“冬籠:ふゆごも” の例文
“冬籠:ふゆごも”を含む作品の著者(上位)作品数
中里介山7
島崎藤村3
水野仙子1
堀辰雄1
泉鏡花1
“冬籠:ふゆごも”を含む作品のジャンル比率
文学 > イタリア文学 > 詩7.1%
芸術・美術 > スポーツ・体育 > 戸外レクリエーション1.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
全く珍しいことですよ、この温泉へ、こうまで顔がそろって冬籠ふゆごもりをしようなんぞは、白骨はじまって無いことでしょう。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
コノ地、秋ヨリ冬ニカケテハ、旅宿ハ戸ヲ釘ヅケニシテ里ニ去ル例ナレドモ、今年ハ珍シク冬籠ふゆごもリノ客多数居残リヲレリ……
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
硝子戸ガラスど越しにして来ている午後の日あたりを眺めると、最早もう何処の家でも冬籠ふゆごもりらしかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
でも、その当人が、この宿に冬籠ふゆごもりをするうちの誰? ということは、笠がかくしていて判断の余地を与えません。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
冬籠ふゆごもりする高瀬は火鉢にかじりつき、お島は炬燵こたつへ行って、そこで凍える子供の手足を暖めさせた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ニーロのほとり冬籠ふゆごもる鳥、空にむらがつどひて後、なほも速かに飛ばんためつらなり行くことあるごとく 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この二人は、どちらも池田良斎の一行で、この白骨の湯で冬籠ふゆごもりをし、春のきたるのを待って、飛騨の方面へ飛躍しようとする一味の者。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一日や二日ならば隠れおおせるが、もしあれがわたしたち同様に、冬籠ふゆごもりをするつもりで来たとすればどうしよう、ほとんど逃れる道はない——
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かすみせきには返りざきの桜が一面、陽気はづれの暖かさに、冬籠ふゆごもりの長隠居、炬燵こたつから這出はいだしたものと見える。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
五箇月も前から——旅の冬籠ふゆごもりの間——岸本は唯そればかりを待っていたようなものであった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ははあ、冬籠ふゆごもりの人も二三いるにはいましたけれど、お化けのことは誰も言いませんでした」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すこぶる注意周到なる準備をすにあらざれば、べきにあらず、予は冬籠ふゆごもの困難はむしろ苦とは思わざりしが
「これでは冬籠ふゆごもりもできないね。早く東京へ帰ることにしようか」と、栄一は故郷の様子を見ただけで満足して、ふたたび都の小さい借家へ帰ろうとした。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
そうしていま帰らなければ、御同様ここで冬籠ふゆごもりをするつもりかも知れない。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
玄関から声かけると、主婦らしい小肥こぶとりの女が出て来て、三村加世子がいるかとくと、まだ冬籠ふゆごもり気分の、厚いそで無しに着脹きぶくれた彼女は、
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
眼の前に差迫っている冬籠ふゆごもりの用意の事を思出しますと、何がなしにジッとしては居られなくなりましたので、お天気のいいのを幸いに、手製のタマ網を引っかついで
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
大磯おほいそ濤音なみおとゆるあたり何某殿なにがしどのと不景気知らずの冬籠ふゆごもり、ねたましの御全盛やと思ひの外、に驚かるゝものは人心
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
いじゃありませんか。うせ寒いうちは休みでしょうから、当分はここのうち冬籠ふゆごもりをさいよ。」と、若い女の声。これはお葉ではなかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
十二月になって、雪が二三度降り、いよいよ冬籠ふゆごもりをしだした時分になってから、うちの爺やがどうもこの頃うちを明けてばかりいるのにようやっと気がつき出しました。
朴の咲く頃 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
白骨の炉辺閑話でも、そこに集まる冬籠ふゆごもりの人たちの風采ふうさいを、お雪ちゃんの話によって、いちいち想像に描いてみては、それらの人と共に語るような思いもするのです。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ふる草津くさつかくれて、冬籠ふゆごもにも、遙々はる/″\高原かうげんゆきけて、うらゝかなつてゐる。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
小判と砂利を入れ換へたのは私一人の細工さいくで、誰にも相談したわけぢやありません。山吹色の小判は、別のところに、五色の虹を吐いて、ほか/\と冬籠ふゆごもりして居りますよ。
あの冬籠ふゆごもりの人たちは、いずれも一風変った人たちではあったけれども、なかでも北原さんがいちばん気軽で、わたしとは気が合っていた。口は悪いけれども、全く親切気のあった人。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この白骨の温泉の冬籠ふゆごもりで、誰がわたしの相手になってくれます、炉辺閑話の席などへ寄りつこうものなら、たちまちあの人たちにとっつかまって火の中へくべられっちまいます。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
森の樹々が、木枯しに吹かれて一日一日、素肌をあらわし、魔法使いの家でも、そろそろ冬籠ふゆごもりの仕度に取りかかりはじめた頃、素張すばらしい獲物がこの魔法の森の中に迷い込みました。
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
今年の冬籠ふゆごもりのさびしさを思いながら清三は歩いた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
その長い冬籠ふゆごもりの用意をせねば成らぬ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
冬籠ふゆごもり燈下に書すと書かれたり
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
平湯を第二の冬籠ふゆごもりとして、我々の一分隊がここを占拠して、暮してみるもまた一興ではないか——こんなことに相談がまとまって、予定よりは二日も遅れて、そうして久助と町田とが飛騨の高山へ着いて見た時は
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
長い間の冬籠ふゆごもりだ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もう、これだけ以上には、ここで冬籠ふゆごもりをしようというまでのものはないことと、誰しも了簡りょうけんしているところへ、山の通人が、同行者を一人つれて、不意に訪れたものですから、新顔が加わって、また新しい話題が湧きました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
宿のあるじが気がきいて備えて置いたか、或いはお客のある者が置残して行ったのを、いい無聊ぶりょうの慰めにかつぎ出して、手ずさみを試むる数寄者すきものが、この頃の、不意の、雑多の、えたいの知れぬ白骨の冬籠ふゆごもれんのうちに、一人や二人、無いとはいえまい。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
翌日午過ひるすぎ散歩のついでに、火元を見届みとどけようと思う好奇心から、例の坂を上って、昨夕ゆうべの路次を抜けて、蒸汽喞筒の留まっていた組屋敷へ出て、二三間先の曲角まがりかどをまがって、ぶらぶら歩いて見たが、冬籠ふゆごもりと見える家が軒を並べてひそりと静まっているばかりである。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)