列車れつしや)” の例文
列車れつしやは、おやとおもふほど何処どこまでも長々なが/\つらなつたが、これ後半部こうはんぶ桐生行きりふゆきてられたものであつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うつまへに、機會きくわいだから一寸ちよつと東京とうきやうまでたいものだとかんがへてゐるうちに、今度こんど色々いろ/\事情じじやうせいせられて、ついそれ遂行すゐかうせずに、矢張やはくだ列車れつしやはしかた自己じこ運命うんめいたくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
列車れつしや給仕きふじ少年せうねんは——ひにく——東區ひがしく某町ぼうちやう矢太やたさんのみぎ高等御下宿かうとうおんげしゆくへあてた言句もんくながら
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雖然けれども、いざ、わかれるとれば、各自てんでこゝろさびしく、なつかしく、他人たにんのやうにはおもはなかつたほど列車れつしやなかひとまれで、……まれふより、ほとんたれないのであつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうちはまだよかつた、……汽車きしやとともにけてき、汽車きしやとゝもにしづむのに、少時しばらくすると、また洗面所せんめんじよどあから、ひよいとかほしてのぞいた列車れつしやボーイが、やがて
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「えゝ、列車れつしやでは横濱よこはま電報でんぱうあつかひません、——大船おほふなちますから。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぶやうに列車れつしやぐる、小栗栖をぐるすまどからのぞいて、あゝ、あすこらのやぶからやりて、馬上ばじやうたまらず武智光秀たけちみつひで、どうと落人おちうどから忠兵衞ちうべゑで、あし捗取はかどらぬ小笹原こざさはらと、線路せんろ堤防どて枯草かれくさ料簡れうけん
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
挨拶あいさつする。こゝで列車れつしや半分はんぶんづゝに胴中どうなかからわかれたのである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この列車れつしやは、米原まいばら一體分身いつたいぶんしんして、わかれて東西とうざいはしります。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
列車れつしやはひつたとき驛夫えきふ少年せうねんくるまけてとほる。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
糸崎行いとざきゆき列車れつしやは、不思議ふしぎいとのやうに細長ほそながい。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)