“あてど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
当途38.5%
当所20.5%
目的10.3%
当処7.7%
當處5.1%
當途5.1%
的途5.1%
当度2.6%
當所2.6%
的処2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ほかの者どもが当途あてどもなしにそこらの神社仏閣などを尋ね迷っている間に、最もおくれて館を出た彼が最も早く姫のゆくえを探し当てた。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
惣「真桑瓜を盗んだからといって何も殺しはしない、真桑瓜と人間とは一つにはならん、殺しはせんが、こゝで助けても、是から何処どこきなさる、当所あてどがありますかえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二人ふたりの言葉は一寸ちよつ途断とぎれた。そして何所どこへともなく目的あてどなくあるいて居るのである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
当処あてども無しに駈けつづけて、二人は疲れ果てた。
でつ漸々やう/\東京こゝへはきしもの當處あてどなければ御行衛おゆくゑさらるよしなく樣々さま/″\艱難かんなん御目おめにかゝるをりめられぐさにとつはこゝろたのしみつゝいやしい仕業しわざきよおこなひさへがれずばと都乙女みやこおとめにしきなか木綿衣類もめんぎもの管笠すげがさ脚袢きやはん
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宗助そうすけはらなかで、昨夕ゆうべやう當途あてどもないかんがへふけつて、なうつからすより、一層いつそそのみち書物しよもつでもりてはうが、要領えうりやう捷徑ちかみちではなからうかとおもいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
マーゲート駅で下車した人々は停車場ステーションを立去って、おお風が吹過ふきすぎたあとのような駅前の広場に、泉原は唯ひとり残された。彼は何処へゆくという的途あてどもなく、海岸通りへ歩を運んだ。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
野村はいら/\しながら、当度あてどもなく歩き廻っていた。
いつそにかゝりしうへにてかくもせんとこゝろこたへて妻戀下つまこひしたとばかり當所あてどなしにこゝの裏屋うらやかしこの裏屋うらやさりとてはくもつかむやうなたづねものもおもこゝろがしるべにや松澤まつざはといふかなにらねど老人としより病人びやうにん二人ふたりありて年若としわか車夫しやふいへならば此裏このうら突當つきあたりから三軒目さんげんめ溝板どぶいたはづれしところがそれなりとまでをしへられぬとき
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ちょいと御免なさい、御免なしい。」と三吉的処あてども無しに声を懸けて、奥より人の出づるを待てば
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)