“的途”の読み方と例文
読み方割合
あてど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女かれ流石さすが狂人きちがいではない。吹雪ふぶきの中を的途あてども無しに駈け歩いたとて、重太郎の行方は知れそうも無いのに、何時いつまで彷徨うろついているのも馬鹿馬鹿しいと思った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
マーゲート駅で下車した人々は停車場ステーションを立去って、おお風が吹過ふきすぎたあとのような駅前の広場に、泉原は唯ひとり残された。彼は何処へゆくという的途あてどもなく、海岸通りへ歩を運んだ。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)