旧字:遮斷
山崎の町へ入るとすぐ、高山右近の部下は、町をつらぬいている道の木戸を封鎖して、附近の小道まで一切交通を遮断してしまった。
下へ降りていって、近道になるはずだった一つの通路がはじめて遮断されているのを発見して、困ったことになったぞ、と思った。
こんな工合で、風が真西に変って不意打ちを食ったのと、大河に遮断されて逃げ道のないのとで、荷物を出した人などはない。
彼が疎開していた処も、先日の水害で交通は遮断されていたが、先生に連れられて三日がかりで此処まで戻って来たのである。