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しよたいめん
其上御米は
若い
女に
有勝の
嬌羞といふものを、
初對面の
宗助に
向つて、あまり
多く
表はさなかつた。たゞ
普通の
人間を
靜にして
言葉寡なに
切り
詰めた
丈に
見えた。
天外萬里の
異邦では、
初對面の
人でも、
同じ
山河の
生れと
聞けば
懷かしきに、まして
昔馴染の
其人が、
現在此地にありと
聞いては
矢も
楯も
堪らない、
私は
直ぐと
身仕度を
整へて
旅亭を
出た。
殊に
書いたものに
敬服してゐたM、K
氏は
名前を
知つてゐるだけで、
私には、
初対面であつたが、
少しも
気取らない、ヒユモリストであるので
此人は
何でも十三四の
頃から
読売新聞に
寄書して
居たので、
其の
文章を見た目で
此人を
看ると、
丸で
虚のやうな
想がしました、
後に
巌谷も
此の
初対面の時の事を
言出して