トップ
>
野末
>
のずゑ
ふりがな文庫
“
野末
(
のずゑ
)” の例文
唯その人を命として、
己
(
おのれ
)
も有らず、家も有らず、
何処
(
いづこ
)
の
野末
(
のずゑ
)
にも
相従
(
あひしたが
)
はんと誓へるかの娘の、
竟
(
つひ
)
に利の為に志を移さざるを得べきか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
煙
(
けむり
)
が
立
(
た
)
つて、づん/\とあがる
坂
(
さか
)
一筋
(
ひとすぢ
)
、やがて、
其
(
そ
)
の
煙
(
けむり
)
の
裙
(
すそ
)
が
下伏
(
したぶ
)
せに、ぱつと
拡
(
ひろ
)
がつたやうな
野末
(
のずゑ
)
の
処
(
ところ
)
へ
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
は
夏
(
なつ
)
の
最中
(
もなか
)
自分
(
じぶん
)
はたゞ
畫板
(
ゑばん
)
を
提
(
ひつさ
)
げたといふばかり、
何
(
なに
)
を
書
(
か
)
いて
見
(
み
)
る
氣
(
き
)
にもならん、
獨
(
ひと
)
りぶら/\と
野末
(
のずゑ
)
に
出
(
で
)
た。
曾
(
かつ
)
て
志村
(
しむら
)
と
共
(
とも
)
に
能
(
よ
)
く
寫生
(
しやせい
)
に
出
(
で
)
た
野末
(
のずゑ
)
に。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
よしや
此縁
(
このえん
)
を
厭
(
いと
)
ひたりとも
野末
(
のずゑ
)
の
草花
(
さうくわ
)
は
書院
(
しよゐん
)
の
花瓶
(
くわびん
)
にさゝれんものか、
恩愛
(
おんない
)
ふかき
親
(
おや
)
に
苦
(
く
)
を
増
(
ま
)
させて
我
(
わ
)
れは
同
(
おな
)
じき
地上
(
ちじやう
)
に
彷徨
(
さまよ
)
はん
身
(
み
)
の
取
(
とり
)
あやまちても
天上
(
てんじやう
)
は
叶
(
かな
)
ひがたし
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
野末
(
のずゑ
)
に山に
谷蔭
(
たにかげ
)
に
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
冴
(
さ
)
えた
通
(
とほ
)
る
声
(
こゑ
)
で
野末
(
のずゑ
)
を
押
(
おし
)
ひろげるやうに、
啼
(
な
)
く、トントントントンと
谺
(
こだま
)
にあたるやうな
響
(
ひゞ
)
きが
遠
(
とほ
)
くから
来
(
く
)
るやうに
聞
(
き
)
こえる
鳥
(
とり
)
の
声
(
こゑ
)
は、
梟
(
ふくらう
)
であつた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬廻
(
うままは
)
りに
美男
(
びなん
)
の
聞
(
きこ
)
えは
有
(
あ
)
れど、
月
(
つき
)
の
雲井
(
くもゐ
)
に
塵
(
ちり
)
の
身
(
み
)
の
六三
(
ろくさ
)
、
何
(
なん
)
として
此戀
(
このこひ
)
なり
立
(
たち
)
けん、
夢
(
ゆめ
)
ばかりなる
契
(
ちぎ
)
り
兄君
(
あにぎみ
)
の
眼
(
め
)
にかヽりて、
或
(
あ
)
る
日
(
ひ
)
遠乘
(
とほのり
)
の
歸路
(
かへりみち
)
、
野末
(
のずゑ
)
の
茶店
(
ちやてん
)
に
女
(
をんな
)
を
拂
(
はら
)
ひて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼はここに於いて
曩
(
さき
)
に半箇の骨肉の親むべきなく、一点の愛情の温むるに会はざりし
凄寥
(
せいりよう
)
を感ずるのみにて
止
(
とどま
)
らず、失望を添へ、恨を
累
(
かさ
)
ねて、かの塊然たる
野末
(
のずゑ
)
の石は、霜置く上に
凩
(
こがらし
)
の吹誘ひて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
……
東雲
(
しのゝめ
)
の
雲
(
くも
)
は
其
(
そ
)
の
野末
(
のずゑ
)
を
離
(
はな
)
れて、
細
(
ほそ
)
く
長
(
なが
)
く
縦
(
たて
)
に
蒼空
(
あをぞら
)
の
糸
(
いと
)
を
引
(
ひ
)
いて、
上
(
のぼ
)
つて
行
(
ゆ
)
く、……
人
(
ひと
)
も
馬
(
うま
)
も、
其処
(
そこ
)
を
通
(
とほ
)
つたら、ほつほつと
描
(
ゑが
)
かれやう、
鳥
(
とり
)
も
飛
(
と
)
ばゞ
見
(
み
)
えやう
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
末
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
“野末”で始まる語句
野末源之丞