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震撼
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しんかん
ふりがな文庫
“
震撼
(
しんかん
)” の例文
と、令をさけぶと、たちまち天地を
震撼
(
しんかん
)
して、かつて甲州の将士の耳には、聞いたこともない
轟音
(
ごうおん
)
が、城の数ヵ所から火を吐いた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分は
震撼
(
しんかん
)
しました。ワザと失敗したという事を、人もあろうに、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
一
門
(
もん
)
震撼
(
しんかん
)
、九族は根絶やし。——果然、道中何かの計画があったとみえて、見る見るうちに豊後守の顔が青ざめました。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
座敷の中は、
黄昏
(
たそがれ
)
のように、暗くなっていた。いなずまは白く、青く、ひらめき、走り、雷鳴は建物ぜんたいを
震撼
(
しんかん
)
させ、揺りたてるように思えた。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
漫々として浪一つ立たない静かな海も、どこかその底の底には、恐ろしい大怪物がひそんでいて、今にも荒れ出して、天地を
震撼
(
しんかん
)
させそうに思われました。
少年と海
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
▼ もっと見る
ガチャリと電話が切れたと思うと、やがて
船腹
(
ふなばら
)
を
震撼
(
しんかん
)
する
波濤
(
なみ
)
の
轟音
(
おと
)
が急に高まって来た。タッタ二
節
(
ノット
)
の違いでも波が倍以上大きくなったような気がする。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
蓬々
(
ほうほう
)
として始まり、号々として怒り、奔騰狂転せる風は、
沛然
(
はいぜん
)
として至り、
澎然
(
ほうぜん
)
として
瀉
(
そそ
)
ぎ、猛打乱撃するの雨と
伴
(
とも
)
なって、
乾坤
(
けんこん
)
を
震撼
(
しんかん
)
し、
樹石
(
じゅせき
)
を
動盪
(
どうとう
)
しぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
当時世間を
震撼
(
しんかん
)
させたピストル強盗清水定吉とか、稲妻小僧坂本慶次郎とかは、忽ち探偵小説となった。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
『主よ、なんじのことばは正しかりき。なんとなれば、なんじの道の開けたればなり!』と叫んだとき、全字宙がどんなに
震撼
(
しんかん
)
するかということも、僕にはよくわかる。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
道志山脈、関東山脈の山々の
衣紋
(
えもん
)
は、
隆
(
りゅう
)
として折目を正した。思いがけなく、
落葉松
(
からまつ
)
の森林から鐘が鳴った、小刻みな太鼓が
木魂
(
こだま
)
のように、山から谷へと朝の空気を
震撼
(
しんかん
)
した。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
一世を
震撼
(
しんかん
)
せしめた稀代の女賊「黒トカゲ」は、かくして息絶えたのであった。名探偵明智小五郎の膝を枕に、さも嬉しげな微笑を浮かべながら、この世を去ったのであった。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
八幡村を
震撼
(
しんかん
)
させるような恐怖が起ったのは、その翌日の夕方のことでありました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これほど社会を
震撼
(
しんかん
)
し、しかもこれほど、事件当時のみならず長く以後にわたって、
警視庁
(
ヤアド
)
内部はもちろん、あらゆる犯罪学者、あらゆる私設探偵局、あらゆる新聞社の専門的犯罪記者等から
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
ナポレオンの爪に猛烈な征服慾があればあるほど、田虫の戦闘力は紫色を呈して強まった。全世界を
震撼
(
しんかん
)
させたナポレオンの一個の意志は、全力を
挙
(
あ
)
げて、一枚の紙のごとき田虫と共に格闘した。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
その年の二月と三月に血盟団事件があって、井上準之助と
団琢磨
(
だんたくま
)
が射殺された。五月には
犬養
(
いぬかい
)
首相が暗殺された。この五・一五事件は前の二件とちがって、大規模な集団行動として世間を
震撼
(
しんかん
)
させた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
しかし信長の左右すべての人々が、信長の
震撼
(
しんかん
)
に
慴伏
(
しょうふく
)
して、一瞬、
寂
(
せき
)
としたまま、声もないので、しばらく彼もそこを起ちかねていた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かならずしも私にとって
頂門
(
ちょうもん
)
の
一針
(
いっしん
)
というわけのものでも無かったし、また、あなたの大声
叱咤
(
しった
)
が私の全身を
震撼
(
しんかん
)
させたというわけでも無かったのです。
風の便り
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
然も極めて忍びやかに繰り返されているのだが、それにも
拘
(
かかわ
)
らず、老中部屋の空気は、まるで巨大な樹木が眼に見えぬ旋風に挑みかかるかのように
震撼
(
しんかん
)
していた。
城中の霜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
さるを
其
(
そ
)
の
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くなるに至りし
所以
(
ゆえん
)
は、天意か人為かはいざ知らず、一
波
(
ぱ
)
動いて万波動き、不可思議の事の
重畳
(
ちょうじょう
)
連続して、其の
狂濤
(
きょうとう
)
は四年の間の天地を
震撼
(
しんかん
)
し
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
とにかく、「ジャック・ゼ・リッパア」なる人物は、なにかの理由から、イースト・エンドの売春婦をひいてはロンドン全体を、その人心を、社会を、
震撼
(
しんかん
)
し
戦慄
(
せんりつ
)
させるのが目的だったに相違ない。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
彼の心を
震撼
(
しんかん
)
するのであった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
逃げる敵の悲鳴か、追いまくる味方の声か、ごうごうと
曠野
(
こうや
)
の闇をふく風のような
震撼
(
しんかん
)
が、しばし何処ともなく揺るがしていた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽ばたきの音も
物凄
(
ものすご
)
く一斉に飛び立ってかの舟を襲い、羽で湖面を
煽
(
あお
)
って大浪を起し
忽
(
たちま
)
ち舟を
顛覆
(
てんぷく
)
させて見事に
報讐
(
ほうしゅう
)
し、大烏群は全湖面を
震撼
(
しんかん
)
させるほどの騒然たる
凱歌
(
がいか
)
を挙げた。
竹青
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
共に青年時代の
流寓中
(
るぐうちゅう
)
の事件であるが、一世を
震撼
(
しんかん
)
させた事件なので、かなり詳細にそして後世まで伝聞されたものと思われる。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これが叡山を焼き、武田を討ち、ついきのうは、越前から加賀まで
震撼
(
しんかん
)
させてきた猛将だろうかと思うのである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
必要以上な彼の大声に、吟味所の冷気は一瞬
震撼
(
しんかん
)
し、遠い木戸口の獄役人らも、ぎょっとした様子だった。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
将軍
綱吉
(
つなよし
)
とても、多分に心を
震撼
(
しんかん
)
されたここちであった。
腫
(
は
)
れ
物
(
もの
)
にさわるような鄭重さが、この一隠居と将軍家との対面に無言の気づかいを終始くばっていた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこには、たちまち
矢叫
(
やさけ
)
び、
吶喊
(
とっかん
)
の
声
(
こえ
)
、
大木
(
たいぼく
)
大石
(
たいせき
)
を投げおとす音などが、ものすさまじく
震撼
(
しんかん
)
しだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
都へは使者が
馳
(
は
)
せ、各州には
官符
(
かんぷ
)
が飛び、
梁山泊
(
りょうざんぱく
)
の名はいまや、全土へ
震撼
(
しんかん
)
しているにちがいない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、寄合のある座敷のほうで、怒号と物音と、何やら、すさまじい空気が、屋内を
震撼
(
しんかん
)
し出した。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黒煙の
漂
(
ただよ
)
い出した障子いちめんに、こまかい血しおの霧が打った。みだるる黒髪の下から最期の息で子の名をよぶ母の声も洩れた。しかしすべては一瞬の
震撼
(
しんかん
)
に似ていた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乱箭
(
らんせん
)
の交換に、雲は叫び、
肉闘剣戟
(
にくとうけんげき
)
の接戦となって、
鼓
(
こ
)
は裂け、旗は折れ、天地は
震撼
(
しんかん
)
した。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
虎は目鼻から血を
噴
(
ふ
)
き出す。
呻
(
うめ
)
きは全山を
震撼
(
しんかん
)
する。さらに蹴る。
滅
(
め
)
ッ
多
(
た
)
打ちに打ちのめす。苦しさの余り虎は腹の下の土を掘った、虎のからだの両側に小山ができる……。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一時、天下を
震撼
(
しんかん
)
させた
小牧
(
こまき
)
の
役
(
えき
)
も、これで終った。かたちとして、
暫定的
(
ざんていてき
)
に、ひとまず終った。信雄は、
年暮
(
くれ
)
の十四日に、岡崎へやって来て、押しつまった二十五日まで滞在していた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてこれも予想になかった
震撼
(
しんかん
)
をよびおこし全官軍の
大驚愕
(
だいきょうがく
)
となった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山陰の天地を
震撼
(
しんかん
)
して、丹波丹後二藩の士民を
沸騰
(
ふっとう
)
させた桔梗河原の大試合に、京極藩の大月玄蕃の
代
(
だい
)
試合として現われた稀世の名剣客
鐘巻自斎
(
かねまきじさい
)
と、福知山方の衆望を
担
(
にな
)
って死を決した春日重蔵——。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昼近くなるにつれて、砲声はいんいんと
震撼
(
しんかん
)
しはじめた。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
突として、
鼓声鉦雷
(
こせいしょうらい
)
のひびきが、白夜を
震撼
(
しんかん
)
した。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“震撼”の意味
《名詞》
震撼(しんかん)
震い動かすこと。震え上がること。
(出典:Wiktionary)
震
常用漢字
中学
部首:⾬
15画
撼
漢検1級
部首:⼿
16画
“震撼”で始まる語句
震撼的