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初對面
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しよたいめん
『
玄竹、
其方に
逢つたのは、いつが
初對面だツたかなう。』と、
但馬守は
空の
盃を
玄竹の
前に
突き
出して、
銚子の
口を
受けながら
言つた。
何、
貴女、
男同士だ、と
何うかすると、
御近所づから、
町内では
錢湯の
中で、
素裸で
初對面の
挨拶をする
事がありますよ……
其上御米は
若い
女に
有勝の
嬌羞といふものを、
初對面の
宗助に
向つて、あまり
多く
表はさなかつた。たゞ
普通の
人間を
靜にして
言葉寡なに
切り
詰めた
丈に
見えた。
天外萬里の
異邦では、
初對面の
人でも、
同じ
山河の
生れと
聞けば
懷かしきに、まして
昔馴染の
其人が、
現在此地にありと
聞いては
矢も
楯も
堪らない、
私は
直ぐと
身仕度を
整へて
旅亭を
出た。
しながら
初對面の
挨拶を
心細い
事には、
鹽尻でも、
一人も
同じ
室へ
乘込まなかつた。……
其の
宿の
名は、
八重垣姫と、
隨筆の
名で、
餘所ながら、
未見の
知己。
初對面の
從姉妹と、
伯父さんぐらゐに
思つて
居たのに。………
同道にて忠兵衞の
宅に到り私しは赤坂表町家主長助と申す者なりと
初對面の挨拶も
濟扨段々と此お光より
承まはりしに
御自分事八ヶ年以前八月廿八日
未明に平川天神御參詣の
折節麹町三丁目
町醫師村井長庵にお
逢なされしとの事道十郎殿
寃の罪に
墮りしも長庵は其
朝不快にて
臥り居り弟の
見送にさへ出る事
能は