行為こうい)” の例文
旧字:行爲
そう小田おださとると、自分じぶん行為こういまでがかえりみられて、これから、自分じぶんも、ほんとうのただしい、つよ人間にんげんになろうと決心けっしんしたのでした。
笑わなかった少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
不正なる行為こういは富の外にも行われる。不正なる行為をもって名誉を得る者もある。その代りには律義りちぎしょくで金をこしらえる者もある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのあいだにも花前はすこしでも、わが行為こうい緊張きんちょうをゆるめない。やがて主人はおくきゃくがあるというので牛舎ぎゅうしゃをでた。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
かれが大久保長安おおくぼながやすにいったことばは、すこしもうそのないところである。かれが一火流いっかりゅうの手のうちを見せようとはかってした行為こうい目的もくてきはたっしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その五種浄肉とても前論士の云われた如き余り残忍なる行為こういによらずしてというごとき簡単なるものではない。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
従古いにしえより当路者とうろしゃ古今一世之人物にあらざれば、衆賢之しゅうけんの批評ひひょうに当る者あらず。不計はからず拙老せつろう先年之行為こういに於て御議論ごぎろん数百言すうひゃくげん御指摘ごしてき、実に慙愧ざんきに不[ママ]ず、御深志かたじけなくぞんじそうろう
つねに勝氏の行為こういに不平をいだき、先生と会談の語次ごじ、ほとんどその事に及ばざることなかりしという。
瘠我慢の説:01 序 (新字新仮名) / 石河幹明(著)
赤シャツはおれ等の行為こういを弁解しながら控所ひかえじょを一人ごとにまわってあるいていた。ことに自分の弟が山嵐を誘い出したのを自分の過失であるかのごとく吹聴ふいちょうしていた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もしぼくが私情がましき行為こういがあったら、どうか断乎だんことして、僕をめてくれたまえ、ねえドノバン
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
前にも言ったとおり、恥かしがりで孤独こどくなぼくには、なにかにつけ、目立った行為こういはできなかった。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
午後、我がせし狼藉ろうぜき行為こういのため、はばかる筋の人にとらえられてさまざまに説諭せつゆを加えられたり。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あるいは、英雄のような行為こういをして、人びとに強烈な感動をあたえたいのであった。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
先生せんせいぼくたちのひろったすずめを、だまってっていこうとするから、いけないのです。」と、青木あおきが、六年生ねんせい行為こうい非難ひなんしました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
仏教徒諸君、釈迦を見ならえ、釈迦の行為こうい模範もはんとせよ。釈迦の相似形となれ、釈迦の諸徳をみなその二万分一、五万分一、あるいは二十万分一の縮尺スケールに於てこれを習修せよ。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
とは評論全篇の骨子こっしにして、論者がかかる推定すいていより当時もっとも恐るべきのわざわいは外国の干渉かんしょうに在りとなし、東西開戦かいせんせば日本国の存亡そんぼうはかるべからざるごとくに認め、以て勝氏の行為こうい弁護べんごしたるは
「いや、ひとかおるのが、あののくせであるか、いているのです。」と、教師きょうしは、自分じぶんにだけする行為こういなのか、それをりたかったのです。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
五種浄肉じょうにくとなづけてあまり残忍なる行為こういによらずして得たる動物の肉はこれを食することを許したのである。今日のビジテリアンは実に印度インドいにしえの聖者たちよりも食物のある点について厳格である。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それは、おじさんを非難ひなんしたようであるが、うらは、みあげた行為こうい感嘆かんたんしたようにもとれたのでした。
ひすいの玉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かみさまのあたえられた生命いのちうばってしまうという、残忍ざんにん行為こういは、ゆるされないのでないかね。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、自分じぶんのまちがった行為こういづくと、すぐにこころから反省はんせいするじゅん少年しょうねんであったのです。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
いま、正雄まさおは、自分じぶん行為こういたいして、気恥きはずかしさをかんぜずにはいられなかったのです。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうおもうと、いいれぬ不快ふかいを、だれがしたか、この残忍ざんにん行為こういからかんじられました。きているとり本位ほんいにして、かえって、無理むりとりちいさくしようとする、冷酷れいこくさをおもわずにいられません。
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)