トップ
>
当所
>
あてど
ふりがな文庫
“
当所
(
あてど
)” の例文
旧字:
當所
女房
(
かない
)
の里方が日本に無いのを忘れない村井氏は、ちよい/\夫人を連れて、あちこちと旅をする。そして
何処
(
どこ
)
と
当所
(
あてど
)
もない折には、日光へ
往
(
ゆ
)
く事に
定
(
き
)
めてゐる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
惣「真桑瓜を盗んだからといって何も殺しはしない、真桑瓜と人間とは一つにはならん、殺しはせんが、
茲
(
こゝ
)
で助けても、是から
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
きなさる、
当所
(
あてど
)
がありますかえ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まるで
当所
(
あてど
)
なきさすらひ人のやうに、高く雲間に聳えたち、まぶしい陽の光りが絵のやうな青葉のかたまりを赫つと炎え立たせると、その下蔭の
葉面
(
はづら
)
には闇夜のやうな
暗影
(
かげ
)
が落ちて
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
透き通るような蒼い額からげっそりと
削
(
そ
)
げた頬の辺
手頼
(
たよ
)
りない寂しい
陰影
(
かげ
)
があって、見る人をして悲しませる。据えた瞳を
当所
(
あてど
)
もなく
茫然
(
ぼうぜん
)
と前方へ注ぎながら何やら
独言
(
ひとりごと
)
を云っている。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
やや有りて彼は
徐
(
しづか
)
に立ち上りけるが、こ
回
(
たび
)
は更に
邇
(
ちか
)
きを眺めんとて双眼鏡を取り直してけり。
彼方此方
(
あなたこなた
)
に差向くる筒の
当所
(
あてど
)
も無かりければ、
偶
(
たまた
)
ま
唐楪葉
(
からゆづりは
)
のいと近きが
鏡面
(
レンズ
)
に
入
(
い
)
り
来
(
き
)
て一面に
蔓
(
はびこ
)
りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
当所
(
あてど
)
もなく
室
(
へや
)
の一方を見詰めたるまま、
黙然
(
もくねん
)
として物思えり。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勢いを倍加して一散に
当所
(
あてど
)
もなく走り出した。
春:――二つの連作――
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と
身忙
(
みぜわ
)
しそうに片膝立てて、
当所
(
あてど
)
なく
睜
(
みまわ
)
しながら
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“当所”の意味
《名詞》
この場所。その場所。
(出典:Wiktionary)
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“当所”で始まる語句
当所無