、
倒
(
さかさま
)
に
梁
(
うつばり
)
に
釣
(
つる
)
される、
繊弱
(
かよは
)
い
可哀
(
あはれ
)
なものでは
無
(
な
)
い。
真直
(
まつすぐ
)
に、
正
(
たゞ
)
しく、
美
(
うるは
)
しく
立
(
た
)
つ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さ候へば
私事
(
わたくしこと
)
如何
(
いか
)
に自ら作りし罪の
報
(
むくい
)
とは申ながら、かくまで散々の
責苦
(
せめく
)
を受け、かくまで十分に
懺悔致
(
ざんげいた
)
し、此上は唯死ぬるばかりの身の
可哀
(
あはれ
)
を、つゆほども御前様には通じ候はで
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
しか
)
りとは
雖
(
いへど
)
も、
雁金
(
かりがね
)
の
可懷
(
なつかしき
)
を
射
(
い
)
ず、
牡鹿
(
さをしか
)
の
可哀
(
あはれ
)
を
刺
(
さ
)
さず。
兜
(
かぶと
)
は
愛憐
(
あいれん
)
を
籠
(
こ
)
め、
鎧
(
よろひ
)
は
情懷
(
じやうくわい
)
を
抱
(
いだ
)
く。
明星
(
みやうじやう
)
と、
太白星
(
ゆふつゞ
)
と、すなはち
其
(
そ
)
の
意氣
(
いき
)
を
照
(
て
)
らす
時
(
とき
)
、
何事
(
なにごと
)
ぞ、
徒
(
いたづら
)
に
銃聲
(
じうせい
)
あり。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なん
)
ですかね、
島流
(
しまなが
)
しにでも
逢
(
あ
)
つて、
心
(
こゝろ
)
の
遣場
(
やりば
)
のなさに、
砂利
(
じやり
)
を
掴
(
つか
)
んで
海
(
うみ
)
へ
投込
(
なげこ
)
んででも
居
(
ゐ
)
るやうな、
心細
(
こゝろぼそ
)
い、
可哀
(
あはれ
)
な
風
(
ふう
)
に
見
(
み
)
えて、
其
(
それ
)
が
病院
(
びやうゐん
)
の
土塀
(
どべい
)
を
狙
(
ねら
)
つてるんですから、あゝ、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だ。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まだ
可哀
(
あはれ
)
なのはね、
一所
(
いつしよ
)
に
連𢌞
(
つれま
)
はられた
黒女
(
くろめ
)
なのよ。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
洒落
(
しや
)
れた
湯
(
ゆ
)
どうふにも
可哀
(
あはれ
)
なのがある。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
哀
常用漢字
中学
部首:⼝
9画
“可哀”で始まる語句
可哀想
可哀相
可哀気
可哀氣