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卓
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つくえ
ふりがな文庫
“
卓
(
つくえ
)” の例文
両足を
卓
(
つくえ
)
の上に投げ出して、わざとだらしない風を装って見たりしたが、そんなことでは、彼の気持はどうにもならなかった。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「そうさ。きっと非常に愉快な旅行になるよ。」学士はこういいながら、
卓
(
つくえ
)
の上の堅パンを一切れ取った。「
頂戴
(
ちょうだい
)
しても好いのだろうね。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
しばらく立ち止まって見ているうちに、石の壁に沿うて造りつけてある
卓
(
つくえ
)
の上で大勢の僧が飯や菜や汁を
鍋釜
(
なべかま
)
から移しているのが見えて来た。
寒山拾得
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そこにはがいとうと、つえと、かさと、くつの上にはうわおいぐつが
一足
(
いっそく
)
置いてありました。みるとふたりの婦人が
卓
(
つくえ
)
のまえにすわっていました。
幸福のうわおいぐつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
大きな
卓
(
つくえ
)
を真中にして、お新も
瀟洒
(
さっぱり
)
とした浴衣のまま
寛
(
くつろ
)
いだ。山本が勧める巻煙草を、彼女は人差指と中指の間に
挿
(
はさ
)
んで、旅に来たらしく吸った。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
許宣はそこに立って室の
容
(
ようす
)
を見た。中央の
卓
(
つくえ
)
の上に置いた
虎鬚菖蒲
(
はししょうぶ
)
の鉢が、
先
(
ま
)
ず女の室らしい感じを与えた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
するとそこには
蜘蛛
(
くも
)
の巣だらけな暗闇を天国として、一人の大男が、お供え物の
卓
(
つくえ
)
の上に、まっ裸な体を載せ、丸めた着物を枕に、高いびきで熟睡していた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこだ! と先生は飛上って
卓
(
つくえ
)
を打った。堪えかねるほど
待兼
(
まちか
)
ねた答を、予期しないアンポンタンから得たので、先生の褒めかたは気狂いじみてたほどだった。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
渠
(
かれ
)
は
清国
(
しんこく
)
の富豪
柳氏
(
りゅうし
)
の家なる、奥まりたる一室に
夥多
(
あまた
)
の
人数
(
にんず
)
に取囲まれつつ、
椅子
(
いす
)
に懸りて
卓
(
つくえ
)
に向へり。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
帰って書斎にはいると、両手をこすり、背広やシャツが窮屈かのように肩や頸をひくつかせながら、隅から隅へ一往復したが、やがて蝋燭をとぼして
卓
(
つくえ
)
に向った。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それに部屋とは云うものの、中にはただ、穴だらけの、大きな
卓
(
つくえ
)
が二つ三つ置いてあるきりだった。
燃ゆる頬
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
ちょうど
半月
(
はんつき
)
ばかりたった時、その日も甚兵衛は
尋
(
たず
)
ねあぐんで、ぼんやり家に
帰
(
かえ
)
りかけますと、ある
河岸
(
かし
)
の
木影
(
こかげ
)
に、
白髯
(
しろひげ
)
の
占
(
うらな
)
い
者
(
しゃ
)
が
卓
(
つくえ
)
を
据
(
す
)
えて、にこにこ
笑
(
わら
)
っていました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「お
風呂
(
ふろ
)
がわいております。」と女中の
挨拶
(
あいさつ
)
に、間もなくこの土地では姉さん株らしい三十近い
年増
(
としま
)
と、
二十
(
はたち
)
前後の芸者が現われ、女中の運び上げる料理の皿を
卓
(
つくえ
)
の上に並べる。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
犬狗
(
いぬえのこ
)
のように
草叢
(
くさむら
)
に
打棄
(
うちす
)
ててありましたのを、ようやく御生前に懇意になされた禅僧のゆくりなくも通りすがった者がありまして、泣く泣くおん
亡骸
(
なきがら
)
を取収め、陣屋の傍に
卓
(
つくえ
)
を立て
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
約あれば待ちて居し
晩餐
(
ばんさん
)
の
卓
(
つくえ
)
に、浪子は
良人
(
おっと
)
と
対
(
むか
)
いしが、
二人
(
ふたり
)
ともに食すすまず。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
挙人老爺は
贓品
(
ぞうひん
)
の追徴が何よりも肝腎だと言った、少尉殿はまず第一に見せしめをすべしと言った。少尉殿は近頃一向挙人老爺を眼中に置かなかった。
卓
(
つくえ
)
を叩き腰掛を打って彼は説いた。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
もうお前さんと同じ
卓
(
つくえ
)
に坐っているのも厭だわ。
一人舞台
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
皿小鉢を
卓
(
つくえ
)
の下に落すまで、お
飲
(
のみ
)
になる。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
卓
(
つくえ
)
の上へ、食器を並べていた女は、急いで男の
傍
(
そば
)
へ来て
背後
(
うしろ
)
から両手で肩を押さえた。「何かまた詰まらない事を考え出していらっしゃるのね。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
「はあ」と云つて、木村は手の届く所に
卓
(
つくえ
)
のやうな物のあるのを見て、持つてゐた赤い紙札をその上に置いた。
田楽豆腐
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
渠
(
かれ
)
は
清国
(
しんこく
)
の富豪
柳
(
りゅう
)
氏の家なる、奥まりたる一室に
夥多
(
あまた
)
の
人数
(
にんず
)
に取囲まれつつ、椅子に
懸
(
かか
)
りて
卓
(
つくえ
)
に向えり。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただの板を打った、細長い
卓
(
つくえ
)
によって、二人の処士が飲んでいた。ふいに門口からはいってきた、玄徳のすがたを見——唖然として——どっちも眼をまろくする。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その夜遅くラエーフスキイは
卓
(
つくえ
)
の前に坐って、相変らず手をこすりながら、そう思った。窓がふいにばたんと開いて、どっと風が室内へ吹き入り卓上の紙を飛ばした。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「これですか」と三吉は
兵児帯
(
へこおび
)
の間から銀側時計を取出して、それを大きな
卓
(
つくえ
)
の上に置いた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
犬狗
(
いぬえのこ
)
のやうに
草叢
(
くさむら
)
に
打棄
(
うちす
)
ててありましたのを、やうやく御生前に懇意になされた禅僧のゆくりなくも通りすがつた者がありまして、泣く泣くおん
亡骸
(
なきがら
)
を取収め、陣屋の傍に
卓
(
つくえ
)
を立て
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
年の暮のえびす講などに忘年芝居を催したりする派手な店で北新道のあたしの家の並びの荷蔵に、荷車で芝居の道具を出しに来たりしていた。その店が会場となり演説の
卓
(
つくえ
)
がおかれた。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それから椅子に腰をかけて
卓
(
つくえ
)
に頬杖をつきながら、ぼんやりと窓の外を眺めた。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
それは夢に見た白娘子の
艶
(
なまめ
)
かしい顔であった。許宣は
卓
(
つくえ
)
の上に眼を落した。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
卓
(
つくえ
)
もない、椅子もない。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
男は指先で
卓
(
つくえ
)
を叩いて拍子を取った。この時一つの考えが頭をかすめて過ぎた。それは「もう少しばかりの命だ、面白く暮されるだけ暮して見よう」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
中等室の
卓
(
つくえ
)
のほとりはいと静かにて、
熾熱燈
(
しねつとう
)
の光の晴れがましきも
徒
(
あだ
)
なり。
今宵
(
こよい
)
は夜ごとにここに
集
(
つど
)
い来る
骨牌
(
カルタ
)
仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは
余
(
よ
)
一人
(
ひとり
)
のみなれば。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
呟
(
つぶや
)
くやいな、雷横は、そこの
卓
(
つくえ
)
を蹴って、男のからだもろとも、引っくりかえし
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
卓
(
つくえ
)
の上に差置きたる帽を片手に取ると
斉
(
ひと
)
しく、粛然と身を起して
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
傍に毛氈が畳んだままに積み上げてあるのは、一人々々取り替えるためであろう。入口の側に
卓
(
つくえ
)
があって、大小が幾組も載せてある。近づいて見れば、長堀の
邸
(
やしき
)
で取り上げられた大小である。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
卓
(
つくえ
)
の上に差置きたる帽を片手に取ると
斉
(
ひと
)
しく、
粛然
(
しゅくぜん
)
と身を起して
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
巌
(
いは
)
の
彼方
(
かなた
)
に
恰
(
あだか
)
も
卓
(
つくえ
)
に
向
(
むか
)
つて
立
(
た
)
つ
状
(
さま
)
して
彳
(
たゝず
)
んだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
卓
常用漢字
中学
部首:⼗
8画
“卓”を含む語句
卓子
食卓
卓子掛
円卓
円卓子
洋卓
小卓
卓布
食卓布
書物卓
小卓子
卓上
贄卓
卓越
石卓
麻雀卓
茶卓子
卓上演説
大卓
卓子台
...