トップ
>
不愉快
>
ふゆかい
ふりがな文庫
“
不愉快
(
ふゆかい
)” の例文
測る道具と測る品物が往々にして
異
(
ことな
)
るので、この二者を混同するとつまらぬことに
争
(
あらそ
)
いが起こり、
互
(
たが
)
いに
不愉快
(
ふゆかい
)
の念を
生
(
しょう
)
ずるにいたる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
兄
(
あに
)
は、
会社
(
かいしゃ
)
で、
上
(
うえ
)
のものが
権力
(
けんりょく
)
によって、
下
(
した
)
のものをおさえつけようとするのを
見
(
み
)
て、なにより
不愉快
(
ふゆかい
)
に
思
(
おも
)
ったらしいのでした。
兄の声
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「どうもこれはずいぶん
不愉快
(
ふゆかい
)
な事件だね。よろしい。そんならフクジロがマッチを十円で売るということを知っているものは手をあげ。」
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その
自
(
みずか
)
ら
感
(
かん
)
じた
不愉快
(
ふゆかい
)
のこと、
愚
(
おろか
)
な
人々
(
ひとびと
)
が
自分
(
じぶん
)
を
狂人視
(
きょうじんし
)
しているこんな
町
(
まち
)
から、
少
(
すこ
)
しでも
出
(
で
)
て
見
(
み
)
たらば、とも
思
(
おも
)
うのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
どうにも心の置場のないような
不愉快
(
ふゆかい
)
を感じるが、それを書いてしまうとさっぱりする、さっぱりした心持で何かをあらたに受けいれようとする構えに
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
すでに他人の
忠勇
(
ちゅうゆう
)
を
嘉
(
よ
)
みするときは、同時に
自
(
みず
)
から
省
(
かえり
)
みて
聊
(
いささ
)
か
不愉快
(
ふゆかい
)
を感ずるもまた人生の
至情
(
しじょう
)
に
免
(
まぬ
)
かるべからざるところなれば、その心事を
推察
(
すいさつ
)
するに
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
しかし津村の気持では、自分の母が
狭斜
(
きょうしゃ
)
の
巷
(
ちまた
)
に生い立った人であると云う事実は、ただなつかしさを増すばかりで別に
不名誉
(
ふめいよ
)
とも
不愉快
(
ふゆかい
)
とも感じなかった。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
巨
(
おお
)
きな汽船だけに、まア、リフトの
昇降時
(
しょうこうじ
)
にかんじる、
不愉快
(
ふゆかい
)
さといった
程
(
ほど
)
のものでしたが、やはり甲板に出てくる人の数は少なく、
喫煙室
(
スモオキングルウム
)
で、
麻雀
(
マアジャン
)
でもするか
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「ウム、かれらの
策
(
さく
)
にのせられると思えば
不愉快
(
ふゆかい
)
だが、
得物
(
えもの
)
やわざは
末葉
(
まつよう
)
のこと、
承知
(
しょうち
)
してくれよう」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相手が動物になってしまうと、もう、与平にとって、哀れでも不憫でもなくなる。意識はひどくさえざえとして来て、自分で自分がしまいには
不愉快
(
ふゆかい
)
になって来るのだ。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
彼は又、社交会話に
洒落
(
しゃれ
)
(彼によればその大部分が、
不愉快
(
ふゆかい
)
な
駄洒落
(
だじゃれ
)
でしかなかったが)
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは予定の行事を予定に従ってすすめて行けばよかったし、そして、それだけのことは、自分の心をいつわっているという
不愉快
(
ふゆかい
)
な自覚なしにもできることだったからである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
いよいよと時日が
逼
(
せま
)
った二三日前になって、何か考えなければならないという気が少ししたのですが、やはり考えるのが
不愉快
(
ふゆかい
)
なので、とうとう絵を
描
(
か
)
いて
暮
(
く
)
らしてしまいました。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だが心配の重さだけは忘れているまも心にのこっていて、なんとなく
不愉快
(
ふゆかい
)
であった。
川
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
かの女は、華美でも洗練されて
居
(
い
)
るし、
我儘
(
わがまま
)
でも
卒直
(
そっちょく
)
な戸崎夫人の
噂
(
うわ
)
さは
不愉快
(
ふゆかい
)
でなかった。そういう甲野氏も
僻
(
ひが
)
み
易
(
やす
)
いに似ず、ずかずか言われる戸崎夫人をちょいちょい
尋
(
たず
)
ねるらしかった。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
文麻呂は清原の
煮
(
に
)
え切らぬ態度を
不愉快
(
ふゆかい
)
に感ずる。励ますように………
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
かれは、
勇気
(
ゆうき
)
も
情熱
(
じょうねつ
)
もなければ、なまなかの
良心
(
りょうしん
)
は、ただみずからを
不愉快
(
ふゆかい
)
にするばかりで、
用
(
よう
)
のないものだとさとりました。
考えこじき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
このわれわれのやった大しばいについて
不愉快
(
ふゆかい
)
なお方はどうか祭司次長にその
攻撃
(
こうげき
)
の矢を向けて下さい。私はごく気の弱い一信者ですから。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
わが輩は常に女といえばただちに母ということを頭脳に思い出すから、いちがいに女という文字を
嘲笑的
(
ちょうしょうてき
)
に用うる人多きを見て、
不愉快
(
ふゆかい
)
に感ずる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
不愉快
(
ふゆかい
)
そのもののような気持で、ベッドに
引繰
(
ひっく
)
り返ったまま、眼を閉じていると、松山さんは、なおも、手近にあった通俗雑誌を手にとり、ぼくの横にわざと、ごろりと寝て
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
彼
(
かれ
)
は
何時
(
いつ
)
が
日
(
ひ
)
も
囚人
(
しゅうじん
)
に
出会
(
でっくわ
)
せば、
同情
(
どうじょう
)
と
不愉快
(
ふゆかい
)
の
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれるのであるが、その
日
(
ひ
)
はまたどう
云
(
い
)
うものか、
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
われぬ一
種
(
しゅ
)
のいやな
感覚
(
かんかく
)
が、
常
(
つね
)
にもあらずむらむらと
湧
(
わ
)
いて
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「出来上ったンなら早く持っておいで、友情のない奴の品物なンぞ見るのも
不愉快
(
ふゆかい
)
だ」
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
たとえば目の不良なる人はつねに
欝陶
(
うっとう
)
しく感じ、したがってますます
不愉快
(
ふゆかい
)
を覚え、人の前に出るのを
厭
(
いと
)
うにいたる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ぼくは
懸命
(
けんめい
)
になればなる
程
(
ほど
)
、
拙劣
(
せつれつ
)
なのを知りながら「実はあなたが昨夜、熊本さんについて見たことを、あなたの胸だけに
蔵
(
しま
)
っておいて
貰
(
もら
)
いたいのです」と言いかければ、彼は
不愉快
(
ふゆかい
)
そうにかん高く
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
けちをつけられたのが
不愉快
(
ふゆかい
)
だったのであります。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼
(
かれ
)
は
血
(
ち
)
を
見
(
み
)
るさえ
不愉快
(
ふゆかい
)
に
感
(
かん
)
じていたからで。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
愉
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
快
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“不”で始まる語句
不可
不思議
不憫
不図
不味
不審
不埒
不幸
不愍
不相変