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當處
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あてど
つくすとも
饜るべき
奴ならずと
冷凍る
拳握りつめて
當處もなしに
睨みもしつ
思ひ
返せばそれも
愚痴なり
恨みは
人の
上ならず
我れに
男らしき
器量あらば
是れ
程までには
窮しもすまじアヽと
歎ずれば
吐く
息しろく
見えて
身を
出でつ
漸々東京へは
着きし
物の
當處なければ
御行衛更に
知るよしなく
樣々の
憂き
艱難も
御目にかゝる
折の
褒められ
種にと
且つは
心に
樂しみつゝ
賤しい
仕業も
身は
清し
行ひさへ
汚がれずばと
都乙女の
錦の
中へ
木綿衣類に
管笠脚袢は